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介護・医療業界で働く完全ガイド

医療通訳の仕事内容と需要

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
医療通訳の仕事内容と需要

日本で医療通訳として働くための完全ガイド。仕事内容、必要な資格(医療通訳技能認定試験など)、平均年収546万円の詳細、需要が高い言語ランキング、キャリアパスまで徹底解説。外国人が活躍できる専門職の魅力を紹介します。

医療通訳の仕事内容と需要|外国人が日本で活躍できる専門職

日本の医療現場で、言葉の壁に悩む外国人患者と日本人医療者をつなぐ「医療通訳」という仕事をご存じでしょうか。訪日外国人や在日外国人の増加に伴い、医療通訳の需要は年々拡大しています。グローバル通訳サービス市場は2023年の42億ドルから2032年には97億ドルへの成長が予測されており、医療分野はその中でも特に成長著しい領域です。この記事では、医療通訳の具体的な仕事内容、必要な資格・スキル、年収、そして今後の需要について詳しく解説します。

医療通訳とは?基本的な役割を理解しよう

医療通訳とは、日本語で医療を受けることが困難な外国人患者と、日本人医療従事者の間に立ち、コミュニケーションの橋渡しをする専門職です。単なる言葉の翻訳にとどまらず、文化的背景や医療制度の違いも考慮しながら、患者が適切な医療サービスを受けられるようサポートします。

医療通訳が必要とされる場面は多岐にわたります。外来診察での問診から、入院時の説明、手術前の同意取得(インフォームド・コンセント)、リハビリの指導、退院後のケア説明まで、医療のあらゆるプロセスで通訳が求められます。

特に重要なのは、医療通訳が「正確さ」と「中立性」を求められる点です。通訳者は自分の意見を加えず、医師の説明と患者の訴えを忠実に伝える必要があります。これは一般の通訳とは異なる、医療通訳ならではの専門性です。

日本で医療通訳を目指す外国人の方は、まず日本での就職活動の基本)を理解しておくことが重要です。

医療通訳の具体的な仕事内容

医療通訳の業務は、大きく分けて以下のような内容があります。

外来診療での通訳

最も基本的な業務です。患者の受付から診察、検査、処方まで、外来診療の全過程で通訳を行います。具体的には以下のような場面があります:

  • 初診時の事務的サポート:通訳の必要性確認、受付案内、保険証の提示サポート
  • 問診票の記入補助:症状の聞き取り、アレルギーや既往歴の確認
  • 診察室での通訳:医師の診断・説明と患者の症状の相互通訳
  • 検査の説明:血液検査やレントゲンなどの検査手順と注意事項の通訳
  • 処方の説明:薬の服用方法、副作用、注意事項の通訳

入院・手術に関する通訳

より高度な医療知識と正確性が求められる業務です。

  • 入院手続きの説明:入院生活のルール、費用、必要書類の説明
  • 手術前のインフォームド・コンセント:手術の内容、リスク、代替療法の説明
  • 術後の経過説明:手術結果、回復の見通し、注意事項の通訳

遠隔医療通訳(リモート通訳)

近年急速に普及しているのが、電話やビデオ通話を使った遠隔通訳です。全国どこからでも対応可能で、緊急時の対応にも適しています。

通訳形態メリットデメリット適している場面
対面通訳非言語情報も伝えられる移動時間・コストがかかる手術説明、重要な診断
電話通訳24時間対応可能表情が見えない軽度の症状、予約確認
ビデオ通訳表情も見える、移動不要通信環境が必要外来診察、カウンセリング
AI通訳ツール即座に利用可能正確性に課題簡単な案内、補助的使用

医療通訳に興味がある方で、介護分野にも関心がある場合は、介護・医療業界で働く完全ガイドも参考になるでしょう。

医療通訳に必要な資格とスキル

資格について

日本には医療通訳に関する国家資格は存在しません。しかし、以下の民間資格を取得することで、就職や業務委託の場面で大きなアドバンテージとなります。

資格名実施機関対応言語受験条件特徴
医療通訳技能認定試験(基礎)日本医療教育財団英語・中国語TOEIC 665以上基礎レベルの認定
医療通訳技能認定試験(専門)日本医療教育財団英語・中国語TOEIC 785以上専門レベルの認定
医療通訳技能検定試験(2級)日本医療通訳協会英語・中国語・韓国語・ベトナム語特になし4言語対応
医療通訳技能検定試験(1級)日本医療通訳協会英語・中国語・韓国語・ベトナム語2級合格者最高レベル

資格取得やスキルアップに関する詳しい情報は、資格・スキルアップ完全ガイドをご覧ください。

必要なスキル

医療通訳に求められるスキルは語学力だけではありません。以下の能力が総合的に必要とされます:

  1. 高度な語学力:日本語と母国語の両方で医療用語を正確に使える能力
  2. 医療知識:解剖学、病理学、薬学などの基礎的な医療知識
  3. コミュニケーション能力:患者の不安に寄り添い、信頼関係を築く力
  4. 倫理観:守秘義務の遵守、中立的な立場の維持
  5. 緊急対応力:救急時など緊迫した場面でも冷静に対応できる能力
  6. 異文化理解力:患者の文化的背景を理解し、適切に橋渡しする力

語学力の向上については、日本語能力と語学スキル向上ガイドが参考になります。

医療通訳の年収と待遇

医療通訳の年収は、平均約546万円となっており、時給換算で約2,628円です。年収レンジは約404万円〜647万円と幅があり、経験やスキル、勤務形態によって大きく異なります。

雇用形態別の収入目安

雇用形態年収目安特徴
医療機関の常勤職員350万〜500万円安定した収入、福利厚生充実
通訳派遣会社の登録スタッフ300万〜450万円案件ごとの稼働、柔軟な働き方
フリーランス医療通訳400万〜700万円以上実力次第で高収入、不安定さあり
医療ツーリズムコーディネーター450万〜650万円通訳+コーディネート業務
遠隔医療通訳サービス300万〜500万円在宅勤務可能、全国対応

日本で働く外国人の給料・年収・待遇と比較すると、医療通訳は専門職として比較的高い水準にあります。

収入アップのポイント

医療通訳として高収入を目指すためには、以下の戦略が有効です:

  • 希少言語の習得:英語・中国語以外の言語(ベトナム語、ネパール語、ミャンマー語など)は供給が少なく、高単価になりやすい
  • 専門分野の特化:がん治療、心臓外科、精神科など特定分野に特化する
  • 複数の資格取得:医療通訳資格に加え、看護師資格や医療事務資格を持つと付加価値が上がる
  • 医療ツーリズム分野への参入:富裕層向け医療ツーリズムは高単価案件が多い

キャリアアップ全般については、転職・キャリアアップ戦略完全ガイドもご参照ください。

医療通訳の需要と将来性

現在の需要状況

日本における医療通訳の需要は、以下の要因により拡大を続けています

  • 在日外国人の増加:2024年末時点で在留外国人数は約340万人を超え、過去最高を更新
  • 訪日観光客の急増:インバウンド観光客の増加に伴い、急病や怪我で医療機関を受診するケースも増加
  • 医療ツーリズムの成長:日本の先進医療を求めて来日する外国人患者が増加
  • 多言語化の進展:対応言語が英語・中国語だけでなく、ベトナム語やネパール語など多様化

需要が高い言語

順位言語需要レベル主な背景
1中国語非常に高い在日中国人コミュニティの規模が最大
2ベトナム語非常に高い技能実習生・特定技能の急増
3英語高い観光客、駐在員、英語圏出身者
4ネパール語高い(急成長)留学生・労働者の急増
5韓国語中程度在日コリアンコミュニティ
6ポルトガル語中程度日系ブラジル人コミュニティ
7ミャンマー語中程度(成長中)難民・技能実習生の増加

都市部と地方の需要格差

外国人が多い都市部では医療通訳の需要が高い一方で、地方では案件自体が少ない傾向があります。ただし、遠隔通訳サービスの普及により、地方在住でも医療通訳として活躍できる機会は増えています。

地域別の就職事情については、地域別就職ガイドで詳しく解説しています。

医療通訳になるためのステップ

ステップ1:語学力の基盤を固める

まず、日本語能力試験(JLPT)N1レベル以上の日本語力が必要です。加えて、英語であればTOEIC 785点以上を目標としましょう。母国語が英語以外の場合でも、日本語力は必須です。

ステップ2:医療知識を学ぶ

語学力だけでは不十分です。以下の方法で医療知識を身につけましょう:

  • 医療通訳養成講座の受講:各地の自治体やNPOが開催する研修プログラム
  • 医療系オンラインコースの受講:解剖学や病理学の基礎を学べるコース
  • 医療用語集での自習:日本語・英語・母国語の医療用語を徹底的に暗記
  • 病院でのボランティア活動:現場の雰囲気を体験し、実践的なスキルを身につける

ステップ3:資格を取得する

前述の医療通訳技能認定試験や医療通訳技能検定試験に挑戦しましょう。資格は必須ではありませんが、取得することで信頼性が大幅に向上します。

ステップ4:実務経験を積む

  • 自治体の医療通訳派遣事業への登録:多くの自治体が医療通訳ボランティアや派遣制度を運営
  • 通訳派遣会社への登録:mediPhone、BRICK'sなどの医療通訳サービス会社
  • 病院への直接応募:外国人患者が多い大学病院や国際クリニック

就職活動の進め方は求人サイト・転職エージェント活用ガイドが役立ちます。

ステップ5:キャリアを発展させる

経験を積んだ後は、以下のようなキャリアパスが考えられます:

  • 医療通訳コーディネーター:通訳者の管理・調整を行う
  • 医療ツーリズムコーディネーター:外国人患者の受入れ全般を担当
  • 医療通訳養成講師:次世代の医療通訳者を育成
  • 医療翻訳者:文書翻訳(医学論文、治験関連文書など)にも対応
  • 国際医療支援のNGO/NPO:途上国での医療支援活動

医療通訳として働く際の注意点

守秘義務の徹底

医療情報は最もデリケートな個人情報です。通訳中に知った患者の病状、治療内容、個人情報は絶対に外部に漏らしてはいけません。

メンタルヘルスケア

医療現場では、重篤な病状の告知や終末期の患者への対応など、精神的に大きな負担がかかる場面があります。自身のメンタルヘルスを守るため、定期的なセルフケアやスーパービジョン(専門家による振り返り)を活用しましょう。

正確性と中立性の維持

通訳者は自分の意見や判断を交えず、あくまで正確な情報の橋渡しに徹する必要があります。医師と患者の間で「良かれ」と思って情報を省略したり付け加えたりすることは、重大な医療事故につながる可能性があります。

ビザの確認

外国人の方が医療通訳として日本で働くには、適切な在留資格が必要です。「技術・人文知識・国際業務」ビザが一般的ですが、詳しくは技術・人文知識・国際業務ビザの取得方法を確認してください。

日本で働く上での権利については、労働法・職場の権利ガイドも併せてお読みください。

まとめ:医療通訳は将来性のある専門職

医療通訳は、語学力と医療知識を活かして人の命と健康を支える、非常にやりがいのある専門職です。日本における需要は今後も拡大が見込まれ、特にベトナム語やネパール語などの希少言語を話せる人材は引く手あまたの状況です。

医療通訳を目指すために大切なポイントをまとめます:

  • 語学力+医療知識の両方を磨くことが不可欠
  • 民間資格を取得して信頼性を高める
  • 実務経験を積み、専門分野を持つことで高収入を目指せる
  • 遠隔通訳の普及により、地方在住でも活躍の場が広がっている
  • 年収は平均約546万円で、フリーランスとして独立すればさらに高収入も可能

日本の医療現場で外国人患者と医療者をつなぐ架け橋として、医療通訳のキャリアに挑戦してみてはいかがでしょうか。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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