外国人介護士の成功事例とアドバイス

日本で活躍する外国人介護士の成功事例3選と、介護現場で成功するための実践的なアドバイスを紹介。在留資格の選び方やキャリアアップモデル、直面する課題と解決策まで、外国人介護士を目指す方に役立つ情報を網羅しています。
外国人介護士の成功事例とアドバイス|日本の介護現場で活躍するためのガイド
日本の介護業界では深刻な人材不足が続いており、外国人介護士の受入れが年々拡大しています。2025年6月時点で介護分野の外国人労働者数は54,916人に達し、日本の介護現場に欠かせない存在となっています。しかし、言語や文化の壁、キャリアの不透明感など、多くの課題を乗り越えて成功している外国人介護士も数多くいます。
この記事では、実際に日本で活躍している外国人介護士の成功事例を紹介するとともに、これから介護業界を目指す外国人の方へ向けた具体的なアドバイスをお届けします。介護・医療業界の全体像を理解した上で、成功への道筋を一緒に考えていきましょう。
外国人介護士の受入れ状況と最新データ
日本の介護分野における外国人労働者の比率は、2000年のほぼ0%から2024年には約4%まで上昇しています。2024年12月時点では約12,227人の外国人が介護福祉士の在留資格を保有しており、その数は増加の一途をたどっています。
外国人介護士を受け入れるための在留資格制度は4つの柱から成り立っています。それぞれの特徴を理解することが、自分に合ったキャリアパスを選ぶ第一歩です。
| 在留資格 | 対象者 | 在留期間 | 家族帯同 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| EPA(経済連携協定) | インドネシア・フィリピン・ベトナム国籍 | 最大4年(介護福祉士合格で更新可) | 合格後可能 | 政府間協定に基づく受入れ、研修制度が充実 |
| 在留資格「介護」 | 介護福祉士資格保有者 | 制限なし(更新可能) | 可能 | 最も安定した在留資格、専門性を活かせる |
| 技能実習 | 開発途上国からの実習生 | 最大5年 | 不可 | 段階的な技能習得、監理団体のサポートあり |
| 特定技能 | 試験合格者または技能実習修了者 | 1号:5年/2号:制限なし | 2号のみ可能 | 即戦力として活躍、転職も一定条件で可能 |
さらに、2025年4月からは技能実習生・特定技能外国人も訪問介護サービスに従事できるようになり、活躍の場がさらに広がっています。各制度の詳細については特定技能ビザ完全ガイドやEPA介護士制度の解説もご参照ください。
外国人介護士の成功事例3選
事例1:医療法人愛心会「ケアホームあいの里」
医療法人愛心会が運営する「ケアホームあいの里」では、特定技能制度を活用して15名の外国人スタッフを受入れることに成功しました。ベトナム、インドネシア、ミャンマー、ネパールの4カ国から来日したスタッフが活躍しています。
成功のポイントは、入国前からの丁寧なコミュニケーションです。来日前に施設の雰囲気や仕事内容、生活環境について詳しく伝えることで、ミスマッチを防いでいます。また、日本人スタッフとの交流の機会を定期的に設け、チームの一体感を醸成しています。外国人介護士の需要と将来性が高まる中、このような取り組みは注目されています。
事例2:昭和医療法人協令会の長期雇用モデル
昭和医療法人協令会は2012年から外国人介護助手・介護スタッフの採用を開始した先駆的な施設です。特筆すべきは、日本人スタッフと同等の給与・賞与を支給していることです。
さらに、既存の外国人スタッフからの紹介採用(リファラル採用)を積極的に行っており、信頼関係をベースとした採用が安定した人材確保につながっています。この施設では、外国人スタッフの定着率が非常に高く、介護業界の給与と待遇の面でも模範的な事例となっています。
事例3:山梨県の協同組合による地域密着型支援
山梨県のある協同組合では、約250名の外国人介護士を支援しています。注目すべきは、特定技能移行後の定着率が約70%という驚異的な数字です。これは他の地域を大きく上回る水準です。
成功の秘訣は以下の通りです:
- 来日前の十分な情報提供:地方での生活について正直に説明し、ミスマッチを防止
- 適切な住居環境の確保:快適な住まいの提供による生活基盤の安定化
- 継続的な学習機会の提供:日本語能力向上のための学習サポート
- キャリアパスの明確化:長期的な成長プランの提示
詳細は国際厚生事業団の受入れ事例集でも紹介されています。
成功する外国人介護士に共通する5つの特徴
研究データや現場の声から、日本の介護現場で成功している外国人介護士には以下の共通点があることがわかっています。
1. 日本語学習への継続的な取り組み
介護現場では利用者やスタッフとのコミュニケーションが不可欠です。成功している介護士は、業務で使う介護現場の専門用語だけでなく、利用者との日常会話や、記録・申し送りに必要な表現も積極的に学んでいます。
2. キャリアビジョンの明確化
調査によると、外国人介護職員は給与よりも個人の成長やキャリア発達を重視する傾向があります。「介護福祉士の資格を取得したい」「将来は母国で介護施設を立ち上げたい」など、明確な目標を持つことが、困難な時期を乗り越えるモチベーションとなっています。介護業界のキャリアパスを理解し、計画的にステップアップすることが大切です。
3. 文化の違いを前向きに受け入れる姿勢
日本のビジネスマナーと文化を理解し、日本式のケアの特徴を尊重しながらも、自国の文化や経験を活かせる場面を見つけている方が多いです。
4. チームワークを重視するコミュニケーション
日本の介護現場はチームケアが基本です。分からないことは素直に質問し、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を徹底することが、信頼関係の構築につながります。
5. 資格取得への積極的な挑戦
介護福祉士の資格取得は、安定した在留資格を得るためだけでなく、専門性を高め、待遇を向上させるためにも重要です。国家試験の対策に計画的に取り組む姿勢が、長期的な成功を支えています。
外国人介護士が直面する課題と解決策
成功の裏には、多くの外国人介護士が共通して直面する課題があります。それぞれの課題に対する具体的な解決策を紹介します。
言語の壁
課題:介護記録の作成、申し送り、利用者との会話において、日本語の壁を感じる場面が多い。
解決策:
- やさしい日本語を活用した職場環境の整備を施設に依頼する
- 介護で使える日本語フレーズを日々の業務で実践する
- 日本語学習アプリやオンライン学習を活用する
キャリアの不透明感
課題:在留資格の制限や将来のキャリアパスが見えにくいことから不安を感じる。
解決策:
- 施設の上司やメンターと定期的にキャリア面談を行う
- 特定技能1号と2号の違いを理解し、ステップアップの計画を立てる
- 資格取得の計画を立て、着実に進める
生活面での孤立感
課題:特に地方では同郷のコミュニティが少なく、孤立感を感じやすい。
解決策:
- 自治体や地域の国際交流協会が開催するイベントに参加する
- ネットワーキング・コミュニティを活用する
- SNSを通じて同じ立場の仲間とつながる
夜勤や勤務体系への適応
課題:介護の夜勤と勤務体系に慣れるまでに時間がかかる。
解決策:
- 規則正しい生活リズムを意識し、十分な休息を取る
- 体調管理の方法を先輩スタッフから学ぶ
- 困った時は労働法や職場の権利を確認する
これから介護業界を目指す外国人への実践的アドバイス
来日前の準備
- 日本語力をN3以上に引き上げる:最低でもJLPT N4レベルは必要ですが、N3以上あると現場での適応がスムーズです
- 介護の基礎知識を学ぶ:母国で介護関連の研修があれば積極的に参加しましょう
- 在留資格の種類を理解する:自分に合った在留資格を選ぶことが重要です
- 信頼できる送出機関・監理団体を選ぶ:先輩の口コミや実績をチェックしましょう
来日後のステップ
- 最初の3ヶ月が勝負:環境に慣れることを最優先にし、分からないことは遠慮せず質問する
- メンターを見つける:日本人スタッフでも、先輩の外国人スタッフでも、頼れる存在を作る
- 介護福祉士試験を見据える:長期的なキャリアを考えるなら、資格取得ルートを早めに計画する
- 地域に溶け込む:地域の行事やボランティアに参加し、生活の幅を広げる
外国人介護士の受入れに関するガイドブックは、厚生労働省の公式ページでも公開されています。また、マイナビグローバルでも成功事例と失敗事例の分析が掲載されており、参考になります。
外国人介護士のキャリアアップモデル
介護業界でのキャリアアップは段階的に進めることができます。以下は、多くの外国人介護士が実際に歩んでいるキャリアステップです。
| ステップ | 目安の年数 | 目標 | 取るべき行動 |
|---|---|---|---|
| 入門期 | 1〜2年目 | 基礎的な介護スキルの習得 | OJTへの積極参加、日本語N3取得 |
| 成長期 | 3〜4年目 | 介護福祉士試験の合格 | 試験対策の開始、実務経験の蓄積 |
| 発展期 | 5〜7年目 | チームリーダーへの昇格 | 後輩指導、マネジメントスキルの向上 |
| 専門期 | 8年目以降 | 管理職・独立・母国展開 | 経営知識の習得、ネットワーク構築 |
介護福祉士の資格を取得すれば、在留資格「介護」への変更が可能となり、在留期間の制限がなくなります。これにより家族帯同も認められ、日本での安定した長期生活が実現できます。
給料・年収・待遇の面でも、介護福祉士の資格保有者は資格手当や昇給の機会が増え、年収アップの戦略を立てやすくなります。
まとめ:外国人介護士として成功するために
外国人介護士として日本で成功するための鍵は、「準備」「学び続ける姿勢」「信頼関係の構築」の3つに集約されます。
日本の介護業界は慢性的な人材不足に直面しており、外国人介護士への期待と需要はこれまで以上に高まっています。言語や文化の壁はありますが、適切なサポート体制のある施設を選び、自分自身もスキルアップに努めることで、充実したキャリアを築くことができます。
この記事で紹介した成功事例のように、多くの外国人介護士が日本の介護現場で大きな貢献をしています。あなたも彼らに続いて、介護業界でのキャリアを一歩ずつ前に進めてみてはいかがでしょうか。
介護分野全体の情報は介護・医療業界で働く完全ガイドで、介護分野での特定技能ビザについては介護分野の特定技能ガイドで詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
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