永住権の取得条件と申請方法【2026年最新】

日本の永住権(永住者の在留資格)の取得条件、申請手続きの流れ、必要書類を2026年最新情報で解説。高度専門職ポイント制による短縮ルートや審査厳格化の最新動向も紹介。外国人の永住権申請を成功させる7つのポイントとは。
永住権の取得条件と申請方法【2026年最新】
日本で長期的に生活・就労を続けたい外国人にとって、永住権(永住者の在留資格)の取得は大きな目標の一つです。永住権を取得すれば、在留期間の制限がなくなり、就労制限もなくなるため、日本での生活の安定性が大幅に向上します。
しかし、2025年後期以降、入国管理局の審査が厳格化しており、以前は承認されていたケースが不許可になるケースも増えています。本記事では、2026年最新の永住権取得条件、申請手続きの流れ、必要書類、そして審査を通過するためのポイントを詳しく解説します。
永住権の基本的な仕組みについては、在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドも併せてご確認ください。
永住権とは?他の在留資格・帰化との違い
永住権(永住者の在留資格)とは、日本に無期限で在留できる資格のことです。通常の就労ビザとは異なり、在留期間の更新が不要で、職種や業種の制限もありません。
永住権と帰化の違い
| 項目 | 永住権(永住者) | 帰化(日本国籍取得) |
|---|---|---|
| 国籍 | 母国の国籍を維持 | 日本国籍に変更 |
| 在留期間 | 無期限(カード更新は7年ごと) | 制限なし |
| 選挙権 | なし | あり |
| パスポート | 母国のパスポート | 日本のパスポート |
| 再入国 | みなし再入国(1年)または再入国許可が必要 | 不要 |
| 取消リスク | 一定条件で取消の可能性あり | 原則なし |
| 審査期間 | 約10〜15ヶ月 | 約8〜12ヶ月 |
永住権は母国の国籍を維持したまま日本に永続的に住むことができるため、将来的に母国に戻る可能性がある方や、二重国籍が認められない国の方にとって最適な選択肢です。
在留資格全般については就労ビザ16種類の特徴と取得条件まとめで詳しく解説しています。
永住権の基本的な取得条件【3つの要件】
永住権の取得には、出入国在留管理庁のガイドラインに基づき、以下の3つの要件を満たす必要があります。
要件1:素行善良要件(品行方正であること)
申請者は法律を遵守し、日本の社会で非難されることのない生活を送っている必要があります。具体的には以下の点がチェックされます。
- 犯罪歴がないこと:刑事罰を受けていないことが原則
- 交通違反の状況:軽微な違反(駐車違反等)が数回程度であれば問題ないが、飲酒運転や重大な違反は不許可の原因に
- 税金の納付状況:住民税・所得税を期限内に納付していること
- 社会保険の加入状況:健康保険・年金に適正に加入・納付していること
税金や社会保険の詳細は税金・社会保険・年金の完全ガイドをご覧ください。
要件2:独立生計要件(経済的に自立していること)
申請者が独立した生計を営む十分な資産や技能を有し、将来的にも安定した生活が見込まれることが求められます。
- 年収の目安:概ね年収300万円以上が一つの目安(扶養家族の人数により変動)
- 安定した雇用:正社員や長期契約など、継続的な収入が見込めること
- 貯蓄・資産:ある程度の預貯金があることが望ましい
要件3:国益適合要件(日本の利益に合致すること)
以下の条件を満たすことが求められます。
- 原則10年以上の継続在留:日本に引き続き10年以上在留していること
- 就労資格での在留5年以上:10年のうち、就労資格または居住資格で5年以上在留していること
- 最長の在留期間を持っていること:現在の在留資格で最長の在留期間(通常5年または3年)を持っていること
- 公衆衛生上の問題がないこと:感染症等の問題がないこと
在留期間の特例・短縮ルート
10年の継続在留が基本ですが、以下のケースでは必要在留期間が短縮されます。
高度専門職ポイント制による短縮
高度専門職ビザのポイント制度を活用すると、永住権取得までの期間を大幅に短縮できます。
| ポイント数 | 必要在留期間 | 対象者の例 |
|---|---|---|
| 80点以上 | 1年 | 高収入のIT技術者、大学教授等 |
| 70点以上 | 3年 | 一定の学歴・年収のある専門職 |
| 70点未満 | 10年(通常) | 一般の就労ビザ保持者 |
高度専門職ポイントは、学歴、職歴、年収、年齢、研究実績、日本語能力などを総合的にポイント化して計算されます。例えば、修士号(20点)+年収500万円以上(15点)+30歳未満(15点)+JLPT N1(15点)のように加算していきます。
日本人の配偶者等の特例
配偶者ビザ・家族滞在ビザを持つ方には特例があります。
- 日本人の配偶者:実体を伴った婚姻生活が3年以上、かつ1年以上日本に在留
- 日本人の実子:1年以上日本に在留
- 定住者:5年以上継続して日本に在留
特定技能2号からの永住申請
2023年の制度改正により、特定技能ビザ2号からの永住権申請が可能になりました。特定技能2号で継続して在留し、他の要件を満たすことで永住申請ができます。
永住許可申請の必要書類一覧
永住権申請に必要な書類は、申請者の在留資格や状況により異なります。ビザ申請に必要な書類一覧と準備のコツも参考にしてください。
全申請者に共通する書類
- 永住許可申請書:入管庁のウェブサイトからダウンロード可能
- 写真(縦4cm×横3cm):3ヶ月以内に撮影したもの
- パスポート:原本を提示
- 在留カード:原本を提示
- 理由書:永住権を申請する理由を日本語で記載
- 身元保証書:日本人または永住者の保証人が必要
就労ビザからの申請の場合の追加書類
- 直近5年分の住民税課税証明書・納税証明書
- 直近2年分の国民健康保険料(税)納付証明書(国保の場合)
- 直近2年分の国民年金保険料領収書(国年の場合)
- 在職証明書
- 会社の登記事項証明書(役員の場合)
- 預貯金通帳の写し
- 了解書(2025年4月以降の新様式)
書類の準備は早めに始めることをおすすめします。特に納税証明書は過去5年分が必要なため、取得に時間がかかる場合があります。
申請手続きの流れと審査期間
申請の手順
- 必要書類の収集(1〜2ヶ月):各種証明書を市区町村役所、税務署等から取得
- 申請書の作成:永住許可申請書と理由書を作成
- 入管への申請:管轄の地方出入国在留管理局に書類を提出
- 追加書類の提出(必要に応じて):審査中に追加資料を求められることがある
- 結果通知:許可または不許可の通知を受領
- 在留カードの受領:許可の場合、新しい在留カードを受け取り
審査期間の目安
2025年の統計データによると、東京入管での処理時間は通常10〜15ヶ月です。ただし、申請内容や時期により異なり、最短5ヶ月で許可が下りたケースもあります。
申請手数料
- 2025年4月以降:許可時に10,000円(収入印紙で納付)
- 2027年度以降:約100,000円への引き上げが予定されている
手数料の大幅な引き上げが予定されているため、申請を検討している方は早めの準備をおすすめします。
2026年の制度変更と最新動向
2026年ビザ制度の最新変更点まとめでも解説していますが、永住権に関する制度は大きく変わりつつあります。
審査の厳格化
2025年以降の傾向として、以下の点で審査が厳しくなっています。
- 税金・社会保険の納付履歴:1日でも納付遅延がある場合、不許可リスクが高まる
- 住所や氏名のスペルの不一致:書類間の表記ゆれがマイナス評価に
- 在留状況の実態調査:実際の就労状況や居住実態の確認が厳格化
今後の変更予定
- 日本語能力の要件化:今後、永住許可に日本語能力の要件が追加される方向で検討中
- 生活オリエンテーションの義務化:永住者向けの生活講習が導入される可能性
- 手数料の引き上げ:2027年度までに約10万円への引き上げが予定
日本語学習については日本語能力と語学スキル向上ガイドを参考にしてください。
許可率の推移
統計データによると、2019年〜2024年の永住許可率は約84.3%(申請59,799件中50,421件承認)です。ただし、2025年以降は審査厳格化の影響で許可率が低下する可能性があります。
永住権申請を成功させる7つのポイント
永住権の審査を通過するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
1. 税金は必ず期限内に納付する
住民税と所得税の期限内納付が最重要ポイントです。過去5年分の納税記録がチェックされるため、納付遅延がある場合は修正が必要です。会社勤めの方は給与天引き(特別徴収)であれば問題ありませんが、普通徴収の場合は自分で期限内に納付する必要があります。
2. 社会保険・年金を適正に納付する
国民健康保険や国民年金の未納・滞納は不許可の大きな原因です。会社の社会保険に加入している場合は給与から天引きされますが、転職期間中などに未加入期間がないよう注意してください。
3. 出国日数に注意する
10年の継続在留期間中に長期出国がある場合、在留期間がリセットされる可能性があります。一般的には1回の出国が3ヶ月以上、年間の合計出国日数が100日以上の場合、継続在留と認められないリスクがあります。
4. 身元保証人を早めに確保する
日本人または永住者の身元保証人が必要です。身元保証人は連帯保証人ではなく、道義的な保証であるため、経済的なリスクはありません。職場の上司や知人などに早めに依頼しておきましょう。
5. 理由書を丁寧に作成する
永住権を申請する理由、日本での生活状況、将来の計画などを具体的に記載します。日本語で作成し、日本社会への貢献や定着の意思を明確に伝えることが重要です。
6. 書類の整合性を確認する
申請書類間で住所、氏名のスペル、日付などに不一致があると、マイナス評価の原因になります。提出前に全書類の内容を丁寧に照合してください。
7. 専門家への相談を検討する
永住権申請は複雑な手続きであるため、行政書士に依頼するメリットと費用相場を検討することもおすすめです。特に、不許可歴がある場合や、要件をギリギリ満たすようなケースでは、専門家のサポートが有効です。
永住権取得後の注意点
永住権を取得した後も、以下の点に注意が必要です。
- 在留カードの更新:永住者の在留カードは7年ごとに更新が必要
- 再入国許可:1年以内の出国はみなし再入国制度が利用可能、1年を超える場合は再入国許可が必要
- 永住権の取消:正当な理由なく1年以上出国した場合や、虚偽申請が発覚した場合、税金・社会保険の未納が続く場合に取消の可能性あり
- 届出義務:住所変更や勤務先変更は14日以内に届出が必要
永住権は取得したら終わりではなく、取得後も適切に管理し続けることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q: 永住権の申請中に転職しても大丈夫ですか?
A: 申請中の転職は不利に働く可能性があります。転職により年収が下がったり、勤続年数が短くなったりすると、審査に影響する場合があります。可能であれば、許可が下りるまで転職を控えることをおすすめします。転職・キャリアアップ戦略完全ガイドも参考にしてください。
Q: 家族も一緒に永住権を申請できますか?
A: はい、配偶者や子供も同時に永住権を申請できます。ただし、それぞれが個別に要件を満たす必要があります。家族の在留に関する詳細は家族と日本生活の完全ガイドをご覧ください。
Q: 不許可になった場合、再申請はできますか?
A: はい、再申請は可能です。不許可の理由を確認し、問題点を改善した上で再申請してください。不許可理由については在留資格の不許可理由と対策方法を参考にしてください。
Q: アルバイトや派遣社員でも永住権は取得できますか?
A: 原則として、安定した収入と継続的な雇用が求められるため、正社員の方が有利です。ただし、年収が十分にあり、長期的な雇用が見込める場合は、派遣社員でも許可される可能性はあります。
まとめ:2026年の永住権申請に向けて
永住権の取得は、日本で安定した生活を送るための重要なステップです。2026年現在、審査は厳格化の傾向にありますが、要件をしっかりと満たし、必要書類を丁寧に準備すれば、十分に取得可能です。
特に重要なのは以下の3点です。
- 税金・社会保険の期限内納付を徹底する
- 必要な在留期間を確保する(出国日数に注意)
- 書類の整合性を確認し、理由書を丁寧に作成する
将来的に日本語能力の要件が追加される可能性もあるため、早めの準備と日本語学習を並行して進めることをおすすめします。不安な点がある場合は、専門の行政書士に相談することで、よりスムーズな申請が可能になります。
日本での就職や在留資格全般については日本での就職活動完全ガイドもぜひご活用ください。
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