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給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】

副業・ダブルワークのルールと注意点

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
副業・ダブルワークのルールと注意点

日本で働く外国人のための副業・ダブルワーク完全ガイド。在留資格別の就労制限、資格外活動許可の取得方法、労働時間の通算ルール、確定申告や税金の注意点、社会保険の加入条件まで、副業を安全に始めるために知っておくべき法的ルールと実践的なアドバイスを徹底解説します。

副業・ダブルワークのルールと注意点【外国人向け完全ガイド】

日本で働く外国人にとって、副業やダブルワークは収入を増やすだけでなく、スキルアップやキャリアの幅を広げる重要な手段です。しかし、在留資格による制限や税金・社会保険のルールなど、日本人以上に注意すべきポイントがたくさんあります。

本記事では、外国人が日本で副業・ダブルワークを行う際の法的ルール、必要な許可手続き、税金・社会保険の注意点を、在留資格別にわかりやすく解説します。知らずに違反してしまうと在留資格の取り消しにつながるリスクもあるため、必ず確認しておきましょう。

副業・ダブルワークとは?基本的な違いを理解しよう

副業とダブルワークは似た言葉ですが、厳密には異なる意味を持っています。

副業とは、本業(メインの仕事)を持ちながら、別の仕事で収入を得ることを指します。フリーランスの仕事、投資、ネットビジネスなど、雇用契約を結ばない形態も含まれます。

ダブルワークとは、2つ以上の雇用先で働くことを意味し、いずれも雇用契約を結んでいる点が特徴です。パートやアルバイトを掛け持ちするケースが一般的です。

外国人が注意すべき点は、どちらの場合も在留資格で許可された活動範囲を超えていないかを確認する必要があることです。日本の労働法・職場の権利ガイドでも解説されている通り、就労に関するルールは厳格に定められています。

項目副業ダブルワーク
雇用契約必ずしも不要2社以上と雇用契約
業務形態フリーランス・投資含む主にパート・アルバイト
労働時間管理自己管理が中心通算管理が必要
社会保険条件による両方で加入の場合あり
外国人の注意点在留資格の確認必須労働時間制限に要注意

外国人は副業できる?在留資格別のルール

外国人が副業を行えるかどうかは、保有する在留資格によって大きく異なります。ここでは主な在留資格ごとに解説します。

永住者・定住者・日本人の配偶者等

永住者定住者日本人の配偶者等の在留資格を持つ方は、就労制限がありません。日本人と同様に自由に副業やダブルワークを行うことができます。特別な許可も不要です。

技術・人文知識・国際業務ビザ

技術・人文知識・国際業務ビザを持つ方は、ビザの範囲内の副業であれば許可なしで可能です。例えば、ITエンジニアが別の会社でプログラミングの仕事をする、通訳者が週末に翻訳の副業をするといったケースです。

ただし、ビザの範囲外の仕事(飲食店でのアルバイトなど単純労働)をする場合は、資格外活動許可の取得が必要です。

特定技能・技能実習

特定技能ビザ技能実習ビザでは、副業は認められていません。資格外活動許可の取得対象からも除外されており、違反した場合は在留資格の取消しや強制送還のリスクがあります。特定技能ビザ完全ガイドで詳細を確認してください。

留学ビザ

留学生は資格外活動許可を取得すれば、週28時間以内(長期休暇中は1日8時間以内)でアルバイトが可能です。ただし、風俗関連の仕事は禁止されています。留学生から社会人への就職完全ガイドも併せて参考にしてください。

資格外活動許可の取得方法と申請手続き

在留資格の範囲外で副業を行うためには、資格外活動許可を入国管理局に申請する必要があります。

申請に必要な書類

  • 資格外活動許可申請書
  • パスポートと在留カード
  • 副業先の会社情報(業務内容、勤務時間など)
  • 雇用契約書または業務委託契約書のコピー

申請の流れ

  1. 副業先との雇用条件を確認する
  2. 必要書類を準備する
  3. 最寄りの出入国在留管理局に申請する
  4. 審査(通常2週間〜1ヶ月程度)
  5. 許可が下りたら副業を開始する

許可の種類

資格外活動許可には包括許可個別許可の2種類があります。包括許可は留学生のアルバイトのように幅広い活動を許可するもの、個別許可は特定の活動のみを許可するものです。

無許可で副業を行った場合のリスク:

  • 不法就労として在留資格の取消し
  • 最悪の場合、退去強制(強制送還)
  • 5年間の再入国禁止
  • 雇用主も不法就労助長罪(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金)の対象

在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドでは、ビザ全般に関するより詳しい情報を紹介しています。

副業・ダブルワークの労働時間ルール

労働基準法では、複数の事業場での労働時間は通算されると定められています(厚生労働省ガイドライン参照)。これは外国人・日本人問わず適用されるルールです。

労働時間の通算管理

本業で1日8時間働いている場合、副業先での労働は法定外労働(残業)として扱われます。つまり、副業先は割増賃金(25%以上)を支払う義務があります。

36協定との関係

副業を含めた合計労働時間が月45時間・年360時間を超える場合、36協定の特別条項が必要です。企業側も労働時間の把握義務があるため、副業を始める前に本業の会社へ相談することが重要です。

在留資格ごとの労働時間制限

在留資格労働時間制限備考
永住者・定住者制限なし日本人と同等
技術・人文知識・国際業務法定内であれば制限なしビザ範囲内の業務に限る
特定技能副業不可資格外活動許可の対象外
留学生週28時間以内長期休暇中は1日8時間
家族滞在週28時間以内資格外活動許可が必要

給料・年収・待遇ガイドでは、労働条件や待遇面の詳細も解説しています。

副業の税金と確定申告のポイント

副業で収入を得たら、税金の申告義務が発生します。外国人にとっては在留資格の更新にも影響するため、特に重要なテーマです。

確定申告が必要なケース

副業による所得(収入から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です(参考:freee)。確定申告の時期は、翌年の2月16日〜3月15日です。

なお、副業所得が20万円以下でも住民税の申告は必要です。これを忘れると、住民税の特別徴収で本業の会社にバレる可能性があります。

年末調整の注意点

ダブルワークの場合、年末調整は1つの勤務先でのみ行います(参考:起業手帳)。通常は本業の会社で年末調整を行い、副業分は確定申告で処理します。

外国人が特に注意すべきポイント

  • 納税義務を果たさないと在留資格の更新が不許可になる可能性がある
  • 永住申請や帰化申請でも納税状況が審査される
  • 確定申告は日本語で行う必要があるため、早めの準備が大切
  • 税理士への相談も検討しましょう

税金・社会保険・年金の完全ガイドでは、より詳しい税金・年金の情報を紹介しています。

社会保険のルールと加入条件

ダブルワークの場合、社会保険(健康保険・厚生年金)の取り扱いにも注意が必要です。

社会保険の加入条件

以下の条件をすべて満たす場合、副業先でも社会保険に加入する必要があります(参考:タウンワーク)。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円)
  • 2ヶ月を超える雇用見込み
  • 従業員51人以上の企業(2024年10月〜)

二重加入の場合の手続き

本業と副業の両方で社会保険の加入条件を満たす場合、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出します。保険料は両社の報酬を合算して計算され、それぞれの報酬額に応じて按分されます。

雇用保険の取り扱い

雇用保険は原則として1つの事業所でのみ加入します。通常は、主たる生計を維持する勤務先(賃金が高い方)で加入します。ただし、2022年1月からマルチジョブホルダー制度が導入され、65歳以上の方は2つの事業所の労働時間を合算して雇用保険に加入できるようになっています。

会社にバレずに副業する方法と注意点

日本では副業を禁止している企業もまだ多く、2019年時点で副業を許可していた企業はわずか約25%程度です(参考:Japan Dev)。しかし、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改訂され、副業を認める方向に動いています。

副業が会社にバレるケース

  1. 住民税の特別徴収額の変動 — 副業所得が増えると住民税額が上がり、本業の経理担当者に気づかれる
  2. 同僚や取引先からの情報 — SNSでの発信や知人への相談から広まることも
  3. 体調不良やパフォーマンス低下 — 過労による影響で気づかれる

対策方法

  • 確定申告時に住民税を「普通徴収(自分で納付)」に変更する
  • 副業の内容をSNSで公開しない
  • 本業に支障をきたさない範囲で活動する

ただし、外国人の場合は会社への相談を強く推奨します。在留資格の変更や更新時に副業の事実が判明する可能性があり、隠していた場合はより大きな問題になりかねません。

外国人におすすめの副業と選び方

在留資格の範囲内で行いやすい副業をご紹介します。起業・フリーランスとして日本で働くガイドも参考にしてください。

語学を活かした副業

  • 翻訳・通訳:母国語と日本語のスキルを活かせる
  • 語学教師:オンラインレッスンの需要が増加中
  • コンテンツ作成:多言語でのライティングやSNS運用

ITスキルを活かした副業

  • プログラミング:クラウドソーシングで案件を受注
  • Webデザイン:フリーランスとして自宅で作業可能
  • データ分析:専門知識を活かした高単価の仕事

その他の副業

  • EC・ネット販売:母国の商品を日本で販売
  • 投資:株式投資やFXは在留資格の制限を受けにくい
  • 動画制作:YouTubeやTikTokでの情報発信

IT・エンジニアとして日本で働く完全ガイド資格・スキルアップ完全ガイドでは、スキルを磨く方法も解説しています。

まとめ:安全に副業・ダブルワークを始めるために

外国人が日本で副業・ダブルワークを成功させるための重要ポイントをまとめます。

  1. 在留資格の確認が最優先 — 許可された活動範囲を必ず確認する
  2. 資格外活動許可が必要な場合は、必ず事前に取得する
  3. 本業の会社の就業規則を確認し、可能であれば相談する
  4. 労働時間の管理を徹底し、過労を避ける
  5. 確定申告・税金の申告を忘れずに行う
  6. 社会保険の加入条件を理解しておく
  7. 納税義務を果たすことが在留資格の維持に直結する

副業は収入アップだけでなく、新しいスキルの習得やネットワークの拡大にもつながります。ルールを正しく理解し、安心して副業ライフを楽しみましょう。

日本での就職活動完全ガイド転職・キャリアアップ戦略完全ガイドも、キャリア全般の参考にしてください。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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