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給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】

給与明細の見方ガイド【各項目の意味】

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
給与明細の見方ガイド【各項目の意味】

日本で働く外国人向けに給与明細の見方を徹底解説。勤怠・支給・控除の3つのパーツから、社会保険料・所得税・住民税の内訳、手取り額の計算まで。日英対照の用語一覧付きで、毎月の給与明細チェックに役立ちます。

給与明細の見方ガイド【各項目の意味を徹底解説】

日本で働く外国人にとって、毎月届く給与明細は「数字が並んでいるだけでよくわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。給与明細には、あなたの労働の対価がどのように計算され、どのような項目が差し引かれているかが詳しく記載されています。

この記事では、給与明細の基本的な構成から各項目の意味、確認すべきポイントまでを外国人労働者向けにわかりやすく解説します。正しく理解することで、自分の給料が適正に支払われているかチェックできるようになりましょう。

給与明細の基本構成【3つのパーツ】

給与明細は大きく分けて「勤怠」「支給」「控除」の3つのパーツで構成されています。この3つを理解すれば、給与明細の全体像が把握できます。

  • 勤怠(きんたい): あなたが「どれだけ働いたか」を示す部分
  • 支給(しきゅう): 会社から「いくら支払われるか」を示す部分
  • 控除(こうじょ): 給料から「いくら差し引かれるか」を示す部分

最終的な手取り額は、総支給額(支給の合計)から総控除額(控除の合計)を差し引いた金額です。これを「差引支給額(さしひきしきゅうがく)」と呼び、実際にあなたの銀行口座に振り込まれる金額となります。

給与明細を受け取ったら、まずこの3つのパーツを確認する習慣をつけましょう。詳しい手取り額の計算方法も参考にしてください。

勤怠欄の項目と見方

勤怠欄には、その月のあなたの勤務状況が記録されています。給与計算の基礎データとなる重要な部分です。

勤怠欄の主な項目

項目名日本語読み意味
出勤日数しゅっきんにっすう実際に出勤した日数
欠勤日数けっきんにっすう仕事を休んだ日数(有給休暇を除く)
有給取得日数ゆうきゅうしゅとくにっすう有給休暇を使った日数
残業時間ざんぎょうじかん所定労働時間を超えて働いた時間数
深夜残業時間しんやざんぎょうじかん22時〜翌5時に働いた時間数
休日出勤日数きゅうじつしゅっきんにっすう休日に出勤した日数
遅刻・早退ちこく・そうたい遅刻や早退の回数・時間

勤怠欄の数字が実際の勤務状況と合っているか、毎月確認することが大切です。特に残業代の計算に関わる残業時間は正確に記録されているかチェックしましょう。また、有給休暇の権利を正しく使えているかも確認してください。

支給欄の項目と意味

支給欄には、会社からあなたに支払われるすべての金額が記載されています。「額面(がくめん)」とも呼ばれるこの金額は、控除前の総額です。

基本給(きほんきゅう)

基本給は毎月固定で支払われる基本的な賃金です。昇給や降給がない限り、毎月同じ金額が記載されます。基本給はボーナスの計算や退職金の算出基準にもなるため、非常に重要な項目です。

各種手当(かくしゅてあて)

基本給に加えて支給される追加の報酬です。主な手当は以下の通りです。

  • 残業手当: 所定労働時間を超えた分の割増賃金(通常は時給の25%増し)
  • 通勤手当: 自宅から職場までの交通費(通勤手当の仕組み参照)
  • 住宅手当: 住居費を補助するための手当
  • 家族手当: 扶養家族がいる場合に支給される手当
  • 役職手当: 管理職などの役職に対して支給される手当
  • 資格手当: 特定の資格を持っている場合に支給される手当
  • 深夜手当: 深夜(22時〜翌5時)に勤務した場合の割増賃金(時給の25%増し)

通勤手当は月15万円まで非課税ですが、それ以外の手当は課税対象となります。福利厚生の種類も合わせて確認しておくとよいでしょう。

総支給額(そうしきゅうがく)

基本給と各種手当をすべて合計した金額です。「額面給与」とも呼ばれますが、ここから控除が差し引かれるため、実際に受け取る金額とは異なります。

控除欄の項目を詳しく解説

控除欄は「給料からいくら引かれるのか」を示す重要な部分です。主に社会保険料税金に分けられます。外国人労働者も日本人と同じように、これらの控除が適用されます(外国人の税金・社会保険ガイド参照)。

社会保険料の内訳

社会保険料は、会社と従業員が折半で負担します。給与明細には従業員負担分のみが記載されています。

保険の種類概要負担割合(従業員)対象者
健康保険病気やけがの医療費を補助約5%(都道府県により異なる)全従業員
厚生年金保険老後の年金を積み立て約9.15%全従業員
介護保険高齢者の介護サービス費用約0.8%40歳以上
雇用保険失業時の生活保障0.6%(一般事業)全従業員

健康保険料は都道府県によって料率が異なります。詳しくは健康保険の種類と加入方法社会保険料の計算方法をご確認ください。

厚生年金については、外国人でも加入が義務付けられています。帰国時には脱退一時金を受け取れる制度もあります(厚生年金と国民年金の違い参照)。

雇用保険は、失業時に失業給付を受けるために必要です。転職を考えている方は雇用保険と失業給付の仕組みもチェックしておきましょう。

税金の内訳

給与から天引きされる税金は、所得税と住民税の2つです。

所得税(しょとくぜい)

  • 国に納める税金で、給与額に応じて毎月概算で源泉徴収されます
  • 日本は累進課税制度を採用しており、所得が上がるほど税率も上がります
  • 毎月の天引き額は概算のため、12月の年末調整で正確な金額に精算されます
  • 詳しい計算方法は外国人の所得税の仕組みをご覧ください

住民税(じゅうみんぜい)

  • 住んでいる都道府県・市区町村に納める税金です
  • 前年の所得に基づいて計算されるため、入社1年目は原則として天引きされません
  • 毎年6月から翌年5月まで、12回に分けて毎月天引きされます
  • 住民税の仕組みについては住民税の仕組みと納付方法で詳しく解説しています

額面給与と手取りの違い

多くの外国人労働者が戸惑うのが、「額面(がくめん)」と「手取り(てどり)」の違いです。

  • 額面給与: 会社から支給される総額(控除前)
  • 手取り給与: 控除後に実際に受け取れる金額

一般的に、手取りは額面の約75%〜85%程度になります。例えば、額面25万円の場合、手取りは約19万〜21万円前後です。

額面月給社会保険料(概算)所得税(概算)住民税(概算)手取り(概算)
20万円約2.9万円約3,700円約8,800円約16万円
25万円約3.6万円約5,200円約1.2万円約20万円
30万円約4.4万円約6,800円約1.5万円約24万円
35万円約5.1万円約1.1万円約1.8万円約27万円
40万円約5.8万円約1.5万円約2.2万円約31万円

※上記は概算です。扶養家族の有無や加入する健康保険組合によって異なります。

正確な手取り額を計算したい方は、手取り額の計算方法【シミュレーション付き】をご活用ください。

給与明細で確認すべき5つのポイント

給与明細を受け取ったら、以下の5つのポイントを必ず確認しましょう。

1. 勤務時間と残業時間の正確性

勤怠欄に記載された出勤日数や残業時間が、実際の勤務記録と合っているかチェックします。タイムカードやシフト表と照らし合わせましょう。サービス残業(無給の残業)は労働基準法違反です。

2. 各手当の支給漏れがないか

雇用契約書に記載されている手当(通勤手当、住宅手当など)がきちんと支給されているか確認します。特に入社直後は設定ミスで手当が反映されていない場合があります。

3. 社会保険料の金額

社会保険料は毎年9月に改定されます。4月〜6月の給与をもとに新しい保険料が決定されるため、この時期に残業が多いと保険料が高くなることがあります。

4. 住民税の変動

住民税は毎年6月に新しい税額に切り替わります。前年の収入が大きく変わった場合は、住民税の金額も大きく変動することがあります。確定申告をしている方は特に注意が必要です。

5. 差引支給額(手取り)の確認

最終的に銀行口座に振り込まれる金額が、差引支給額と一致しているか確認しましょう。不一致がある場合は、すぐに会社の人事・総務部門に問い合わせてください。

外国人が特に注意すべきポイント

日本で働く外国人労働者には、日本人とは異なるいくつかの注意点があります。

入社1年目は住民税がかからない

住民税は前年の所得に基づいて課税されます。そのため、日本に来て最初の年は住民税が引かれず、手取りが比較的多くなります。2年目の6月から住民税の天引きが始まるため、手取りが急に減ったと感じることがあります。事前に理解しておきましょう。

社会保険・年金への加入は義務

外国人労働者であっても、日本の社会保険や年金への加入は法律で義務付けられています。「自分の国に帰るから年金は必要ない」と思う方もいるかもしれませんが、帰国時に「脱退一時金」として一部を受け取ることができます。

租税条約の活用

母国と日本の間に租税条約がある場合、一定の条件を満たすと所得税の免除や軽減を受けられることがあります。特に研修生や留学生は適用対象となるケースが多いので、確認してみましょう。

帰国時の手続き

日本を離れる際には、税金関連の手続きが必要です。未払いの住民税の精算や、確定申告が必要な場合もあるため、退職前に会社に確認しましょう。

給与明細の用語一覧【日英対照表】

外国人労働者のために、給与明細に登場する主な用語を日本語と英語で対照しました。

日本語英語説明
基本給Base Salary毎月固定の基本賃金
残業手当Overtime Pay時間外労働の割増賃金
通勤手当Commuting Allowance交通費の補助
住宅手当Housing Allowance住居費の補助
総支給額Gross Salary控除前の支給総額
健康保険Health Insurance医療費補助の保険
厚生年金Employee Pension会社員の年金制度
雇用保険Employment Insurance失業時の保障
介護保険Nursing Care Insurance介護サービスの保険(40歳以上)
所得税Income Tax国に納める税金
住民税Resident Tax地方自治体に納める税金
差引支給額Net Salary / Take-Home Pay控除後の実受取額
源泉徴収Withholding Tax給与から税金を天引きすること
年末調整Year-End Tax Adjustment年末に税額を精算する手続き

この用語を覚えておけば、日本語の給与明細を読むときに困ることが少なくなるでしょう。

まとめ:給与明細を正しく理解して自分の権利を守ろう

給与明細は単なる「お給料のお知らせ」ではなく、あなたの労働条件が正しく反映されているかを確認するための重要な書類です。

この記事のポイント:

  • 給与明細は「勤怠」「支給」「控除」の3つのパーツで構成される
  • 手取り額は額面の約75%〜85%が目安
  • 社会保険料は会社と折半で、従業員負担分が控除される
  • 外国人も社会保険・年金への加入が義務
  • 入社2年目から住民税の天引きが始まるので要注意
  • 毎月の確認で、計算ミスや支給漏れを早期発見できる

給与のことで疑問がある場合は、会社の人事部門に遠慮なく質問しましょう。日本語が難しい場合は、マイナンバーカードの手続き税理士への相談も活用してください。

自分の給与を正しく理解し、年収アップに向けた戦略を立てていきましょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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