特定技能試験の対策方法【分野別ガイド】

特定技能試験の分野別対策方法を徹底解説。介護・外食・建設・製造業など16分野の試験内容、合格率(65%〜72%)、効果的な勉強法、申し込み手順まで。特定技能1号・2号の違いや日本語試験(JLPT・JFT-Basic)の選び方もわかります。
特定技能試験の対策方法【分野別ガイド】
日本で特定技能ビザを取得して働きたいと考えている外国人の方にとって、特定技能試験への合格は最も重要なステップの一つです。特定技能1号の在留資格を取得するには、「技能評価試験」と「日本語試験」の2つに合格する必要があり、それぞれの分野で異なる試験内容が出題されます。
2024年3月の閣議決定により、特定技能制度の対象は16分野に拡大しました。分野ごとに試験内容や難易度が異なるため、自分が受ける分野に合った対策方法を知ることが合格への近道です。この記事では、各分野の試験の特徴と効果的な対策方法を詳しく解説します。
特定技能ビザの全体像については、特定技能ビザ完全ガイド【16分野対応】も合わせてご覧ください。
特定技能試験の基本構造と合格条件
特定技能1号を取得するために必要な試験は、大きく分けて以下の2種類です。
1. 技能評価試験(分野別) 各分野の業務に必要な知識・技能を測る試験です。分野ごとに試験実施団体が異なり、出題形式や試験時間も異なります。多くの分野でCBT(コンピュータ方式)で実施されています。
2. 日本語試験 以下のいずれかに合格する必要があります:
| 試験名 | 合格基準 | 実施頻度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 日本語能力試験(JLPT) | N4以上 | 年2回(7月・12月) | 世界的に認知度が高い |
| 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) | 250点中200点以上 | 随時 | 受験機会が多い |
注意: 介護分野のみ、上記に加えて「介護日本語評価試験」にも合格が必要です。
なお、技能実習2号を良好に修了した場合は、試験免除で特定技能1号に移行できます。ただし、異なる分野で働く場合は技能評価試験の受験が必要です。
日本語能力の向上方法については、日本語能力と語学スキル向上ガイドで詳しく解説しています。
分野別の試験内容と対策【16分野一覧】
現在、特定技能制度は16分野に対応しています。各分野の試験内容と対策ポイントを見ていきましょう。
介護分野
試験実施団体: 厚生労働省 試験形式: CBT方式、全45問(学科40問+実技5問)、60分 合格率: 約71%(国内)
対策ポイント:
- 介護の基本(身体介護、生活支援)の用語を暗記する
- 「介護日本語評価試験」の対策も同時に進める
- 厚生労働省の公式テキストを活用する
- コミュニケーション技術に関する問題が多いため、実践的な場面を想定した学習が効果的
介護業界の詳しい情報は介護・医療業界で働く完全ガイドをご覧ください。
外食業分野
試験実施団体: 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF) 試験形式: CBT方式、学科+実技、制限時間あり
対策ポイント:
- 衛生管理(HACCP、食中毒予防)は必ず出題されるため重点的に学習
- 接客サービスに関する日本語表現を覚える
- 調理の基本用語(包丁の種類、調理法など)を押さえる
詳しくは飲食・サービス業で働く完全ガイドも参考にしてください。
飲食料品製造業分野
試験実施団体: OTAFF 試験形式: CBT方式
対策ポイント:
- 食品安全・衛生管理が最重要分野
- HACCPに基づいた製造工程管理の知識が必須
- 原材料の管理、品質管理に関する出題が多い
建設分野
試験実施団体: 一般社団法人建設技能人材機構(JAC) 試験形式: CBT方式+実技試験
対策ポイント:
- 安全管理(足場、墜落防止、保護具)に関する出題が必ずある
- 建設用語を日本語で覚える必要がある
- JACの公式サイトで練習問題が公開されている
- 実技試験があるため、実際の作業経験が重要
製造業分野(素形材・産業機械・電気電子)
試験実施団体: 経済産業省 試験形式: CBT方式、学科+実技
対策ポイント:
- 機械加工、金属プレス、溶接など専門分野ごとに対策が異なる
- 安全衛生管理の基本知識は共通して出題される
- 図面の読み方、計測器の使い方を学んでおく
製造業での就職については製造業・工場で働く完全ガイドもご確認ください。
その他の分野
| 分野 | 主な試験内容 | 対策の重点 |
|---|---|---|
| ビルクリーニング | 清掃技術、衛生管理 | 洗剤・機材の知識、作業手順 |
| 農業 | 栽培管理、畜産管理 | 季節ごとの作業、農薬の安全使用 |
| 漁業 | 漁船・養殖の操業知識 | 安全管理、漁具の取り扱い |
| 宿泊業 | 接客サービス、施設管理 | 日本語での接客対応力 |
| 航空業 | 地上走行支援、貨物取扱 | 航空法規、安全管理 |
| 自動車整備 | 自動車の構造、整備技術 | 点検・整備の基本手順 |
| 造船・舶用工業 | 溶接、仕上げ、塗装等 | 安全作業、図面読解 |
| 自動車運送業 | 運転技術、法規 | 道路交通法、運転マナー |
| 鉄道 | 運行管理、車両整備 | 安全規則、日本語でのアナウンス |
| 林業 | 伐木、造林作業 | 安全管理、チェーンソー操作 |
| 木材産業 | 木材加工、品質管理 | 機械操作、品質検査 |
合格率から見る試験の難易度と傾向
特定技能試験の合格率は分野や受験場所によって大きく異なります。
国内試験の合格率: 約65%~72% 国外試験の合格率: 約40%~90%(国・月によってばらつきあり)
合格率の高い分野と低い分野を比較すると、以下の傾向が見られます:
| 合格率の傾向 | 分野例 | 理由 |
|---|---|---|
| 比較的高い(70%以上) | 介護、飲食料品製造 | 公式教材が充実、受験者の準備が進んでいる |
| 中程度(50%~70%) | 外食業、宿泊業 | 実技的な知識が必要 |
| 比較的低い(50%以下の場合あり) | 建設、製造業 | 専門技術の理解が必要、実技試験がある |
重要な注意点:
- 1度受験すると、45日間は再受験ができません
- 申し込みにはクレジットカードまたはPayPayが必要です
- 試験会場は限られているため、早めの予約が推奨されます
試験の最新スケジュールは出入国在留管理庁の公式サイトで確認できます。
効果的な試験対策の学習方法
公式教材を最大限に活用する
各分野の試験実施団体が公開している公式テキスト・過去問題は、最も重要な学習教材です。出入国在留管理庁の試験情報ページから各分野の試験情報にアクセスできます。
日本語と専門用語を同時に学習する
技能試験は日本語で出題されるため、分野固有の専門用語を日本語で覚えることが非常に重要です。以下の方法が効果的です:
- 分野別の用語リストを作成し、毎日復習する
- 実際の職場で使われる日本語表現を音声で聞く練習
- 日本語と母国語の対訳付き教材を活用する
模擬試験で実力を確認する
多くの分野で公式の練習問題が公開されています。試験前に必ず以下を実施しましょう:
- 制限時間内に解く練習(時間配分の感覚を身につける)
- 間違えた問題の徹底的な復習
- 出題パターンの把握
企業の支援制度を活用する
特定技能で外国人を雇用する企業の多くは、試験対策のための教材提供や学習支援を行っています。転職・キャリアアップ戦略完全ガイドで紹介している転職エージェントを通じて、支援体制が充実した企業を探すこともできます。
特定技能2号への昇格と試験対策
特定技能2号は、より高い技能を持つ外国人向けの在留資格で、在留期間の上限がなく、家族の帯同も可能です。
特定技能2号試験の特徴
- 日本語のみで出題される(日本語能力N3程度以上が必要)
- 技能試験の難易度が1号より高い
- 実務経験の要件がある分野もある
- 対象は現在11分野(介護を除く)
2号試験の対策方法
| 対策項目 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 日本語力の向上 | JLPT N3以上を目指す、業務用語の習得 |
| 専門知識の深化 | 1号の内容に加え管理・指導レベルの知識 |
| 実務経験の蓄積 | 日常業務で技能を磨き、記録を残す |
| 学習期間の確保 | 最低2〜8か月の準備期間を設ける |
特定技能2号を取得すれば、永住権への道も開けます。永住権の取得条件と申請方法で詳しく解説しています。
試験申し込みの手順と注意点
申し込みの基本ステップ
- 試験情報を確認する: 出入国在留管理庁の公式サイトで日程・会場を確認
- Prometric等のサイトで申し込み: 多くの分野はPrometricから申し込み可能
- 受験料を支払う: クレジットカードまたはPayPayで決済
- 受験票を受け取る: メールで届くため確認を忘れずに
- 試験当日: 在留カード等の本人確認書類を持参
試験当日の持ち物チェックリスト
- 在留カード(またはパスポート)
- 受験確認メールのプリントアウト
- 筆記用具(CBT方式の場合は不要な場合もあり)
- 試験会場の地図・交通手段の確認
在留カードの管理については在留カードの見方と管理方法ガイドをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q: 技能実習を修了していなくても受験できますか? A: はい、技能実習の経験がなくても受験可能です。海外でも試験を実施しています。
Q: 不合格の場合、何回まで受験できますか? A: 回数制限はありませんが、1度受験すると45日間は再受験できません。
Q: 日本語試験はJLPTとJFT-Basicのどちらがおすすめですか? A: JFT-Basicは随時実施で受験機会が多いため、急いでいる方にはおすすめです。JLPTは世界的に認知度が高く、将来的にも活用できます。
Q: 試験対策にかかる期間の目安は? A: 分野や個人の基礎知識によりますが、一般的に2〜6か月の準備が推奨されています。
Q: 試験に合格すればすぐに働けますか? A: 試験合格だけでは不十分で、受け入れ企業との雇用契約やビザ申請手続きが別途必要です。
まとめ:合格への5つのステップ
特定技能試験に合格するためのポイントをまとめます:
- 自分の分野の試験情報を正確に把握する - 試験実施団体のサイトで最新情報を確認
- 公式教材と過去問を徹底活用する - 出題傾向を把握し、効率的に学習
- 日本語力と専門知識を同時に高める - 分野別の専門用語を日本語で覚える
- 模擬試験で本番に備える - 時間配分と出題パターンに慣れる
- 再受験制限を考慮して万全の準備で臨む - 45日ルールがあるため、一発合格を目指す
特定技能試験は、適切な対策を行えば十分に合格できる試験です。分野に合った学習計画を立て、着実に準備を進めましょう。
在留資格の基本知識については在留資格・ビザの基礎知識完全ガイド、就職活動の進め方は日本での就職活動完全ガイドもぜひ参考にしてください。
関連記事

特定技能ビザの不許可事例と対策
特定技能ビザ申請で多い不許可事例を具体的に紹介し、書類不備・報酬問題・公的義務未履行・受入企業側の問題など、それぞれの対策方法を詳しく解説。2025年以降の制度変更にも対応した最新情報をお届けします。
続きを読む →
特定技能外国人の生活支援サービスまとめ
特定技能外国人が受けられる生活支援サービスを徹底解説。登録支援機関の選び方5つのポイント、費用相場(月額2〜4万円)、義務的10項目の内容、住居・日本語学習・医療サポートまで、これから日本で働く方と受入企業の双方に役立つ情報をまとめました。
続きを読む →
育成就労制度とは?新しい外国人受入れ制度
育成就労制度の仕組み、技能実習制度との違い、対象16分野、申請条件、転籍制度を詳しく解説。2027年4月施行予定の新しい外国人労働者受入れ制度について、外国人労働者と受入れ企業が知っておくべきポイントをまとめました。
続きを読む →
特定技能の転職ルールと手続き方法
特定技能ビザで日本で働く外国人が転職する際のルール、手続きの流れ、必要書類、費用、注意点を徹底解説。同じ分野での転職条件、在留資格変更許可申請の方法、無収入期間への対策まで、転職成功に必要な情報をすべてまとめています。
続きを読む →
特定技能の家族帯同ルールと条件
特定技能ビザでの家族帯同ルールを徹底解説。特定技能1号と2号の違い、配偶者・子どもを日本に呼ぶための条件、必要書類、申請手続きの流れを紹介。特定技能2号へのステップアップ戦略や生活費の目安も詳しく説明します。
続きを読む →
宿泊分野の特定技能ガイド【ホテル業界】
特定技能「宿泊」分野でホテル・旅館業界で働くための完全ガイド。試験対策、業務内容、給与水準、申請手順まで網羅的に解説。2025年最新の統計データとともに、外国人がホテル業界で成功するためのポイントを紹介します。
続きを読む →