介護福祉士の資格取得ルート【外国人対応】

外国人が介護福祉士資格を取得する3つのルート(養成施設・実務経験・EPA)を徹底解説。日本語要件・合格率・在留資格介護への移行方法から合格のコツまで、外国人介護士のキャリア形成に必要な情報を完全網羅します。
介護福祉士の資格取得ルート【外国人対応】完全ガイド
日本で介護士として長期的に活躍したい外国人にとって、介護福祉士の国家資格は最も重要なステップです。この資格を取得することで、在留資格「介護」を得られ、更新制限なしに日本で働き続けることができます。本ガイドでは、外国人が介護福祉士資格を取得するための3つのルートと、それぞれの要件・メリットを徹底解説します。
日本の介護業界は深刻な人手不足が続いており、介護・医療業界で働く完全ガイドでも詳しく説明しているように、外国人介護人材の需要は年々高まっています。また、特定技能ビザ完全ガイドで紹介している通り、介護分野は特定技能の対象職種でもあり、多くの外国人が日本で介護職に就いています。
介護福祉士とは?外国人が取得するメリット
介護福祉士(かいごふくしし)は、高齢者や障がい者の日常生活を支援する介護の専門職として認められた国家資格です。2023年末時点で、在留資格「介護」の保有者は9,328人に達し、前年比48.4%増という急増ぶりを見せています(厚生労働省報告書)。
外国人が介護福祉士資格を取得する主なメリットは以下の通りです:
- 在留資格「介護」の取得:資格取得後に在留資格を「介護」に変更でき、更新制限がなくなります
- 家族帯同が可能:在留資格「介護」では配偶者や子どもを日本に呼び寄せることができます
- 収入アップ:資格手当がつき、一般的に月額1〜3万円のベースアップが期待できます
- 永住権取得への近道:安定した専門職として評価されるため、永住申請にも有利です
- キャリアアップの基盤:ケアマネージャー等への道が開けます
3つの資格取得ルート:どれが自分に合うか?
厚生労働省の外国人介護人材受入ページによると、外国人が介護福祉士国家試験を受験するルートは主に3つあります。それぞれの要件や特徴を理解して、自分に最も合ったルートを選びましょう。
| ルート | 必要期間 | 主な対象者 | 日本語要件 |
|---|---|---|---|
| 養成施設ルート | 2〜4年(在学中に受験) | 留学生 | N2相当 |
| 実務経験ルート | 3年以上の就労経験 | 技能実習・特定技能 | N3〜N4推奨 |
| EPAルート | 3〜4年の候補者期間 | フィリピン・インドネシア・ベトナム出身者 | 国ごとに異なる |
ルート1:養成施設ルート(留学ビザ)
どんなルートか
在留資格「留学」で来日し、介護福祉士養成施設(専門学校・大学・短期大学など)で2年以上学んだ後に国家試験を受験するルートです。在学中に受験できるため、最も計画的にキャリアを進められる方法といえます。
!ルート1:養成施設ルート(留学ビザ) - illustration for 介護福祉士の資格取得ルート【外国人対応】
主な要件
- 日本語学校等で1〜2年間日本語を学ぶ(N2レベルの習得が目標)
- 介護福祉士養成施設に入学(高卒以上が条件)
- 養成施設で2年以上の介護専門教育を受ける
- 国家試験を受験・合格
入学要件として日本語能力試験(JLPT)N2相当の日本語力が必要です。これは介護現場の専門用語や、利用者・家族とのコミュニケーションに必要な日本語力を示しています。日本語能力と語学スキル向上ガイドも参考にしながら、計画的に日本語力を高めましょう。
合格率と試験対策
第35回介護福祉士国家試験では、養成施設ルートの新卒者合格率は50.3%でした(MEIKOGLOBAL調査)。合格率を高めるためには、在学中にしっかりと試験対策を行うことが重要です。
外国人受験者には以下の配慮があります:
- 試験時間が1.5倍に延長される(通常120分→180分)
- すべての漢字にふりがなが振られた問題用紙が配布される
- 別途申請が必要なため、受験申込時に忘れずに手続きを行うこと
ルート2:実務経験ルート(技能実習・特定技能)
どんなルートか
介護施設等での実務経験を積みながら、資格要件を満たした後に国家試験を受験するルートです。すでに日本で介護職として働いている方に最適です。
!ルート2:実務経験ルート(技能実習・特定技能) - illustration for 介護福祉士の資格取得ルート【外国人対応】
必要な条件
アデコの解説ページによると、実務経験ルートで受験資格を得るためには以下の2つの条件を同時に満たす必要があります:
- 従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上
- 介護福祉士実務者研修の修了(450時間の研修、約6ヶ月)
ステップ別の進め方
ステップ1:介護現場での就労開始 技能実習や特定技能ビザで介護施設に就職し、日々の業務をこなしながら経験を積みます。
ステップ2:実務者研修の受講 通信+スクーリング形式で受講可能な養成校を探し、仕事をしながら取得します。費用は10〜20万円程度が一般的です。
ステップ3:国家試験の受験 条件を満たしたら公益財団法人社会福祉振興・試験センターに申し込み、毎年1月末〜2月初旬に実施される国家試験を受験します。
詳しい就職活動の流れは日本での就職活動完全ガイドも参考にしてください。
ルート3:EPAルート(経済連携協定)
どんなルートか
EPA(経済連携協定)に基づき、日本の介護施設で就労・研修をしながら介護福祉士資格の取得を目指すルートです。フィリピン・インドネシア・ベトナムの3カ国の方のみが対象となります。
EPA介護福祉士候補者の概要
- 候補者として来日し、介護施設で就労・研修を行う
- 4年間の在留期間(延長可)の間に国家試験合格を目指す
- 国際厚生事業団(JICWELS)が受入調整を担当
日本語要件(国別)
各国の日本語要件は以下の通りです:
| 出身国 | 入国前要件 | 備考 |
|---|---|---|
| インドネシア | N4程度以上 | 令和4年度より強化 |
| フィリピン | N5以上 | 入国後研修6ヶ月 |
| ベトナム | N3以上 | 最も要件が厳しい |
第36回試験では、EPA候補者の初受験合格率は71.3%と、他のルートより高い傾向にあります(厚生労働省発表)。これは候補者期間中に施設や国から手厚い支援を受けられることが理由の一つです。
試験内容と対策のポイント
試験の概要
介護福祉士国家試験は、毎年1月下旬〜2月上旬に行われます。試験は筆記試験と実技試験(一部免除あり)で構成されています。
!試験内容と対策のポイント - illustration for 介護福祉士の資格取得ルート【外国人対応】
| 試験区分 | 内容 | 出題数 |
|---|---|---|
| 人間と社会 | 人間の尊厳・発達など | 12問 |
| 介護 | 介護の基本・技術など | 52問 |
| こころとからだのしくみ | 医療・認知症など | 34問 |
| 医療的ケア | 経管栄養・喀痰吸引 | 5問 |
| 総合問題 | 事例問題 | 12問 |
| 合計 | 125問 |
合格基準は全体の60%程度(75点前後)の正答率が目安となっています。
外国人向け効果的な学習法
- 日本語力の強化:まず日本語能力を高めることが最優先。介護専門用語の習得も欠かせません
- 過去問演習:過去5年分の問題を繰り返し解くことで出題傾向を把握する
- 介護技術の実践練習:実技試験対策として、職場での実践的な技術習得を意識する
- 通信講座の活用:外国人向けの学習支援を行う養成校を活用する
- 同僚や先輩からの指導:職場の先輩介護士に専門用語や手順を教えてもらう
資格取得後のキャリアパス
介護福祉士資格を取得した後のキャリアは多岐にわたります。
在留資格「介護」への変更
最も重要なポイントは、介護福祉士資格取得後に在留資格「介護」へ変更できることです。在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドでも解説していますが、在留資格「介護」は更新制限がなく、理論上は永続的に日本で働き続けることができます。
キャリアアップの選択肢
| キャリアステップ | 条件 | 期待収入 |
|---|---|---|
| 介護福祉士(資格取得直後) | 国家試験合格 | 月22〜26万円 |
| リーダー・主任 | 3〜5年の経験 | 月25〜30万円 |
| ケアマネージャー | 5年以上+試験合格 | 月28〜35万円 |
| 施設長・管理職 | 10年以上+実績 | 月35万円〜 |
収入や待遇についての詳細は給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】を参照してください。
まとめ:自分に合ったルートを選ぼう
外国人が介護福祉士資格を取得するには、3つのルートがあります。それぞれの状況に合わせて最適なルートを選択することが大切です:
- これから来日する方:養成施設ルートがおすすめ。計画的にN2レベルの日本語を習得してから入学する
- すでに介護現場で働いている方:実務経験ルートを活用。実務者研修を早めに受講して試験に備える
- フィリピン・インドネシア・ベトナム出身の方:EPAルートも検討。手厚いサポートで合格率が高い
介護福祉士資格は、日本での長期的な安定したキャリアを築くための強力な武器です。資格取得後は在留資格「介護」で家族と共に日本に根を下ろし、専門職として活躍する道が開けます。まずは自分の現在の状況を整理し、どのルートが最も現実的かを検討することから始めてみましょう。
転職・キャリアアップ戦略完全ガイドでは、介護分野を含めた日本でのキャリア形成について更に詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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