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給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】

昇給・昇進の仕組みと実態を解説

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
昇給・昇進の仕組みと実態を解説

日本企業の昇給制度(定期昇給・ベースアップ)と昇進の仕組みを徹底解説。2025年の平均昇給率5.26%の背景や、外国人労働者が給料を上げるための給与交渉術・転職戦略を紹介。年功序列から成果主義への変化も解説します。

昇給・昇進の仕組みと実態を解説【外国人が日本で給料を上げる方法】

日本で働く外国人にとって、昇給や昇進の仕組みを理解することはキャリアアップの第一歩です。「毎年どのくらい給料が上がるのか」「どうすれば昇進できるのか」といった疑問を持つ方は多いでしょう。2025年の春闘では平均賃上げ率が5.46%と過去30年以上で最高水準を記録し、日本全体で賃金上昇の流れが続いています。しかし、外国人労働者の平均月給は232,600円で、日本人全体の平均318,300円と比べて約85,700円の差があるのが現実です。この記事では、日本の昇給・昇進制度の仕組みから外国人が給料を上げるための具体的な方法まで、徹底的に解説します。

日本の昇給制度の基本的な仕組み

日本企業の昇給制度は、大きく分けて「定期昇給」「ベースアップ」の2つがあります。それぞれの特徴を理解することが、自分の給与がどう変わるかを把握する第一歩です。

定期昇給(定昇)とは、毎年決められた時期(通常4月)に行われる査定をもとに基本給が上がる仕組みです。勤続年数、年齢、業務成績などが考慮されます。一方、ベースアップ(ベア)は、会社全体の給与テーブルそのものを引き上げるもので、全社員が対象となります。

昇給の種類対象頻度決定要因2025年の平均
定期昇給個人年1回(4月)勤続年数・評価・年齢約5,000〜8,000円/月
ベースアップ全社員不定期物価上昇・業績・春闘約8,000〜10,000円/月
昇格昇給昇進者昇進時役職・等級の変更10,000〜50,000円/月
臨時昇給特定者随時特別な成果・スキルケースバイケース
ベースアップ+定期昇給合計全社員年1回総合的平均16,399円/月

2025年の昇給額平均は16,399円(昇給率5.26%)となっており、2024年の15,236円(5.08%)から着実に上昇しています。これは1991年以来33年ぶりの高水準で、物価上昇や人手不足を背景に企業が積極的に賃上げに取り組んでいる結果です。

年功序列から成果主義への変化

日本の給与制度は長年「年功序列」が主流でしたが、近年大きな変化が起きています。日本のビジネス文化を理解する上で、この変化は非常に重要です。

従来の年功序列型では、勤続年数と年齢が上がれば自動的に給料も上がる仕組みでした。しかし、2023年のHRビジョン調査によると、日本企業の70%以上が成果主義・能力主義の給与制度を導入しています。年功序列型の賃金制度を採用する企業は51.2%まで減少しました。

この変化は外国人労働者にとってチャンスと言えます。年功序列型では入社年数の短い外国人は不利でしたが、成果主義の導入により、実力次第で早期の昇給・昇進が可能になっています。

成果主義が進んでいる業界

特に以下の業界では、成果主義の導入が進んでいます。

一方、製造業や公務員、伝統的な大企業では、まだ年功序列の要素が強く残っている傾向があります。

外国人労働者の昇給・年収の実態

厚生労働省の「令和6年外国人雇用実態調査」によると、外国人労働者の給与には日本人との差が存在します。しかし、この差はすべてが「差別」によるものではなく、複数の構造的要因が関係しています。

比較項目外国人労働者日本人全体差額
平均月給232,600円318,300円-85,700円
外国人労働者数(2024年)230万人前年比+12.4%
転職で10%以上の年収アップ13.8%2024年調査

給与差の主な要因としては、以下が挙げられます。

  1. 勤続年数の短さ: 日本の給与体系では勤続年数が重要で、外国人は日本人より平均勤続年数が短い
  2. 年齢層: 外国人労働者の多くは20〜30代で、年齢給の恩恵を受けにくい
  3. 業種の偏り: 飲食・サービス業製造業など比較的給与水準の低い業界に多い
  4. 日本語能力: 日本語能力が給与に直結するポジションが多い
  5. 在留資格の制約: 特定技能ビザなどでは業種が限定される

ただし、IT業界や外資系企業では、スキルに応じた給与が支払われるため、日本人と同等以上の年収を得ている外国人も多くいます。

昇進の仕組みと外国人が知るべきポイント

日本企業の昇進は、通常「等級制度(職能資格制度)」に基づいています。一般社員から主任、係長、課長、部長と段階的にキャリアを積んでいく仕組みです。

日本企業の典型的な昇進ステップ

役職目安の年数主な役割平均年収(目安)
一般社員入社〜5年目実務担当300〜400万円
主任・リーダー5〜8年目チーム内のまとめ役400〜500万円
係長8〜12年目小チームの管理500〜600万円
課長12〜20年目部門の管理・運営600〜800万円
部長20年目〜事業部全体の責任者800〜1,200万円

外国人が昇進するために特に意識すべきポイントは以下の通りです。

1. 評価基準を明確に把握する 入社時に人事評価の基準や昇進の条件を上司やHR部門に確認しましょう。「何を達成すれば昇進できるのか」を具体的に理解しておくことが重要です。

2. 日本語でのコミュニケーション力を磨く 管理職になるには、日本語での報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が不可欠です。JLPT N2以上の日本語力があると昇進のチャンスが広がります。

3. 社内の人間関係を構築する 日本では「根回し」と呼ばれる事前調整や、ネットワーキングが昇進に影響することがあります。飲み会やランチミーティングにも積極的に参加しましょう。

4. 長期的なコミットメントを示す 日本企業は長期雇用を前提としているため、「この会社で長く働きたい」という意思を示すことが評価につながります。

給与交渉のタイミングと方法

日本では給与交渉の文化が欧米ほど浸透していませんが、適切なタイミングと方法を知れば、昇給を勝ち取ることは可能です。GaijinPotの調査によると、以下のポイントが重要です。

最適なタイミング

  • 評価面談の1〜2ヶ月前(多くの企業では1〜2月)
  • 大きなプロジェクトを成功させた直後
  • 会社の業績が好調な時期
  • 昇進のタイミング

避けるべきタイミング

  • 入社直後(最低6ヶ月〜1年は待つ)
  • 繁忙期
  • 会社の業績が悪い時期
  • 同僚の前

給与交渉の進め方

  1. 事前準備: 業界の給与相場を求人サイトやdodaなどで調査する
  2. 実績の整理: 具体的な数字(売上貢献額、コスト削減額など)をまとめる
  3. 面談の予約: 「今後のキャリアについて相談したい」と上司にアポイントを取る
  4. 提案型で伝える: 「〇〇の成果を出したので、△△円の昇給をお願いしたい」と具体的に
  5. 代替案も準備: 昇給が難しい場合、役職アップ、資格手当、リモートワークなどの交渉も検討

転職による年収アップという選択肢

日本では、同じ会社で長く働くよりも転職のほうが大幅な年収アップにつながるケースが増えています。2024年の調査では、転職者の13.8%が10%以上の年収アップを実現しています。

転職で年収を上げるコツ

  • スキルアップしてから転職する: IT資格日本語検定の取得が年収アップの武器になる
  • 転職エージェントを活用する: 外国人専門のエージェントが適正年収を交渉してくれる
  • 外資系企業も視野に入れる: 日系企業より給与水準が20〜50%高い場合がある
  • 面接での給与交渉を恐れない: オファー段階での交渉は一般的

転職 vs 昇給の比較

項目社内昇給転職
年収アップ幅年間3〜5%(平均)10〜30%も可能
リスク低い中〜高(試用期間あり)
人間関係維持できる一から構築
ビザへの影響なし変更手続きが必要な場合あり
スキル成長限定的新しい環境で成長できる

業界別の昇給・昇進の特徴

業界によって昇給・昇進のスピードや仕組みは大きく異なります。自分が働く業界の特徴を把握しておきましょう。

業界昇給の特徴昇進スピード外国人の活躍度
IT・Webスキルベース・高い速い(3〜5年で管理職も)★★★★★
製造業年功序列寄り普通(10年程度)★★★☆☆
飲食・サービス低い傾向速い(人手不足のため)★★★★☆
介護・医療処遇改善あり普通★★★☆☆
外資系企業成果連動・高い実力次第★★★★★
教育(英語教師)低い傾向限定的★★★★☆
金融・保険高い遅い(年功序列)★★☆☆☆
コンサルティング非常に高い速い★★★★☆

昇給を実現するためにできる5つのアクション

最後に、外国人が日本で昇給・昇進を実現するための具体的なアクションプランをまとめます。

1. 日本語能力を上げる JLPT N1やビジネス日本語の資格を取得することで、昇給交渉時の強力な武器になります。多くの企業では、日本語能力に応じた語学手当を支給しています。

2. 業界で求められる資格を取得する IT業界ならAWS認定やOracleの資格、介護業界なら介護福祉士など、業界ごとに評価される資格を取得しましょう。

3. 評価面談を活用する 年に1〜2回の評価面談では、次の評価期間の目標を上司と明確にすり合わせましょう。目標達成が昇給に直結します。

4. 社内での存在感を高める 部門横断プロジェクトへの参加、社内勉強会の主催、後輩指導など、日常業務以外の貢献も昇進評価に影響します。

5. 転職市場での自分の価値を知る 定期的に求人サイトで自分のスキルに対する市場価値を確認しましょう。交渉材料になるだけでなく、より良い条件の転職先が見つかる可能性もあります。

まとめ

日本の昇給・昇進制度は、年功序列から成果主義へと確実に変化しています。2025年の平均昇給率5.26%という過去最高水準の賃上げは、外国人労働者にとっても追い風です。ただし、外国人労働者と日本人の給与差は依然として存在しているため、積極的にスキルアップや給与交渉に取り組むことが重要です。

日本語能力の向上、業界資格の取得、適切なタイミングでの給与交渉、そして必要に応じた転職を戦略的に組み合わせることで、着実に年収アップを実現できるでしょう。自分のキャリアは自分でコントロールする——そのための知識と行動力が、日本で成功する鍵となります。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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