訪問介護の仕事内容と特徴

訪問介護の仕事内容(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)、必要な資格、給与相場、2025年外国人解禁の条件を徹底解説。外国人介護士が訪問介護で働くための要件やキャリアアップ方法まで完全網羅しています。
訪問介護の仕事内容と特徴|外国人介護士が知っておくべき全知識
日本の高齢化が急速に進む中、訪問介護は介護業界の中でも特に需要が高まっている分野です。2040年までに約280万人の介護士が必要とされる一方、約69万人の人材不足が予測されています。この深刻な人手不足を背景に、2025年4月から外国人介護人材による訪問介護が正式に解禁されました。
この記事では、訪問介護の仕事内容から必要な資格、給与相場、外国人として働く際の注意点まで、訪問介護に関するすべての情報を詳しく解説します。介護・医療業界で働く完全ガイドと合わせてお読みください。
訪問介護とは?基本的な仕組みを理解しよう
訪問介護とは、ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅を訪問し、日常生活のサポートを行うサービスです。施設介護とは異なり、利用者が住み慣れた自宅で生活を続けながら必要な介護を受けられることが最大の特徴です。
訪問介護サービスは、介護保険制度に基づいて提供され、要介護1〜5の認定を受けた方が対象となります。ケアマネジャーが作成するケアプランに基づいてサービス内容が決定され、訪問介護員が定期的に利用者宅を訪問します。
施設介護との大きな違いは、1対1のケアができることです。利用者一人ひとりの生活習慣や好みに寄り添った個別的なケアが可能で、より深い信頼関係を築くことができます。
訪問介護の3つの主要業務
訪問介護の仕事は、大きく分けて以下の3つのカテゴリーに分類されます。
身体介護
利用者の身体に直接触れて行う介護サービスです。具体的には以下のような業務が含まれます。
- 食事介助:食事の準備から食べる際のサポート、口腔ケアまで
- 入浴介助:全身浴や部分浴(足浴・手浴)の介助、清拭
- 排泄介助:トイレへの誘導、おむつ交換、ポータブルトイレの管理
- 着替え介助:衣服の着脱をサポート
- 移動・移乗介助:車いすへの移乗やベッド上での体位変換
- 服薬介助:薬の確認と服薬のサポート
身体介護は利用者の安全と尊厳に直結するため、正確な技術と細やかな配慮が求められます。
生活援助
利用者の日常生活を支えるためのサービスです。主な業務内容は以下の通りです。
- 掃除:居室・トイレ・浴室などの清掃
- 洗濯:衣類の洗濯・乾燥・取り込み・収納
- 調理:利用者の栄養状態や嗜好を考慮した食事の準備
- 買い物代行:日用品や食料品の買い出し
- ベッドメイキング:シーツ交換や寝具の整え
- 薬の受け取り:処方薬の受け取り代行
生活援助では、利用者の生活スタイルを尊重しながら、必要最低限のサポートを行うことが重要です。
通院等乗降介助
利用者が医療機関を受診する際のサポートです。以下の業務が含まれます。
- 自宅から車両への乗車介助
- 医療機関での受付手続きのサポート
- 車両から自宅への降車介助
- 通院前後の排泄介助や着替え介助
訪問介護で「やってはいけないこと」
訪問介護には、介護保険制度上やってはいけない業務が明確に定められています。これを理解しておくことは非常に重要です。
| カテゴリー | やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|---|
| 医療行為 | 注射、点滴、摘便、褥瘡の処置 | 医師・看護師のみ実施可能 |
| 利用者以外へのサービス | 家族の食事の準備、家族の分の洗濯 | 介護保険は利用者本人のみ対象 |
| 日常生活範囲外 | 大掃除、窓拭き、庭の手入れ、ペットの世話 | 日常的な家事の範囲を超えるため |
| 金銭管理 | 預貯金の引き出し、金銭の管理 | トラブル防止のため |
| 私的な行為 | 利用者への金品の授受、私的な関係の構築 | 専門職としての倫理上の問題 |
これらのルールを守ることは、利用者を守るだけでなく、自分自身を守ることにもつながります。詳しくは介護現場の日本語と覚えるべき専門用語も参考にしてください。
訪問介護に必要な資格と取得方法
訪問介護員として働くためには、以下のいずれかの資格が必要です。
| 資格名 | 取得期間 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 介護職員初任者研修 | 約1〜4ヶ月 | 5〜10万円 | 介護の入門資格。最短ルートで訪問介護の仕事を始められる |
| 介護福祉士実務者研修 | 約6ヶ月 | 10〜20万円 | より専門的な知識・技術を学べる。サービス提供責任者になれる |
| 介護福祉士 | 実務経験3年+実務者研修修了後に受験 | 受験料18,380円 | 国家資格。キャリアアップの基盤となる |
外国人の方が訪問介護で働く場合、まずは介護福祉士の資格取得方法を確認し、計画的に資格取得を目指しましょう。介護福祉士国家試験の対策ガイドも役立ちます。
訪問介護の給与相場と待遇
訪問介護員の給与について、2024年度の調査データを基に解説します。
| 雇用形態 | 平均月収 | 年収換算 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 常勤(正社員) | 約349,740円 | 約420万円 | 賞与・各種手当含む |
| 非常勤(パート) | 約177,090円 | 約212万円 | 時給換算で1,200〜1,800円程度 |
| サービス提供責任者 | 約380,000円 | 約456万円 | 管理業務を含む |
訪問介護の給与は、施設介護と比較するとやや低めの傾向がありますが、資格手当や夜勤手当、処遇改善加算などで収入アップが期待できます。詳しい待遇情報は介護業界の給与相場と待遇を徹底解説をご覧ください。
また、全般的な給与情報については給料・年収・待遇ガイドも参考になります。
外国人が訪問介護で働くための条件【2025年解禁】
2025年4月の制度改正により、外国人介護人材が訪問介護に従事できるようになりました。これは介護業界にとって画期的な変化です。介護分野の特定技能労働者数は、過去5年間で592人から12,227人へと約20倍に急増しており、外国人介護士への期待は非常に高まっています。
従事者の要件
訪問介護で働くためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 介護事業所での実務経験が1年以上あること
- 介護職員初任者研修以上の資格を保有していること
- 日本語能力がN3レベル以上であること(推奨)
- 在留資格が「特定技能」「技能実習」「EPA」のいずれかであること
事業所が実施すべき5つの取り組み
外国人訪問介護員を受け入れる事業所には、以下の5つの取り組みが求められます。
- 訪問介護に関する研修の実施:日本の生活様式やコミュニケーション方法を含む体系的な研修
- OJT(実地指導)の実施:先輩職員が同行してのサービス提供指導
- キャリアアップ支援:スキル習得の目標設定とキャリアパスの構築
- ハラスメント対策:密室環境での業務特性を踏まえた防止策
- 緊急時対応体制の整備:マニュアル作成と駆けつけ体制の確保
詳しくは外国人介護士の需要と将来性や特定技能ビザ完全ガイドをご確認ください。
訪問介護の1日のスケジュール例
訪問介護員の典型的な1日の流れをご紹介します。
常勤ヘルパーの場合:
- 8:30 事業所に出勤、朝礼・申し送り確認
- 9:00 1件目の訪問(身体介護:入浴介助 60分)
- 10:30 2件目の訪問(生活援助:掃除・調理 90分)
- 12:00 昼休憩
- 13:00 3件目の訪問(身体介護:食事介助 60分)
- 14:30 4件目の訪問(生活援助:買い物・調理 60分)
- 16:00 事業所に戻り、記録作成・報告
- 17:00 退勤
1日あたり3〜6件の訪問をこなすのが一般的です。移動時間も含まれるため、効率的なルート設計が重要になります。
訪問介護に向いている人の特徴
訪問介護は、以下のような方に特に向いています。
- 1対1のケアを大切にしたい人:施設介護と違い、じっくり利用者と向き合える
- コミュニケーション能力が高い人:利用者やその家族と信頼関係を築ける
- 責任感がある人:一人で判断する場面が多いため、自立した行動が求められる
- 家事が得意な人:生活援助では料理や掃除のスキルが活かせる
- 柔軟な働き方をしたい人:パートタイムやシフト制で働きやすい
- 臨機応変に対応できる人:利用者の体調変化に素早く対応できる
一方で、一人で利用者宅を訪問するため、判断に迷った際にすぐ相談できる体制があるかどうかは、事業所選びの重要なポイントです。
訪問介護で働くメリットとデメリット
メリット
- 利用者との深い関係性:1対1のケアにより、信頼関係が築きやすい
- 直接感謝の言葉をもらえる:やりがいを感じやすい
- 働き方の自由度が高い:パートタイム、ダブルワークなど柔軟な勤務が可能
- 職場の人間関係のストレスが少ない:一人で訪問するため対人ストレスが軽減される
- 生活スキルが活かせる:特に外国人の方は母国の料理や文化を共有できる場面もある
デメリット
- 一人で判断する場面が多い:緊急時の対応力が求められる
- 移動が多い:天候に関わらず利用者宅へ移動する必要がある
- 給与が施設介護よりやや低め:ただし処遇改善加算で改善傾向
- 利用者・家族との相性:合わない場合の対処が難しいことがある
訪問介護でのキャリアアップ方法
訪問介護で経験を積みながら、以下のようなキャリアアップが可能です。
- 初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士:段階的な資格取得
- サービス提供責任者:介護福祉士または実務者研修修了で就任可能。管理業務を担当
- ケアマネジャー:実務経験5年以上で受験資格を取得
- 管理者・事業所長:経営・マネジメントのスキルを習得
キャリアアップの詳細は介護業界のキャリアパスと昇進ルートで解説しています。また、将来的に他業種への転職を考える場合は介護業界から他業種への転職方法も参考にしてください。
まとめ:訪問介護は外国人にとって大きなチャンスの分野
訪問介護は、2025年の制度改正により外国人介護人材にとって新たなキャリアの選択肢となりました。日本の介護業界は慢性的な人手不足に直面しており、外国人介護士の需要は今後さらに高まることが確実です。
訪問介護で成功するために大切なのは、以下の3つです。
- 資格を計画的に取得する:まずは初任者研修からスタートし、介護福祉士を目指す
- 日本語力を磨く:利用者とのコミュニケーションは訪問介護の核。日本語能力と語学スキル向上ガイドを活用しよう
- 文化的な理解を深める:日本のビジネスマナー・文化完全ガイドで日本の生活習慣やマナーを学ぼう
実際に活躍している先輩たちの経験については、外国人介護士の成功事例とアドバイスをぜひご覧ください。訪問介護の仕事を通じて、日本での充実したキャリアを築いていきましょう。
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