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給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】

派遣社員と正社員の待遇差を徹底比較

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
派遣社員と正社員の待遇差を徹底比較

派遣社員と正社員の待遇差を給料・福利厚生・雇用安定性・キャリアパスの観点から徹底比較。2024年の最新データをもとに、外国人労働者が自分に合った雇用形態を選ぶためのポイントを解説します。正社員の平均年収530万円に対し非正規は202万円と大きな差があります。

派遣社員と正社員の待遇差を徹底比較【給料・福利厚生・キャリアの違い】

日本で働く外国人にとって、派遣社員と正社員のどちらを選ぶべきかは非常に重要な決断です。2020年の労働者派遣法改正により「同一労働同一賃金」が導入され、待遇差は以前より縮小傾向にありますが、それでも給料・福利厚生・キャリアパスには大きな違いが残っています。

この記事では、派遣社員と正社員の待遇差を給料・福利厚生・雇用安定性・キャリアの観点から徹底比較し、外国人労働者がどちらの働き方を選ぶべきか判断するための情報を提供します。

派遣社員と正社員の基本的な違い

まず、派遣社員と正社員の雇用形態の基本的な違いを理解しましょう。

派遣社員は派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、実際には別の企業(派遣先)で働きます。つまり、給料を支払うのは派遣会社ですが、日常の業務指示は派遣先企業から受けることになります。

一方、正社員は企業と直接雇用契約を結び、その企業の一員として働きます。雇用期間の定めがなく、長期的な雇用が前提となっています。

項目派遣社員正社員
雇用主派遣会社(派遣元)就業先企業
雇用期間有期(最長3年)無期(定年まで)
給与形態時給制が多い月給制
賞与なし~少額年2回が一般的
退職金なしが多いありが一般的
業務範囲契約で限定広範囲
転勤基本なしありの場合も

外国人にとって特に重要なのは、在留資格(ビザ)との関係です。派遣社員でも正社員でも、「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザで働くことは可能ですが、ビザの更新時には雇用の安定性が審査に影響することがあります。詳しくは在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドをご覧ください。

給料・年収の比較:どれくらい差がある?

派遣社員と正社員の最大の違いの一つが給料・年収の差です。

月収・年収の違い

2024年のデータによると、正社員(正規雇用)の平均月収は約33万6,300円であるのに対し、非正規雇用(派遣社員を含む)の平均月収は約22万6,600円です。年収で比較すると、正社員の平均年収は約530万円、非正規雇用は約202万円と、実に2倍以上の差が生じています。

この差が生まれる主な理由は以下の通りです:

  • 賞与(ボーナス)の有無:正社員は年2回のボーナスが支給されることが多いが、派遣社員はボーナスがないか、あっても少額
  • 昇給制度:正社員は毎年の昇給や昇格による給与アップが見込めるが、派遣社員は時給の上昇幅が限定的
  • 各種手当:正社員は住宅手当、家族手当、通勤手当などが別途支給される場合が多い

ただし、時給換算で見ると派遣社員の方が高いケースもあります。派遣社員の1日あたり平均賃金は約16,190円(2023年)で、IT系や専門職の派遣では時給2,000円以上の求人も珍しくありません。

給料や年収の詳細については、給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】で詳しく解説しています。

福利厚生の比較:派遣社員はどこまで使える?

2020年の労働者派遣法改正により、派遣社員の福利厚生は大幅に改善されました。しかし、正社員との差はまだ存在します。

法定福利厚生(法律で定められたもの)

法定福利厚生については、派遣社員と正社員の差はほとんどありません。

法定福利厚生派遣社員正社員
健康保険○(条件あり)
厚生年金○(条件あり)
雇用保険○(条件あり)
労災保険
有給休暇○(6ヶ月後)
産休・育休○(条件あり)

派遣社員が社会保険に加入するためには、一定の労働時間・期間の条件を満たす必要があります。詳しくは税金・社会保険・年金の完全ガイドをご参照ください。

法定外福利厚生(企業独自のもの)

法定外福利厚生では、正社員と派遣社員の差が大きくなります。

  • 住宅手当・社宅:正社員には提供されることが多いが、派遣社員には基本的にない
  • 退職金制度:正社員は勤続年数に応じた退職金があるが、派遣社員にはないケースがほとんど
  • 資格取得支援:正社員には費用補助があることが多いが、派遣社員は派遣会社のプログラムに限定
  • 社員食堂・休憩室:2020年の法改正後、派遣社員も利用できるようになった
  • 研修制度:派遣会社が提供する研修はあるが、派遣先企業の研修は受けられない場合がある

大手派遣会社では独自の福利厚生を充実させている場合もあり、アデコやスタッフサービスなどでは、健康診断やスキルアップ研修を無料で提供しています。

雇用の安定性:3年ルールと正社員の違い

雇用の安定性は、派遣社員と正社員の間で最も大きな違いの一つです。

派遣社員の「3年ルール」

派遣社員には、同じ派遣先で最長3年までしか働けないという「3年ルール」があります。3年を超えて同じ職場で働きたい場合は、以下のいずれかの対応が必要です:

  1. 派遣先企業に直接雇用してもらう(正社員または契約社員として)
  2. 派遣会社で無期雇用に転換する(無期雇用派遣)
  3. 別の派遣先に異動する

外国人にとって特に注意が必要なのは、在留資格の更新への影響です。ビザ更新時に雇用先が変わっていると、入管(出入国在留管理庁)から詳しい説明を求められることがあります。

正社員の雇用安定性

正社員は原則として定年まで雇用が継続されます。日本の労働法は解雇に対する規制が厳しく、正当な理由なく正社員を解雇することは非常に困難です。

ただし、正社員にも以下のようなリスクはあります:

  • 転勤の可能性:全国に拠点がある企業では転勤を求められることがある
  • 部署異動:希望しない部署への異動がある場合も
  • 業績悪化時のリストラ:大規模なリストラが行われることもある

転職やキャリアチェンジを考えている方は、転職・キャリアアップ戦略完全ガイドも参考にしてください。

キャリアパスの違い:長期的な成長を考える

派遣社員と正社員では、キャリアの成長スピードや方向性に大きな差があります。

正社員のキャリアパス

正社員の場合、企業内でのキャリアアップが期待できます:

  • 昇進・昇格:一般社員→主任→係長→課長→部長とステップアップ
  • スキル開発:企業が費用を負担して研修や資格取得を支援
  • マネジメント経験:チームリーダーや管理職としての経験を積める
  • 社内人脈:長期的な人間関係を構築できる

派遣社員のキャリアパス

派遣社員でもキャリアアップは可能ですが、方法が異なります:

  • 専門スキルの深化:様々な企業で経験を積み、専門性を高める
  • 紹介予定派遣の活用:派遣から正社員登用を目指す
  • 派遣会社の研修活用:無料の研修プログラムでスキルアップ
  • 幅広い業界経験:複数企業での就業経験が強みになる

外国人労働者にとっては、正社員としてのキャリアを築くことで永住権申請時の審査で有利になるケースもあります。日本でのキャリア構築については日本での就職活動完全ガイドで詳しく解説しています。

派遣社員から正社員になる方法

派遣社員として働きながら、正社員を目指す方法はいくつかあります。

紹介予定派遣を利用する

紹介予定派遣は、最長6ヶ月の派遣期間を経て、派遣先企業に直接雇用されることを前提とした派遣形態です。派遣期間中にお互いの適性を確認できるため、ミスマッチが少ないのがメリットです。

派遣先での正社員登用

派遣先企業によっては、優秀な派遣社員を正社員として直接雇用するケースがあります。以下のポイントを意識しましょう:

  • 業務成績を上げる:派遣先での評価を高める
  • コミュニケーション能力を磨く:日本語力を向上させる
  • 資格を取得する:業務関連の資格で専門性をアピール

日本語能力の向上については、日本語能力と語学スキル向上ガイドも参考にしてください。

転職活動で正社員を目指す

派遣の仕事を続けながら、転職サイトや転職エージェントを活用して正社員の求人に応募する方法もあります。外国人向けの求人サイトやエージェントについては、求人サイト・転職エージェント活用ガイドで詳しく紹介しています。

外国人労働者が選ぶべき雇用形態は?

最終的に派遣社員と正社員のどちらを選ぶべきかは、個人の状況や目標によって異なります。以下のチェックリストを参考にしてください。

正社員が向いている人

  • 日本に長期間住む予定がある
  • 安定した収入を求めている
  • キャリアアップ(昇進・昇格)を目指している
  • 永住権の取得を考えている
  • 住宅ローンなどの長期的な計画がある

派遣社員が向いている人

  • 日本での滞在期間が決まっている
  • プライベートの時間を大切にしたい
  • 複数の企業・業界を経験したい
  • 特定の専門スキルを活かしたい
  • 正社員として採用されるまでの「つなぎ」として働きたい

どちらの雇用形態でも、日本の労働法・職場の権利を理解しておくことが重要です。不当な待遇差を感じた場合は、労働基準監督署やスタッフサービスなどの派遣会社に相談しましょう。

まとめ:派遣社員と正社員の待遇差を理解して賢く選ぼう

派遣社員と正社員の待遇差は、2020年の法改正以降縮小傾向にあるものの、給料・福利厚生・雇用安定性・キャリアパスでは依然として大きな差があります。

比較項目派遣社員正社員
平均月収約22.7万円約33.6万円
平均年収約202万円約530万円
賞与なし〜少額年2回が一般的
雇用安定性最長3年定年まで
福利厚生法定+一部法定外充実
キャリアアップ専門性重視社内昇進
柔軟性高い低い

外国人労働者の方は、自分の在留期間・キャリア目標・ライフプランに合わせて最適な雇用形態を選びましょう。まずは日本での就職活動完全ガイドで情報収集を始め、必要に応じて転職エージェントに相談することをおすすめします。

どちらの雇用形態を選んでも、日本の職場文化やビジネスマナーを理解することは大切です。日本のビジネスマナー・文化完全ガイドもぜひ参考にしてください。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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