月給制 vs 年俸制の違いと選び方

日本で働く外国人向けに、月給制と年俸制の違いをわかりやすく解説。メリット・デメリットの比較表、税金・社会保険料の違い、転職時に確認すべきポイント、自分に合った給与制度の選び方まで、知っておくべき情報を網羅した完全ガイドです。
月給制 vs 年俸制の違いと選び方【外国人向け完全解説】
日本で働く外国人にとって、給与制度の違いを理解することは非常に重要です。日本の企業では主に「月給制」と「年俸制」の2つの給与体系が採用されています。どちらの制度にもメリット・デメリットがあり、自分のキャリアプランや働き方に合った選択をすることが年収アップへの第一歩となります。
この記事では、月給制と年俸制の基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、外国人が転職時に注意すべきポイントまで、わかりやすく解説します。
月給制とは?基本の仕組みを理解しよう
月給制とは、月単位で給与額を決定し、毎月支払われる賃金制度です。日本の伝統的な企業で最も一般的な給与体系であり、多くの日系企業がこの制度を採用しています。
月給制の特徴として、基本給に加えて以下の手当が別途支給されるケースが一般的です。
- 基本給:毎月固定で支払われる給与の基礎部分
- 各種手当:通勤手当・住宅手当、家族手当、役職手当など
- 残業代:法定労働時間を超えた分が別途支給される
- 賞与(ボーナス):通常年2回(夏・冬)、会社の業績や個人評価に基づいて支給
月給制では、毎月の給与額が安定しているため、毎月の生活費や家賃の支払い計画が立てやすいという大きな利点があります。特に来日したばかりの外国人にとっては、安定した収入が生活基盤を築く上で重要です。
年俸制とは?仕組みと導入企業の特徴
年俸制とは、1年間の給与総額をあらかじめ決定し、それを12等分(または14等分・16等分)して毎月支給する給与制度です。Indeedによると、外資系企業やIT企業、ベンチャー企業で多く導入されている傾向があります。
年俸制の主な特徴は以下のとおりです。
- 年間総額が事前に決定:1年間に受け取る給与の総額が契約時に確定する
- 成果主義との相性が良い:個人の実績や成果が翌年の年俸に直接反映される
- 評価サイクル:通常1年ごとに業績評価を行い、翌年の年俸額を見直す
- 賞与の扱い:年俸に含まれる場合と、別途支給される場合がある
年俸制を導入している企業は、IT・エンジニア職を中心に増加傾向にあります。特にグローバル企業では、海外の給与体系に合わせて年俸制を採用するケースが多いです。
月給制と年俸制の違いを徹底比較
月給制と年俸制の主な違いを、以下の表で比較してみましょう。
| 項目 | 月給制 | 年俸制 |
|---|---|---|
| 給与の決定単位 | 月単位 | 年単位 |
| 給与の安定性 | 高い(毎月一定額) | 年間は一定だが翌年変動あり |
| 賞与(ボーナス) | 別途支給(年2回が一般的) | 年俸に含まれる場合が多い |
| 残業代 | 別途支給 | 固定残業代として含む場合あり |
| 昇給の仕組み | 年功序列・定期昇給 | 成果に基づく年次評価 |
| 収入の見通し | 賞与次第で変動 | 年間総額が確定 |
| 導入が多い企業 | 日系大手・中小企業 | 外資系・IT・ベンチャー |
| 成果への反映 | 緩やか | 直接的 |
マイナビ転職によると、年俸制と月給制の最も大きな違いは「従業員の成果や業績が給与額に反映するかどうか」です。年俸制は成果主義と相性が良く、頑張り次第で大幅な年収アップが期待できる一方、成果が出なければ翌年の年俸が下がるリスクもあります。
月給制のメリット・デメリット
月給制のメリット
- 収入の安定性:毎月決まった額が支給されるため、手取り額の計算がしやすく、生活設計が立てやすい
- ボーナスが別途支給:基本給とは別に年2回の賞与があり、まとまった収入が得られる
- 残業代が別途支給:法定労働時間を超えた分は追加で支払われるため、働いた分だけ収入が増える
- 昇給制度がある:多くの企業で定期昇給があり、長く働くほど基本給が上がりやすい
- 退職金制度との連動:退職金の計算が基本給に連動するケースが多い
月給制のデメリット
- 成果が給与に反映されにくい:どれだけ成果を出しても、急激な給与アップは期待しにくい
- 年功序列の影響:勤続年数が短い外国人は、同じ能力でも給与が低くなることがある
- ボーナスカットのリスク:会社の業績が悪化した場合、賞与が大幅に減額される可能性がある
年俸制のメリット・デメリット
年俸制のメリット
- 年間収入が明確:1年間の総収入が事前に決まっているため、年間の資金計画が立てやすい
- 成果が直接反映:年収アップの戦略を立てやすく、頑張り次第で大幅な収入増加が可能
- 実力主義:年齢や勤続年数に関係なく、成果で評価されるため、スキルのある外国人に有利
- 交渉がしやすい:転職時の給与交渉で年俸額を直接交渉できる
年俸制のデメリット
- 収入減少リスク:成果が出なかった年の翌年は年俸が下がる可能性がある
- 賞与が含まれている場合がある:月々の手取りが思ったより少ないケースに注意
- 残業代の扱い:固定残業代が年俸に含まれている場合、追加の残業代が出ない可能性がある
- 評価制度への依存:マンパワーグループが指摘するように、評価制度が不透明な企業では不公平感が生じることがある
税金・社会保険料の違いはある?
外国人労働者が気になるポイントとして、「月給制と年俸制で税金や社会保険料に違いがあるのか?」という疑問があります。
結論から言うと、年俸制と月給制では税金の総額に違いはありません。小谷野税理士法人によると、どちらの制度を選んでも、同じ年収であれば所得税・住民税の総額は同じになります。
ただし、以下の点で月々の手取りに差が出ることがあります。
- 社会保険料の計算基礎:月給制では4〜6月の給与を基に計算される「標準報酬月額」で決定される。年俸制の場合、賞与が含まれるかどうかで計算方法が変わる
- 源泉徴収のタイミング:毎月の天引き額が異なることがあるが、年末調整で最終的に同額になる
給与明細の見方を正しく理解し、自分の手取り額を正確に把握することが重要です。
外国人が転職時に確認すべきポイント
年俸制の企業に転職する際は、以下のポイントを必ず確認しましょう。PORTキャリアでも詳しく解説されています。
雇用契約書の確認事項
- 固定残業代の有無:年俸に固定残業代が含まれているか、何時間分に相当するか
- 賞与の取り扱い:年俸に賞与が含まれるか、別途支給されるか
- 年俸の見直し条件:どのような基準で翌年の年俸が決定されるか
- 減額の条件:どのような場合に年俸が減額される可能性があるか
- 有給休暇や福利厚生:福利厚生の内容が月給制の企業と比べてどうか
特に外国人が注意すべき点
- 在留資格との関係:在留資格(ビザ)の更新時に安定した収入を証明する必要がある。年俸制の場合、契約書で年間収入を明示できるため、むしろ有利になることも
- 言語の壁:評価制度の詳細が日本語のみの場合、十分に理解できないまま契約してしまうリスクがある
- 文化の違い:日本のビジネスマナーに基づく評価項目が含まれている場合、外国人には不利に働くことがある
自分に合った給与制度の選び方
最終的に、月給制と年俸制のどちらが合っているかは、あなたのキャリアプランや働き方の希望によって異なります。
月給制が向いている人
- 安定した収入を重視する人
- 日本で長期的にキャリアを築きたい人
- 正社員として日系企業で働きたい人
- 来日したばかりで、まず生活基盤を安定させたい人
年俸制が向いている人
どちらの制度を選ぶにしても、転職エージェントを活用して、企業の給与制度の詳細を事前に確認することをおすすめします。自分のスキルや経験に見合った適正な給与を把握するためにも、外国人の平均年収データを参考にしながら、慎重に判断しましょう。
まとめ
月給制と年俸制は、それぞれ異なる特徴を持つ給与制度です。月給制は安定性に優れ、日本の伝統的な企業で広く採用されています。一方、年俸制は成果主義と相性が良く、実力次第で高い年収を実現できる制度です。
重要なのは、税金面ではどちらも同じであること、そして自分のキャリアプランに合った制度を選ぶことです。転職時には雇用契約書を隅々まで確認し、特に固定残業代や賞与の扱いについて明確にしておきましょう。
日本でのキャリアアップを成功させるために、給与制度の違いを正しく理解し、自分にとって最適な選択をしてください。
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