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留学生から社会人への就職完全ガイド

専門学校卒業後の就職方法と注意点

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
専門学校卒業後の就職方法と注意点

専門学校を卒業した外国人留学生が日本で就職するための方法、在留資格の変更手続き、注意すべきポイントを詳しく解説。ビザ取得条件、おすすめの職種、就活スケジュールまで網羅した完全ガイドです。専門学校卒の外国人のための就職活動を成功に導きます。

専門学校卒業後の就職方法と注意点【外国人留学生向け完全ガイド】

日本の専門学校(専修学校専門課程)を卒業した外国人留学生にとって、卒業後の就職は人生の大きな転換点です。専門学校の就職率は約80%と高く、卒業生の約90%が学んだ分野に関連する職種に就いているというデータもあります。しかし、外国人留学生の場合は在留資格の変更や職務内容との関連性など、日本人学生にはない独特のハードルがあります。

この記事では、専門学校を卒業した外国人が日本で就職するための具体的な方法、必要な手続き、そして絶対に知っておくべき注意点を詳しく解説します。就職活動の全体像と合わせてお読みください。

専門学校卒業後に取得できる在留資格の種類

専門学校を卒業した外国人が日本で働くためには、「留学」の在留資格から就労可能な在留資格へ変更する必要があります。主に以下の在留資格が候補となります。

技術・人文知識・国際業務ビザ

最も一般的な就労ビザで、専門学校で学んだ専門知識を活かした業務に従事する場合に取得できます。ただし、専門学校卒業の場合は大卒者よりも厳格に審査されることを理解しておく必要があります。詳しい取得方法は技術・人文知識・国際業務ビザの解説記事をご参照ください。

特定技能ビザ

介護、飲食料品製造、宿泊など16分野で取得可能な特定技能ビザは、専門学校卒業者にも門戸が開かれています。日本語能力試験と技能試験の合格が条件ですが、専門学校で関連分野を学んでいれば有利です。

特定活動ビザ

卒業後すぐに就職先が決まらない場合、特定活動ビザを取得して就職活動を継続できます。最大1年間の猶予期間が認められるケースがあります。

在留資格対象分野審査のポイント在留期間
技術・人文知識・国際業務IT、翻訳、貿易、会計など専攻と職務の関連性1年・3年・5年
特定技能1号介護、飲食、宿泊など16分野技能試験+日本語試験最長5年
特定技能2号建設、造船など高度な技能試験更新制限なし
特定活動(就職活動)全分野就職活動の実績6ヶ月(更新可)
高度専門職研究、技術、経営などポイント制(70点以上)5年

専門学校卒ならではの就職活動スケジュール

専門学校生の就活は大学生と比べてスケジュールが異なります。2年制の場合、入学してすぐに準備を始める必要があります。

1年生の時期(準備段階)

  • 4月〜8月:専門分野の基礎学習に集中しつつ、業界研究を開始
  • 9月〜12月:学校の就職ガイダンスに参加。インターンシップへの応募を検討
  • 1月〜3月:企業研究を本格化。履歴書の準備を開始

2年生の時期(本格活動)

  • 4月〜6月:会社説明会への参加、エントリーシート提出
  • 7月〜9月:面接の集中期間。面接対策を徹底
  • 10月〜12月:内定獲得、在留資格変更の準備
  • 1月〜3月:卒業と同時に入社準備、在留資格変更申請

1年制の専門学校の場合は、入学直後から就職活動を開始する必要があるため、さらにスピード感を持って行動することが重要です。外国人の就活スケジュールの全体像も確認しておきましょう。

専門学校卒の外国人が注意すべき5つのポイント

外国人留学生が専門学校卒業後に就職する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを事前に理解しておくことで、スムーズに就職活動を進められます。

1. 専攻と職務内容の関連性が厳しく審査される

専門学校卒業者がビザを取得する際、学校で学んだ内容と就職先の職務内容の関連性がかなり厳しく審査されます。大学卒業者の場合は比較的柔軟に認められますが、専門学校卒の場合は「通常程度に関連性がある」というだけでは許可が下りないことがあります。

例えば、IT系の専門学校を卒業した場合は、IT企業でのプログラマーやシステムエンジニアとしての就職は認められやすいですが、まったく別の営業職に就くことは困難です。

2. 「専門士」の称号取得が必須

専門学校での在留資格変更には、「専門士」または「高度専門士」の称号を取得していることが前提条件です。修業年限が2年以上で、総授業時数が1,700時間以上の課程を修了する必要があります。卒業証書だけでなく、この称号が付与されるかどうかを入学前に確認しておくことが重要です。

3. 翻訳・通訳業務には実務経験が必要

大卒者の場合、翻訳・通訳業務に就く際は実務経験が不要ですが、専門学校卒の場合は3年以上の実務経験が求められます。これは多くの外国人留学生が見落としがちなポイントです。通訳や翻訳を希望する場合は、この条件をクリアできるかどうかを事前に確認しましょう。

4. 在留資格変更の許可率を把握する

専門学校卒業後にビザを変更できる許可率は約20.5%で、年々増加傾向にあるとはいえ、決して高い数字ではありません(参照:入国管理局手続きガイド)。不許可になるリスクを減らすためには、申請書類の準備を入念に行い、必要に応じて行政書士に相談することも検討しましょう。

5. 就活と学業の両立が難しい

専門学校は大学と比べて授業スケジュールが過密です。実習や課題が多いため、就職活動に充てる時間が限られます。そのため、早い段階から就活スケジュールを立て、計画的に準備を進めることが不可欠です。

おすすめの就職先・職種と業界別の特徴

専門学校で学んだ分野ごとに、就職しやすい業界と職種が異なります。自分の専門分野に合った就職先を選ぶことが、ビザ取得の成功にもつながります。

専門分野おすすめ職種求人の多さビザ取得しやすさ
IT・プログラミングSE、プログラマー、Webエンジニア★★★★★★★★★★
ビジネス・会計経理、事務、貿易実務★★★★☆★★★★☆
日本語・通訳翻訳通訳、翻訳(要実務経験3年)★★★☆☆★★☆☆☆
デザイン・アニメグラフィックデザイナー、アニメーター★★★☆☆★★★★☆
介護・福祉介護福祉士、ケアワーカー★★★★★★★★★★
ホテル・観光フロントスタッフ、旅行プランナー★★★★☆★★★☆☆
調理・製菓調理師、パティシエ★★★☆☆★★★☆☆
自動車整備自動車整備士★★★★☆★★★★☆

特にIT・エンジニア分野は人材不足が深刻で、専門学校卒の外国人にも多くの求人があります。また、介護業界も特定技能ビザの対象分野として需要が高まっています。

就職活動を成功させるための具体的な方法

専門学校卒の外国人が就職活動を成功させるためには、以下の方法を活用しましょう。

学校の就職支援を最大限に活用する

専門学校は学科に関連する企業との太いパイプを持っていることが多く、手厚い就職支援を受けられます。キャリアセンターや就職課では、求人の紹介だけでなく、履歴書の添削や面接練習も行ってくれます。卒業後も相談できる学校もあるので、積極的に活用しましょう。

外国人向け就職支援サービスを利用する

一般的な求人サイトや転職エージェントに加えて、外国人留学生向けの専門的な就職支援サービスも増えています。就職フェアへの参加も効果的です。

ポートフォリオや資格でアピールする

特にIT・デザイン分野では、ポートフォリオの質が重要視されます。また、資格やスキルの証明は就職活動を有利に進める武器になります。日本語能力試験(JLPT)のN2以上は、多くの企業で求められる水準です。

日本語力を徹底的に磨く

就活に必要な日本語レベルは、最低でもJLPT N2レベルです。ビジネス日本語やメールの書き方、敬語の使い方なども習得しておくと、面接や入社後にも役立ちます。日本語能力の向上に継続的に取り組みましょう。

在留資格変更の手続きと必要書類

卒業後の在留資格変更は、就職活動と並んで最も重要な手続きです。申請に必要な書類と手続きの流れを確認しておきましょう。

必要書類一覧

  1. 在留資格変更許可申請書
  2. パスポートと在留カード
  3. 卒業証明書(専門士の称号記載のもの)
  4. 成績証明書
  5. 雇用契約書または内定通知書
  6. 会社の登記事項証明書
  7. 会社の決算書類
  8. 職務内容説明書(専攻との関連性を示す重要書類)

詳しい書類準備のコツはビザ申請必要書類ガイドで解説しています。

申請のタイミング

在留資格の変更申請は、卒業前の12月頃から提出できます。審査には通常1〜3ヶ月かかるため、早めに準備を始めることが重要です。在留資格の変更手続きの詳細もご確認ください。

不許可になった場合の対処法

万が一、在留資格変更が不許可になった場合でも、理由を確認して再申請することが可能です。ビザの不許可理由と対策を参考に、書類の不備を修正しましょう。また、特定活動ビザへの変更で就職活動期間を延長できる場合もあります。

就職後のキャリアプランを考えよう

専門学校卒業後の就職はゴールではなく、キャリアのスタートです。長期的な視点でキャリアを考えておくことが大切です。

スキルアップと転職の可能性

日本での経験を積んだ後、転職・キャリアアップを目指すことも視野に入れましょう。専門学校で学んだ基礎の上に、実務経験と追加の資格取得を重ねることで、より良い条件の職場への転職も可能になります。

永住権取得への道

日本での就労を継続することで、将来的に永住権の取得も視野に入ります。通常10年の在留実績が必要ですが、高度専門職ポイント制度を活用すれば、最短1年での取得も可能です。

給与・待遇の相場を知る

専門学校卒の初任給の相場や、外国人の給料・待遇について事前に調べておくと、就職活動で企業を比較する際の判断材料になります。税金や社会保険についても理解しておきましょう。

まとめ:専門学校卒の外国人が就職を成功させるために

専門学校卒業後の就職を成功させるためのポイントをまとめます。

  1. 早期準備:入学直後から就職活動を意識し、計画的に準備する
  2. 専攻との関連性:学んだ分野と直結する職種を優先して探す
  3. 在留資格の理解:ビザの要件を正確に理解し、必要書類を漏れなく準備する
  4. 学校の支援活用:キャリアセンターや教職員のサポートを最大限に活用する
  5. 日本語力の向上:JLPT N2以上を目指し、ビジネス日本語も習得する
  6. 専門家への相談:困ったときは行政書士や専門の就職支援サービスを利用する

2024年時点で外国人留学生の専門学校入学者数は76,402人にのぼり、多くの先輩が同じ道を歩んでいます。正しい知識と準備があれば、専門学校卒業後の日本での就職は十分に実現可能です。

さらに詳しい情報は留学生から社会人への就職完全ガイドもご覧ください。また、就職活動中の生活面については住居・生活インフラガイドが参考になります。

参考リンク:

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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