特定技能の給与相場と待遇を業界別に解説

特定技能外国人の給与相場を業界別に徹底解説。介護・建設・製造業など全16分野の平均月給・年収データ、企業規模や地域による給与差、福利厚生・待遇のポイントを最新の統計データに基づいてまとめました。就職・転職活動に役立つ情報満載です。
特定技能の給与相場と待遇を業界別に解説
特定技能ビザで日本で働くことを検討している方にとって、最も気になるのが「実際にどれくらい稼げるのか」ではないでしょうか。特定技能外国人の平均月給は約211,200円(令和6年データ)で、前年比+6.7%と着実に上昇しています。しかし、業界によって給与水準は大きく異なります。
この記事では、特定技能16分野の給与相場を業界別に詳しく解説し、待遇面で知っておくべきポイントや注意点をまとめました。これから日本での就職を考えている方はもちろん、転職を検討している特定技能外国人の方にも役立つ内容です。
特定技能外国人の給与に関する基本ルール
特定技能の在留資格で働く場合、給与については法律で明確なルールが定められています。最も重要なのは「日本人と同等以上の報酬」を支払うことが義務づけられている点です。
具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
- 同じ業務に従事する日本人従業員と同等以上の賃金であること
- 各地域の最低賃金を必ず上回ること(違反した場合は最大50万円の罰金)
- 時間外労働(25%)、休日労働(35%)、深夜労働(25%)の割増賃金を適用すること
- 賞与や手当についても日本人と同等の条件で支給すること
これは「同一労働同一賃金」の原則に基づいており、国籍を理由とした賃金差別は認められません。もし給与面で不当な扱いを受けていると感じた場合は、労働法・職場の権利ガイドを確認してください。
業界別の給与相場一覧【最新データ】
特定技能の給与は業界によって大きく異なります。以下は主要分野の平均月給と年収の目安です。
| 業界分野 | 平均月給(万円) | 年収目安(万円) | 特定技能外国人数 |
|---|---|---|---|
| 介護 | 22.3 | 290〜330 | 約32,000人 |
| ビルクリーニング | 18.7 | 230〜270 | 約3,500人 |
| 素形材・産業機械・電気電子 | 21.5 | 270〜320 | 約42,000人 |
| 建設 | 23.0 | 300〜350 | 約25,000人 |
| 造船・舶用工業 | 22.0 | 280〜330 | 約8,000人 |
| 自動車整備 | 21.0 | 270〜310 | 約3,200人 |
| 航空 | 22.5 | 290〜340 | 約500人 |
| 宿泊 | 20.5 | 260〜300 | 約3,800人 |
| 農業 | 19.5 | 240〜280 | 約28,000人 |
| 漁業 | 19.0 | 230〜270 | 約2,500人 |
| 飲食料品製造業 | 20.0 | 250〜290 | 約74,500人 |
| 外食業 | 19.8 | 240〜280 | 約12,000人 |
※データは厚生労働省の賃金統計および各種調査を基に作成。実際の給与は企業規模・地域・経験により異なります。
飲食料品製造業が最も多くの特定技能外国人を受け入れており、約74,500人が働いています。一方、給与水準が最も高いのは建設業で、平均月給は約23万円です。
給与が高い業界トップ3とその理由
1. 建設業(平均月給:約23万円)
建設業は特定技能の中でも最も給与水準が高い分野の一つです。深刻な人手不足に加え、体力を必要とする作業が多いことが高賃金の理由です。また、残業や休日出勤が多い現場では、割増賃金が加算されるため、手取り額がさらに増える傾向があります。
建設業に興味がある方は、製造業・工場で働く完全ガイドも参考になります。
2. 航空業(平均月給:約22.5万円)
航空業は受け入れ人数が少ないものの、専門性の高さから比較的高い給与が設定されています。空港での地上業務や航空機整備など、専門スキルが求められる分野です。
3. 介護業(平均月給:約22.3万円)
介護分野は需要が非常に高く、平均月給は約223,000円となっています。夜勤手当やシフト手当が加算されるケースも多く、実質的な収入はさらに高くなることがあります。介護分野での就職を検討している方は、介護・医療業界で働く完全ガイドをご覧ください。
企業規模による給与差
特定技能外国人の給与は、勤務先の企業規模によっても大きく異なります。
従業員1,000人以上の大企業では平均月給が約263,000円と、全体平均の211,200円を大幅に上回っています。一方、中小企業では全体平均に近い、あるいはやや下回る水準になることが多いです。
大企業で働くメリットとしては以下が挙げられます。
- 基本給が高い
- 賞与(ボーナス)が年2回支給されることが多い
- 福利厚生(住宅手当、交通費全額支給、社員食堂など)が充実
- 昇給制度が明確で、キャリアアップの道筋がある
- 研修制度や資格取得支援がある
ただし、大企業は採用基準も高くなる傾向があるため、日本語能力の向上や専門スキルの習得が重要です。
給与以外の待遇・福利厚生
特定技能で働く際は、給与だけでなく待遇全体を確認することが大切です。
社会保険
日本で働くすべての外国人は、健康保険と厚生年金への加入が義務づけられています。保険料は給与から天引きされますが、医療費が3割負担になるなど大きなメリットがあります。詳しくは税金・社会保険・年金の完全ガイドをご確認ください。
住居支援
多くの企業では、社宅の提供や住宅手当の支給を行っています。特に地方の製造業や農業分野では、無料または低額の社宅が用意されているケースが多いです。住居・生活インフラ完全ガイドも参考にしてください。
有給休暇
入社後6ヶ月が経過し、80%以上の出勤率があれば、年10日間の有給休暇が付与されます。これは国籍に関係なく、すべての労働者に適用される権利です。
キャリアアップ支援
一部の企業では、日本語学校の学費補助、資格取得の費用負担、特定技能2号への移行支援なども行っています。長期的なキャリアを考えるなら、こうした支援制度の有無も企業選びの重要なポイントです。
給与交渉のポイントと注意点
特定技能外国人として働きながら、給与アップを目指すためのポイントを紹介します。
給与交渉の準備
- 業界の相場を把握する — この記事の給与テーブルや各種調査データを参考に、自分の業界の平均給与を確認しましょう
- 自分の実績を整理する — 勤続年数、取得した資格、担当業務の範囲など、具体的なアピールポイントをまとめます
- 日本語能力を向上させる — N2以上の日本語能力は、給与アップの大きな武器になります
注意すべきポイント
- 給与明細は毎月必ず確認し、残業代や手当が正しく支払われているか確認する
- 控除項目(税金、社会保険料、寮費など)の内容を理解する
- 不明な点があれば、登録支援機関や労働基準監督署に相談できる
- 給与の未払いや不当な控除は法律違反のため、泣き寝入りせず相談する
特定技能1号と2号の待遇の違い
特定技能には1号と2号があり、待遇面でも違いがあります。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 最長5年 | 更新上限なし |
| 家族帯同 | 不可 | 可能 |
| 給与水準 | 日本人同等以上 | より高い水準が多い |
| キャリア | 一般業務 | 管理・監督業務も可 |
| 永住権 | 取得困難 | 取得可能性あり |
特定技能2号は、より高度な技能が求められる分、給与水準も高くなります。長期的に日本で働き続けたい方は、特定技能ビザ完全ガイドで2号への移行条件を確認しましょう。
地域による給与差
日本では地域によって最低賃金が異なるため、同じ業界でも勤務地によって給与差が生じます。
- 東京都・神奈川県・大阪府 — 給与水準が最も高く、月給22〜25万円程度
- 愛知県・福岡県・北海道 — 中程度の水準で、月給20〜23万円程度
- 地方都市 — 給与は低めだが、家賃や生活費も安いため、実質的な生活水準は都市部と大きく変わらないことも
就職先を選ぶ際は、給与の額面だけでなく、生活費とのバランスを考慮することが重要です。給料・年収・待遇ガイドでより詳しい情報を確認できます。
まとめ
特定技能外国人の給与は業界や地域、企業規模によって大きく異なりますが、全体の平均月給は約211,200円で、前年比6.7%の上昇を見せています。特に建設業や介護業は給与水準が高く、人手不足を背景にさらなる待遇改善が期待されます。
就職・転職の際は、給与の額面だけでなく、社会保険、住居支援、キャリアアップ制度などの待遇全体を総合的に判断しましょう。また、「日本人と同等以上の報酬」は法律で保障されていますので、不当な待遇を受けた場合は必ず相談機関に連絡してください。
自分に合った業界や企業を見つけるために、日本での就職活動完全ガイドや求人サイト・転職エージェント活用ガイドも合わせてご活用ください。
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