就活に必要な日本語レベルはどのくらい?

日本で就職活動をする外国人向けに、就活で求められるJLPTレベルをN1〜N5の等級別・職種別に詳しく解説。IT・飲食・介護・事務職など職種ごとの必要レベルや、ビザ別の要件、日本語力を効率的に上げる方法もご紹介します。
就活に必要な日本語レベルはどのくらい?【JLPT・職種別に徹底解説】
日本で就職活動を始めようとしている外国人の方にとって、「自分の日本語レベルで就活できるのか?」という不安は大きいものです。実際に、2024年のJLPT(日本語能力試験)の受験者数は172万人を超え過去最高を記録しており、日本での就職を目指す外国人が急増しています。
本記事では、就活で求められる日本語レベルをJLPTの等級別・職種別に詳しく解説します。日本での就職活動完全ガイドとあわせて、ぜひ参考にしてください。
JLPTとは?日本語能力試験の基本を理解しよう
JLPT(Japanese-Language Proficiency Test)は、日本語を母語としない方の日本語能力を測定・認定する試験です。N5(最も易しい)からN1(最も難しい)までの5段階に分かれています。
試験は毎年7月と12月の年2回実施され、世界約90カ国・地域で受験可能です。2025年の第1回試験からは、CEFRレベルの参考表示も開始される予定です。
JLPTは主に読解力と聴解力を測定する試験であり、スピーキング(会話力)やライティング(作文力)は評価対象に含まれません。そのため、JLPTの級だけでなく、実際のコミュニケーション能力も就活では重要になります。資格・スキルアップ完全ガイドも参考にしてください。
【一覧表】JLPTレベル別の日本語能力と対応できる仕事
各JLPTレベルで「何ができるか」「どんな仕事に就けるか」を以下の表にまとめました。
| JLPTレベル | 日本語能力の目安 | 対応できる職種・業務 | 就活での評価 |
|---|---|---|---|
| N1 | 幅広い場面で使われる日本語を理解できる。新聞の論説や抽象度の高い文章も読める | 事務職、通訳・翻訳、営業、マネジメント、コンサルティング | 非常に高い。ほぼ全ての職種で応募可能 |
| N2 | 日常的な場面に加え、より幅広い場面の日本語をある程度理解できる | 接客業、一般事務、ITエンジニア(日本語環境)、カスタマーサポート | 高い。多くの企業が採用の最低基準に設定 |
| N3 | 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる | コンビニ店員、販売スタッフ、介護補助、軽作業(指示理解が必要) | 一部の職種で応募可能 |
| N4 | 基本的な日本語を理解できる | 飲食店キッチン、工場作業、農業、清掃業務 | 特定技能ビザの最低要件 |
| N5 | 基本的な日本語をある程度理解できる | 日本語をほぼ使わない軽作業、清掃、農作業 | 育成就労制度の最低要件 |
この表からも分かるように、オフィスワークや専門職を目指す場合はN2以上が事実上の必須条件です。一方、特定技能ビザを活用した就労であればN4レベルから可能です。
職種別に見る!就活で本当に必要な日本語レベル
IT・エンジニア職
IT業界は比較的日本語レベルの要件が柔軟な業界です。英語でのコミュニケーションが可能な職場では、N3程度でも採用されるケースがあります。ただし、日本語環境で働く場合はN2以上が求められるのが一般的です。
特にSE(システムエンジニア)やPM(プロジェクトマネージャー)として顧客と直接やり取りする場合は、ビジネスレベルの日本語(N1相当)が必要です。詳しくはIT・エンジニアとして日本で働く完全ガイドをご覧ください。
飲食・サービス業
飲食・サービス業では、ホールスタッフとして接客を行う場合はN3以上、キッチンスタッフであればN4程度から勤務可能です。ただし、正社員として採用される場合はN2以上を求める企業が多くなります。
介護・医療業界
介護・医療業界では、特定技能ビザの取得にN4以上が必要です。現場では利用者との日本語でのコミュニケーションが不可欠なため、実際にはN3以上の日本語力が求められます。介護福祉士の国家試験を受ける場合は、N2以上の読解力が必要です。
事務職・総合職
日本人と同等の事務職や総合職を目指す場合は、N1またはN2が必須です。ビジネスメールの作成、電話対応、会議での発言など、高度な日本語コミュニケーション能力が求められます。日本のビジネスマナー・文化完全ガイドもあわせて確認しましょう。
製造業・工場
製造業・工場では、作業指示の理解やチームでの連携にN4〜N3程度の日本語力が必要です。技能実習や特定技能での就労が多い分野です。
ビザ別に見る日本語レベルの要件
就労ビザの種類によっても、求められる日本語レベルは異なります。就労ビザ16種類の特徴を理解した上で、自分に必要なレベルを確認しましょう。
技術・人文知識・国際業務ビザ
最も一般的な就労ビザである技術・人文知識・国際業務ビザには、法的な日本語レベルの要件はありません。ただし、実務上はN2以上を求める企業がほとんどです。
特定技能ビザ
特定技能ビザの取得には、N4以上の日本語能力が必要です。これはビザの取得要件として法的に定められています。
高度専門職ビザ
高度専門職ビザではポイント制度が採用されており、N1取得で15ポイント、N2取得で10ポイントが加算されます。合計70ポイント以上で取得可能なため、日本語能力は大きなアドバンテージになります。
育成就労制度(2024年新設)
新たに創設された育成就労制度では、就労開始前にN5以上のレベルに達していることが求められます。
JLPTだけでは不十分?就活で見られる「本当の日本語力」
JLPTは読解力と聴解力のテストであるため、実際の就活や業務で必要な以下のスキルは評価対象外です。
- ビジネス会話力:敬語の適切な使用、電話対応、商談での説明力
- ビジネスライティング:メール作成、報告書の作成、議事録の作成
- ビジネスマナー:名刺交換、お辞儀、席順など日本独自のマナー
- プレゼンテーション能力:会議での発表、提案書の説明
企業の面接では、JLPTの級よりも実際にどれだけ日本語でコミュニケーションが取れるかが重視されます。面接対策・選考プロセス完全ガイドで、面接での日本語対策もしっかり準備しましょう。
JLPTに加えて取得を検討したい資格として、BJT(ビジネス日本語能力テスト)やJ-TEST(実用日本語検定)があります。これらはビジネスシーンに特化した日本語能力を測定するため、就活でのアピール材料になります。
日本語レベルを効率的に上げる5つの方法
就活までに日本語レベルを向上させるための具体的な方法をご紹介します。
1. JLPT対策テキストで体系的に学ぶ
N2・N1合格を目指すなら、公式問題集や「新完全マスター」シリーズなどの定番教材を活用しましょう。毎日1〜2時間の学習を3〜6ヶ月継続すれば、1つ上のレベルに到達できます。
2. 日本語のニュースやドラマで「生きた日本語」に触れる
NHK NEWS WEBの「NEWS WEB EASY」はやさしい日本語でニュースが読めるため、N3〜N2レベルの方に最適です。日本のドラマやアニメも、字幕をつけて視聴することでリスニング力が向上します。
3. 日本人との会話練習を習慣化する
オンライン日本語会話レッスンや、言語交換アプリ(HelloTalk、Tandemなど)を活用して、毎日最低30分は日本語で会話する習慣をつけましょう。
4. ビジネス日本語を集中的に学ぶ
就活を控えている方は、ビジネスメールの書き方、敬語の使い方、面接での受け答えなど、実践的なビジネス日本語を優先的に学びましょう。日本語能力と語学スキル向上ガイドも参照してください。
5. 日本語でアルバイトやインターンに参加する
実際の職場で日本語を使うことが最も効果的な学習方法です。インターンシップの探し方を参考に、日本語環境でのインターンシップに挑戦してみましょう。
N2・N1がなくても就活できる?代替手段と戦略
JLPT N2やN1を持っていない場合でも、以下の方法で就活を進めることは可能です。
英語力を活かせる企業を狙う:外資系企業やグローバル企業では、英語力が高ければ日本語レベルが低くても採用される可能性があります。
専門スキルで勝負する:ITスキル、エンジニアリング、デザインなど、専門性の高いスキルがあれば、日本語力の不足をカバーできる場合があります。
日本語レベル不問の求人を探す:求人サイト・転職エージェント活用ガイドを活用して、外国人歓迎・日本語レベル不問の求人を探しましょう。
留学中に日本語力を伸ばす:留学生から社会人への就職完全ガイドで紹介している通り、在学中にN2以上を取得しておくと就活が格段にスムーズになります。
まとめ:目標とする日本語レベルを明確にして就活に臨もう
日本での就職活動に必要な日本語レベルは、目指す職種やビザの種類によって大きく異なります。一般的にはN2以上が就活の標準ラインですが、業界や職種によってはN3やN4レベルでも就労可能なケースがあります。
重要なのは、JLPTの級だけにこだわるのではなく、実際のコミュニケーション能力も同時に高めることです。面接での受け答え、ビジネスメールの作成、敬語の使い方など、実践的な日本語力を身につけることで、就活での成功確率が大きく上がります。
自分の目標に合わせた日本語レベルを設定し、計画的に学習を進めましょう。外国人の就職活動スケジュールを確認して、JLPT受験と就活のタイミングをうまく合わせることも大切です。
参考リンク:
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