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IT・エンジニアとして日本で働く完全ガイド

日本のIT業界の特徴と働き方を解説

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
日本のIT業界の特徴と働き方を解説

日本のIT業界の市場規模、働き方の特徴、成長分野、外国人エンジニアの採用動向を詳しく解説。ITエンジニアとして日本で働くために知っておくべきポイントや成功のコツを紹介します。2030年には約79万件の求人不足が予測される成長市場です。

日本のIT業界の特徴と働き方を解説

日本のIT業界は、世界有数の規模を誇り、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAI技術の進展により急速に変化しています。外国人エンジニアにとって、日本のIT業界は大きなチャンスがある一方で、独特の企業文化や働き方への理解が欠かせません。本記事では、日本のIT業界の構造や特徴、働き方の現状、そして外国人として活躍するためのポイントを詳しく解説します。

日本のIT業界の市場規模と成長性

日本のIT業界は、世界的に見ても非常に大きな市場を形成しています。経済産業省の調査によると、日本のITエンジニア数は約144万人に達しており、中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位の規模です。

情報サービス業の売上高は前年比6.2%増の16兆9,919億円を記録し、通信業が約14兆8,300億円、ソフトウェア業が約4兆6,825億円と続きます。これらの分野は、DXやクラウドコンピューティング、AIの普及に伴い今後もさらなる成長が見込まれています。

特に注目すべきは、2030年には約78万9,000件のIT求人が人材不足により埋まらないと予測されている点です。この深刻な人材不足は、外国人エンジニアにとっては大きな就職チャンスを意味しています。

IT業界の主要な分野と業種

日本のIT業界は、大きく以下の分野に分類されます。それぞれの特徴を理解することで、自分に合った分野を見つけることができます。

分野主な業務内容代表的な企業例外国人採用の活発さ
SIer(システムインテグレーター)企業向けシステムの設計・開発・運用NTTデータ、富士通、NEC★★★☆☆
Web系・自社開発自社サービスの企画・開発楽天、メルカリ、LINE★★★★★
通信・インフラネットワーク・通信基盤の構築NTT、KDDI、ソフトバンク★★★☆☆
コンサルティングIT戦略の立案・DX推進支援アクセンチュア、PwC★★★★☆
SaaS・クラウドクラウドサービスの開発・提供サイボウズ、freee★★★★☆
セキュリティサイバーセキュリティ対策トレンドマイクロ、ラック★★★★★

IT業界の構造を理解し最適なキャリアを築くためのガイドによると、Web系企業やスタートアップは比較的フラットな組織構造で、外国人エンジニアも活躍しやすい環境が整っています。

IT・エンジニアとして日本で働くことに興味がある方は、IT・エンジニアとして日本で働く完全ガイドも併せてご覧ください。

日本のIT業界ならではの働き方の特徴

日本のIT業界の働き方には、いくつかの特徴的な点があります。

リモートワークの普及

ランスタッドの調査によると、IT業界の従業員の70%以上が現在も週に1日以上はリモートで働いています。コロナ後もリモートワークが定着し、特にWeb系企業やスタートアップではフルリモート勤務が可能な企業も増えています。完全リモートワークの職種は候補者にとって非常に魅力的であり、多くのエンジニアが柔軟な働き方を求めています。

年功序列と成果主義の混在

日本の伝統的な大企業では年功序列型の給与体系が残っていますが、IT業界、特に外資系企業やスタートアップでは成果主義が導入されています。スキルや実績に応じて昇給やポジションアップが期待できるのは、外国人エンジニアにとっても魅力的な点です。

給与・待遇の詳細については、給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】で詳しく解説しています。

チームワークと合意形成

日本の職場では、個人の成果だけでなくチーム全体の成果が重視される傾向があります。会議(ミーティング)での合意形成(根回し・コンセンサス)のプロセスは、海外の企業文化と異なる場合があります。日本のビジネスマナー・文化を理解しておくことが、職場での円滑なコミュニケーションにつながります。

注目される成長分野とトレンド

2025年以降、日本のIT業界では以下の分野が特に注目されています。

サイバーセキュリティ最新の調査によると、サイバーセキュリティ専門家の求人件数は基準値の500%以上に急増しており、極めて高い需要があります。セキュリティの知識やスキルを持つエンジニアは、非常に有利な条件で就職することが可能です。

データエンジニアリング:ビッグデータの活用が進む中、データエンジニアリングの需要もベースラインの約300%に達すると予測されています。Pythonやクラウドプラットフォームの知識が求められます。

AI・機械学習:生成AIの普及に伴い、AI関連の求人が急増しています。特にプロンプトエンジニアリングやMLOpsといった新しい職種が注目されています。

DX推進:従来のレガシーシステムからクラウドベースのシステムへの移行プロジェクトが増加しており、モダナイゼーションの知識を持つエンジニアの需要が高まっています。

業界トレンドの詳細については、外国人が活躍する業界トレンド【2026年版】も参考にしてください。

外国人エンジニアの採用動向と現状

日本のIT企業では、深刻な人材不足を背景に外国人エンジニアの採用を積極的に進めています。BLOOM TECH Careerの調査によると、日本のIT企業で働くエンジニアの約1.5%が外国籍であり、情報通信業全体では約7万人の外国人が働いています。

外国人エンジニアの採用に特に積極的な企業としては、以下が挙げられます。

  • 楽天:2010年に社内公用語を英語にする方針を打ち出し、開発部門の新卒採用者の約80%以上が外国籍(2014年時点)
  • メルカリ:社内での英語コミュニケーションを推進し、多国籍チームで開発を実施
  • ソフトバンク:グローバル人材の積極採用を推進

日本で働くための在留資格については、技術・人文知識・国際業務ビザの取得方法で詳しく解説しています。

日本のIT業界で働くメリットとデメリット

メリット

  1. 安定した雇用環境:日本の労働法は従業員保護が手厚く、解雇規制も厳しいため、安定した雇用が期待できます。詳しくは労働法・職場の権利ガイドをご覧ください。
  2. 充実した福利厚生:健康保険、厚生年金、有給休暇など、手厚い待遇が用意されています。税金・社会保険・年金の完全ガイドで制度の詳細を確認できます。
  3. 高い技術水準:品質管理やプロジェクト管理のノウハウが蓄積されており、高い技術力を身につけることができます。
  4. キャリアアップの機会:人材不足を背景に、スキルのあるエンジニアは転職・キャリアアップの選択肢が豊富です。

デメリット

  1. 言語の壁:日本語能力が求められる場面が多く、特にSIer系企業ではN1〜N2レベルが必要な場合があります。日本語能力と語学スキル向上ガイドを参考に準備しましょう。
  2. 長時間労働の文化:改善されつつあるものの、納期前の残業や休日出勤が発生する場合があります。
  3. 給与水準:グローバル基準で見ると、特にシリコンバレーなどと比較して給与が低い傾向があります。
  4. 独特の商慣習:多重下請け構造や紙ベースの業務など、非効率な慣習が残る企業もあります。

外国人がIT業界で成功するためのポイント

日本のIT業界で外国人エンジニアとして成功するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

技術スキルの強化資格・スキルアップ完全ガイドで紹介している基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などの日本のIT資格を取得すると、採用で有利になります。

日本語力の向上:日常会話レベルでも、ビジネスメールやドキュメントの読み書きができると活躍の幅が広がります。特にN2以上の取得を目指しましょう。

ネットワーキングネットワーキング・コミュニティ活用ガイドで紹介している勉強会やコミュニティに参加し、日本のIT業界の人脈を築くことも重要です。

企業選びの重要性求人サイト・転職エージェント活用ガイドを参考に、自分のスキルや希望する働き方に合った企業を選びましょう。英語環境で働けるグローバル企業か、日本語環境の企業かによって、求められるスキルセットが異なります。

まとめ

日本のIT業界は、深刻な人材不足と急速な技術革新を背景に、外国人エンジニアにとって大きなチャンスがある市場です。144万人のエンジニアを抱える世界第4位の規模を持ちながら、2030年には約79万件の求人が埋まらないと予測されており、スキルのある外国人エンジニアの需要は今後ますます高まるでしょう。

リモートワークの普及やグローバル企業の増加により、働き方も多様化しています。サイバーセキュリティやデータエンジニアリング、AI分野など成長領域でのスキルを身につけることで、より有利な条件での就職が可能です。

これから日本のIT業界を目指す方は、まず日本での就職活動完全ガイド【外国人向け】で就職活動の流れを確認し、在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドでビザの要件を理解しておくことをおすすめします。準備をしっかり整えて、日本のIT業界でのキャリアをスタートさせましょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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