福利厚生の種類と確認すべきポイント

日本で働く外国人向けに、法定福利厚生・法定外福利厚生の全種類を網羅的に解説。転職・就職時に確認すべきポイント、業界別の特徴、外国人が特に注目すべき福利厚生を詳しく紹介します。ビザサポートや日本語教育支援など、外国人特有の確認事項も徹底解説。
福利厚生の種類と確認すべきポイント【外国人が日本で働くための完全ガイド】
日本で働く外国人にとって、給料だけでなく「福利厚生」も企業選びの重要な判断材料です。福利厚生とは、企業が従業員に提供する給与以外の報酬やサービスのことで、生活の質を大きく左右します。しかし、母国とは制度が異なるため、どのような福利厚生があるのか、何を確認すべきかわからないという声も多く聞かれます。本記事では、日本の福利厚生の種類を網羅的に解説し、転職・就職時に確認すべきポイントを詳しくご紹介します。
福利厚生とは?基本的な仕組みを理解しよう
福利厚生とは、企業が従業員やその家族の生活を支援するために提供する、給与以外の報酬・サービスの総称です。日本では大きく分けて「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類が存在します。
法定福利厚生は法律で義務付けられているため、どの企業でも基本的に受けられます。一方、法定外福利厚生は企業が独自に設ける制度であり、会社によって内容が大きく異なります。2025年の調査では、社員が「あって良かった」と感じる福利厚生の1位は退職金制度(32.4%)、2位は特別休暇(42.7%)という結果が出ています(出典:いちラボ)。
外国人労働者の場合、在留資格の種類によって受けられる福利厚生が変わることはありませんが、雇用形態(正社員・契約社員・パートなど)によっては対象外となる制度もあるため注意が必要です。福利厚生について詳しく知ることは、給料・年収・待遇ガイドと合わせて、日本での就労生活を充実させる第一歩です。
法定福利厚生の種類と内容
法定福利厚生とは、法律によって企業に提供が義務付けられている福利厚生制度です。日本で正社員として働く場合、以下の制度が自動的に適用されます。
健康保険
日本では国民皆保険制度を採用しており、すべての居住者が健康保険に加入する義務があります。企業に勤める場合、「協会けんぽ」や「組合健保」に加入し、医療費の自己負担は原則3割です。保険料は給与に応じて決まり、企業と従業員で折半して負担します。外国人であっても、正社員や一定の条件を満たすパートタイマーは加入対象となります(参考:Asinta)。
厚生年金保険
厚生年金保険は、老齢・障害・死亡に対する年金給付を行う制度です。保険料は企業と従業員が折半で負担します。外国人の場合、帰国時に「脱退一時金」を受け取れる制度があるため、将来帰国する予定がある方も安心です。詳しくは税金・社会保険・年金の完全ガイドをご覧ください。
雇用保険
雇用保険は失業した場合に給付金を受けられる制度です。2022年度の失業給付支払額は約6,288億円に達しました。週20時間以上・31日以上の雇用見込みがある従業員が加入対象です。育児休業給付や教育訓練給付もこの保険に含まれます。
労災保険(労働者災害補償保険)
業務中や通勤中のケガ・病気に対して補償される保険です。保険料は全額企業負担で、従業員の負担はありません。外国人労働者も日本人と同様に労災保険の対象です。
介護保険
40歳以上の従業員が加入する保険で、介護が必要になった場合にサービスを受けられます。保険料は企業と従業員で折半します。
| 法定福利厚生 | 対象者 | 保険料負担 | 外国人の注意点 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 正社員、一定条件のパート | 企業と折半 | 在留期間中は加入義務 |
| 厚生年金 | 正社員、一定条件のパート | 企業と折半 | 帰国時は脱退一時金あり |
| 雇用保険 | 週20h以上・31日以上勤務 | 企業と折半 | 失業給付の受給可能 |
| 労災保険 | 全従業員 | 全額企業負担 | 国籍に関係なく適用 |
| 介護保険 | 40歳以上の従業員 | 企業と折半 | 40歳以上なら外国人も対象 |
法定外福利厚生の主な種類
法定外福利厚生は企業が任意で提供する制度です。企業の規模や業種によって内容は様々ですが、代表的なものを紹介します。
住宅関連の福利厚生
住宅手当や家賃補助は、日本の福利厚生の中でも特に人気が高い制度です。都市部では家賃が高額になるため、月額数万円の住宅手当は大きな生活支援となります。社員寮や社宅を提供する企業もあり、外国人にとっては来日直後の住居確保の面でも大きなメリットがあります。住居探しについては住居・生活インフラ完全ガイドも参考にしてください。
通勤手当
日本ではほとんどの企業が通勤にかかる交通費を支給します。電車・バスなどの公共交通機関の定期代、車通勤の場合はガソリン代が一般的です。月額上限が設けられている場合が多いですが、全額支給の企業も少なくありません。
退職金制度
退職金制度は、一定期間勤務した後に退職する際にまとまった金額を受け取れる制度です。2025年の調査で最も「あって良かった」と評価された福利厚生でもあります。外国人の場合、帰国に伴う退職でも受け取れるため、長期的な就労計画を立てる際の重要な要素です。
休暇制度
法定の有給休暇(年10日~20日)に加えて、企業独自の特別休暇を設ける会社もあります。代表的なものとして、慶弔休暇、リフレッシュ休暇、バースデー休暇、ボランティア休暇などがあります。外国人にとっては、母国への一時帰国のために長期休暇が取得できるかも重要なポイントです。
健康・医療関連
定期健康診断は法律で義務付けられていますが、人間ドックの費用補助やメンタルヘルスケアのカウンセリング制度などは企業独自のサービスです。スポーツジムの法人契約やフィットネス費用の補助を行う企業も増えています。
育児・介護支援
育児休業や介護休暇は法律で定められていますが、期間の延長や手当の増額など独自の制度を設ける企業もあります。企業内保育所の設置や、ベビーシッター費用の補助なども近年増加傾向にあります。家族と日本生活の完全ガイドも併せてご確認ください。
スキルアップ・教育支援
資格取得の費用補助、語学研修制度、セミナー参加費の支給など、従業員のスキルアップを支援する福利厚生です。外国人にとっては、日本語学習の支援制度がある企業は特に魅力的です。資格・スキルアップ完全ガイドで詳しい情報をご覧いただけます。
外国人が特に注目すべき福利厚生
外国人労働者が日本企業を選ぶ際に、特に注目すべき福利厚生があります。これらは日本人にとっては当たり前でも、外国人にとっては働きやすさを大きく左右する要素です。
ビザサポート・在留資格関連
在留資格の更新手続きの代行や、行政書士費用の負担をしてくれる企業があります。在留資格の種類や取得方法については在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドで詳しく解説しています。
日本語教育の支援
社内での日本語研修や、外部の日本語学校の学費補助を行う企業は、外国人社員の定着率が高い傾向にあります。日本語能力と語学スキル向上ガイドも参照してください。
住居サポート
来日時の住居探しサポート、保証人代行、引っ越し費用の補助など、外国人特有の住居問題を支援する企業があります。特に来日直後は保証人の問題や契約手続きの言語の壁があるため、これらのサポートは非常に重要です。
多言語対応の社内制度
就業規則や各種手続きの多言語対応、通訳・翻訳サービスの提供など、言語面でのサポート体制も確認すべきポイントです。
帰国支援
一時帰国休暇や航空券の補助、帰国時の退職手続きサポートなど、母国とのつながりを維持するための制度がある企業もあります。2024年には日本の労働力が過去最高の約6,960万人に達し、外国人労働者への福利厚生も充実する傾向にあります(参考:Japan Dev)。
| 外国人向け福利厚生 | 確認ポイント | 重要度 |
|---|---|---|
| ビザサポート | 更新手続き代行、費用負担の有無 | ★★★★★ |
| 日本語教育 | 社内研修の有無、外部学校の費用補助 | ★★★★★ |
| 住居サポート | 保証人代行、住居探し支援 | ★★★★☆ |
| 多言語対応 | 就業規則の翻訳、通訳サービス | ★★★★☆ |
| 帰国支援 | 一時帰国休暇、航空券補助 | ★★★☆☆ |
| 文化理解 | 宗教配慮、食事制限への対応 | ★★★☆☆ |
転職・就職時に福利厚生を確認する方法
福利厚生は求人票だけでは全容がわからないことが多いため、複数の方法で情報を収集しましょう。
求人票・企業ホームページで確認
まずは求人票に記載された福利厚生を確認します。ただし、求人票には代表的な制度しか記載されていないことが多いため、企業の公式サイトの採用ページや福利厚生ページも必ずチェックしましょう(参考:リクナビNEXT)。
面接時に質問する
面接では福利厚生について質問することは問題ありません。ただし、「福利厚生だけが志望動機」と思われないよう、業務内容やキャリアプランの質問とバランスよく聞くことが大切です。面接対策については面接対策・選考プロセス完全ガイドもご覧ください。
口コミサイトで実態を把握
OpenWork(旧Vorkers)やen Lighthouse(旧カイシャの評判)などの口コミサイトでは、実際に働いている社員の声を確認できます。制度はあっても実際には使いにくいケースもあるため、「利用実態」を確認することが重要です。
転職エージェントに相談
転職エージェントは企業の内部情報に詳しいため、求人票に記載されていない福利厚生の詳細を教えてもらえることがあります。外国人専門のエージェントもあるため、積極的に活用しましょう。求人サイト・転職エージェント活用ガイドで詳しく紹介しています。
福利厚生の確認で注意すべき落とし穴
福利厚生を確認する際、見落としがちな注意点を解説します(参考:キャリアパーク)。
適用条件の確認
「正社員のみ対象」「入社1年後から適用」「管理職は対象外」など、適用条件が限定されている場合があります。契約社員やパートタイムで働く場合は特に確認が必要です。
利用実績の確認
制度として存在していても、実際には利用しにくい雰囲気の職場もあります。有給休暇の取得率や育休の取得実績など、数値で確認できるものは積極的に確認しましょう。
法定外福利厚生の変更リスク
法定外福利厚生は企業の業績や経営方針の変更により、縮小・廃止される可能性があります。福利厚生だけを理由に転職先を選ぶのはリスクがあるため、総合的に判断することが大切です。2024年時点でフルタイム労働者の平均賃金は前年比3.8%上昇しており(参考:Multiplier)、基本給の水準も合わせて確認しましょう。
手当の課税・非課税の違い
住宅手当や通勤手当など、手当によって課税・非課税の扱いが異なります。額面上は同じでも、手取り額に差が出る場合があるため、税金の仕組みも理解しておくことが重要です。
業界別の福利厚生の特徴
業界によって福利厚生の傾向が異なります。自分が就職・転職を検討している業界の特徴を把握しておきましょう。
IT・テクノロジー業界
リモートワーク制度、フレックスタイム、最新PCの支給、書籍購入費補助など、柔軟な働き方を支援する制度が充実しています。外国人エンジニアの採用に積極的な企業も多く、ビザサポートや日本語教育の支援も手厚い傾向があります。IT・エンジニアとして日本で働く完全ガイドで詳しく紹介しています。
製造業
社員寮や社宅の提供、食堂の完備、各種手当(夜勤手当・危険手当など)が充実しています。特定技能ビザでの就労が多い業界でもあり、生活支援が手厚い企業が多いです。製造業・工場で働く完全ガイドもご覧ください。
飲食・サービス業
まかない(食事提供)、制服の支給、従業員割引など、業界特有の福利厚生があります。シフト制のため柔軟な働き方ができる一方、土日祝日の出勤が必要な場合も多いです。飲食・サービス業で働く完全ガイドを参考にしてください。
介護・医療業界
資格取得支援が充実しており、未経験からのキャリアアップが可能です。夜勤手当やシフト手当、研修制度なども整備されています。介護・医療業界で働く完全ガイドで詳細を確認できます。
| 業界 | 代表的な福利厚生 | 外国人向けサポート |
|---|---|---|
| IT・テクノロジー | リモートワーク、フレックス、PC支給 | ビザサポート充実、英語環境多い |
| 製造業 | 社員寮、食堂、各種手当 | 生活支援が手厚い |
| 飲食・サービス | まかない、従業員割引 | 日本語研修あり |
| 介護・医療 | 資格取得支援、夜勤手当 | 日本語教育支援あり |
| 商社・金融 | 退職金制度充実、住宅手当 | 海外研修制度あり |
まとめ:福利厚生を賢く活用して日本での生活を充実させよう
日本の福利厚生制度は、法定福利厚生と法定外福利厚生の2種類に分かれ、企業によって内容は大きく異なります。外国人労働者にとっては、ビザサポート、日本語教育、住居支援など、日本人とは異なる視点での確認が重要です。
転職・就職活動では、求人票だけでなく面接での質問、口コミサイト、転職エージェントなど複数の情報源を活用して、福利厚生の実態を把握しましょう。法定外福利厚生は変更の可能性もあるため、基本給や労働条件と合わせた総合的な判断が大切です。
日本での就職活動完全ガイドや転職・キャリアアップ戦略完全ガイドも参考にしながら、自分に合った企業を見つけ、日本での充実した働き方を実現してください。
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