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税金・社会保険・年金の完全ガイド

社会保険の扶養に入る条件と手続き

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
社会保険の扶養に入る条件と手続き

外国人が日本の社会保険で家族を扶養に入れるための条件・必要書類・手続き方法を詳しく解説。130万円の壁、106万円の壁、2026年4月の法改正情報まで。配偶者や子どもの扶養認定に必要な知識をまとめました。

社会保険の扶養に入る条件と手続き|外国人向け完全解説

日本で働く外国人にとって、社会保険の「扶養」制度は家族の医療費や年金負担を大きく軽減できる重要な仕組みです。配偶者や子どもを扶養に入れることで、家族の保険料を追加負担なく健康保険のカバーを受けられます。しかし、収入条件や必要書類など、理解しておくべきポイントが多くあります。

本記事では、外国人の方が社会保険の扶養に家族を入れるための条件、手続き方法、2026年の法改正情報まで詳しく解説します。税金・社会保険・年金の全体像と合わせてご確認ください。

社会保険の扶養制度とは?基本的な仕組み

社会保険の扶養制度とは、健康保険に加入している被保険者(本人)の家族が、一定の条件を満たすことで被扶養者として認定され、追加の保険料なしで健康保険の給付を受けられる制度です。

扶養に入ることで得られる主なメリットは以下の通りです。

  • 健康保険料の負担がゼロ:被扶養者は保険料を支払う必要がありません
  • 医療費の自己負担が3割:通常の被保険者と同様に医療サービスを受けられます
  • 国民年金の第3号被保険者:配偶者の場合、国民年金保険料の納付が免除されます(将来の年金受給権は確保)

外国人の場合でも、日本の会社で社会保険に加入していれば、条件を満たす家族を扶養に入れることができます。日本での給料・年収・待遇に関する情報も参考にしてください。

扶養に入れる家族の範囲と条件

社会保険の扶養に入れる家族は、被保険者との関係性によって条件が異なります。

扶養対象となる家族の範囲

同居不要(別居でもOK)同居が必要
配偶者(内縁関係含む)左記以外の3親等内の親族
子・孫内縁の配偶者の父母・子
兄弟姉妹内縁の配偶者死亡後の父母・子
父母・祖父母(直系尊属)

収入に関する条件

扶養に入るためには、以下の収入条件をすべて満たす必要があります。

条件項目基準
年間収入の上限130万円未満(月額約10万8,334円以下)
60歳以上・障害者の場合180万円未満
同居の場合被保険者の年収の2分の1未満
別居の場合被保険者からの仕送り額未満

注意点: 社会保険の収入計算には、交通費・通勤手当も含まれます。所得税の扶養控除とは計算方法が異なるため、税金に関するガイドで違いを確認しましょう。

日本国内居住要件

2020年4月から、被扶養者には原則として日本国内に住所を有することが求められています。ただし、以下の場合は例外として認められます。

  • 海外留学中の学生
  • 被保険者の海外赴任に同行する家族
  • 渡航目的その他の事情を考慮して日本に生活の基礎があると認められる者

外国人で母国に家族がいる場合は、この居住要件に特に注意が必要です。詳しくは在留資格・ビザの基礎知識も参照してください。

扶養に入るための手続き方法と必要書類

扶養に入る手続きは、勤務先を通じて行います。変更があった場合は5日以内に届出を行う必要があります。

手続きの流れ

  1. 勤務先の総務・人事部門に申告:被扶養者(異動)届を提出
  2. 必要書類の準備:下記参照
  3. 健康保険組合・年金事務所による審査:条件を満たしているか確認
  4. 被扶養者として認定:健康保険証が交付される

必要書類一覧

書類名備考
被扶養者(異動)届勤務先から入手
住民票(マイナンバー記載)2024年4月以降は必須
収入確認書類課税証明書、給与明細、確定申告書の写しなど
在留カードのコピー外国人の場合
戸籍謄本または婚姻証明書配偶者の場合(外国人は母国の公的書類+翻訳)
仕送り証明書別居の場合(送金明細書など)

外国人の方は、母国の書類に日本語翻訳を添付する必要がある場合があります。翻訳者の署名と連絡先を翻訳文に記載しましょう。履歴書・書類の書き方のガイドも書類作成の参考になります。

130万円の壁と106万円の壁を徹底解説

「年収の壁」は扶養制度を理解する上で最も重要なポイントです。

130万円の壁

被扶養者の年間収入が130万円以上になると、社会保険の扶養から外れ、自分で健康保険・厚生年金に加入する必要があります。具体的には、月収が継続的に10万8,334円を超えると扶養から外れる可能性があります。

収入に含まれるもの:

  • 給与(交通費・通勤手当を含む)
  • パート・アルバイト収入
  • 雇用保険の失業給付
  • 年金収入
  • 不動産収入

106万円の壁

以下の条件をすべて満たす場合、年収106万円(月額約8万8,000円)で社会保険の加入対象となります。

  • 従業員51人以上の企業で勤務
  • 週20時間以上の勤務
  • 月額賃金8万8,000円以上
  • 2ヶ月を超える雇用見込み
  • 学生ではない

パートやアルバイトで働く配偶者の方は、勤務先の企業規模を確認することが重要です。日本での就職活動ガイドで勤務条件の確認方法も解説しています。

年収の壁ごとの影響比較

年収の壁対象影響
103万円所得税所得税の課税開始
106万円社会保険(大企業)社会保険加入義務が発生
130万円社会保険(全体)扶養から外れ、自己加入が必要
150万円配偶者特別控除控除額が減少し始める

2026年の法改正で変わるポイント

2026年は社会保険の扶養制度に大きな変更があります。最新情報を把握しておきましょう。

2026年4月:被扶養者認定の判定方法変更

従来は過去の収入実績や将来の見込みを総合的に判断していましたが、2026年4月からは労働契約(労働条件通知書)に記載された年収見込みを基準に判定されるようになります(参考:Charlotte)。

主な変更点:

  • 残業代など一時的な収入は年間収入に含まなくてよい
  • 労働契約に明記された基本給・手当をベースに判断
  • 実際の収入が一時的に130万円を超えても、契約上の見込みが130万円未満なら扶養継続の可能性

この改正により、繁忙期の残業で収入が増えても扶養から外れにくくなります(参考:創業手帳)。

2026年10月:106万円の壁の撤廃

2026年10月からは賃金要件(月額8.8万円以上)が撤廃されます。これにより、収入の多少にかかわらず、週20時間以上働く短時間労働者は社会保険の加入対象となります(参考:クラウドサイン)。

企業規模の要件も段階的に撤廃が予定されており、今後はより多くの人が社会保険に加入する方向に進んでいます。外国人が活躍する業界トレンドでも最新の動向を確認できます。

扶養から外れた場合の対応方法

収入が増えて扶養から外れることになった場合の手続きと注意点を解説します。

扶養から外れる手続き

  1. 勤務先に「被扶養者(異動)届」を提出(5日以内)
  2. 被扶養者の健康保険証を返却
  3. 新たに自身の健康保険・厚生年金に加入、または国民健康保険・国民年金に加入

扶養を外れた場合の費用シミュレーション

項目扶養内(130万円未満)扶養外(150万円の場合)
健康保険料0円約7,500円/月
厚生年金保険料0円約13,700円/月
合計保険料0円約21,200円/月(年間約25万円)
手取り目安約130万円約125万円

この表からわかるように、年収130万円を少し超えた場合は、保険料負担により手取りが減少する「逆転現象」が起きる可能性があります。扶養を外れるなら、年収160万円以上を目指すのが一般的な目安です。給料・年収ガイドで詳しいシミュレーションを確認しましょう。

外国人が扶養手続きで注意すべきポイント

外国人特有の注意点をまとめます。

母国の家族を扶養に入れる場合

2020年4月以降、原則として日本国内に住所がない家族は扶養に入れません。ただし、以下の例外があります。

  • 留学中の子ども:査証、在学証明書で確認
  • 海外赴任帯同家族:赴任先企業の証明書で確認

母国に残した家族を日本の社会保険の扶養に入れたい場合は、来日して住民登録を行うことが基本的な条件となります。家族と日本生活の完全ガイドで家族の呼び寄せ方法を確認してください。

必要書類の注意点

  • 母国で発行された証明書には日本語翻訳が必要
  • 婚姻証明書は外務省のアポスティーユまたは在日大使館の認証が求められる場合がある
  • 在留カードの在留期間が短い場合、扶養認定が困難になることがある

在留資格と扶養の関係

配偶者が「家族滞在」の在留資格で来日する場合、就労には資格外活動許可が必要で、原則週28時間以内の就労制限があります。この制限を守っていれば、通常は130万円の壁を超えることはありません。就労ビザの種類在留資格ガイドも確認しましょう。

まとめ:扶養制度を正しく活用しよう

社会保険の扶養制度は、家族の保険料負担を軽減できる非常に有利な制度です。外国人の方は、以下のポイントを押さえて正しく活用しましょう。

  • 収入条件:年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)を確認
  • 居住要件:日本国内居住が原則(2020年4月以降)
  • 手続き期限:変更から5日以内に届出
  • 2026年の改正:4月に判定方法変更、10月に106万円の壁撤廃
  • 年収の壁:超える場合は160万円以上を目指すのが得策

不明な点は勤務先の総務部門や最寄りの年金事務所に相談しましょう。労働法・職場の権利ガイドでは、社会保険以外の労働者の権利についても詳しく解説しています。

参考リンク:

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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