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労働法・職場の権利ガイド【外国人向け】

妊娠・出産・育児に関する労働権利ガイド

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
妊娠・出産・育児に関する労働権利ガイド

日本で働く外国人向けに妊娠・出産・育児に関する労働権利を徹底解説。産前産後休業、育児休業、育児休業給付金、出産育児一時金、マタニティハラスメント防止、2025年法改正ポイントまで網羅した完全ガイドです。

妊娠・出産・育児に関する労働権利ガイド【外国人向け】

日本で働く外国人の方が妊娠・出産・育児を迎える際、どのような権利が法律で守られているかご存じですか?日本の労働法は、国籍に関わらずすべての労働者に対して、充実した母性保護制度と育児支援制度を定めています。本ガイドでは、産前産後休業から育児休業、各種給付金、そして2025年の法改正内容まで、外国人労働者が知っておくべき権利を詳しく解説します。

労働法・職場の権利ガイドと合わせて確認し、安心して妊娠・出産・育児と仕事を両立させましょう。

産前産後休業(産休)の基礎知識

産前産後休業は、労働基準法第65条に基づくすべての女性労働者の法的権利です。雇用形態や勤続年数に関係なく、パートタイムやアルバイト、外国人労働者も含めて全員が取得できます。

産前休業

出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得可能です。産前休業は本人の請求に基づいて取得する任意制度ですが、会社はこの請求を拒否することはできません。

産後休業

出産日の翌日から8週間は原則として就業禁止です。ただし、産後6週間を経過した後に本人が希望し、医師が支障ないと認めた業務については就業可能です。

項目産前休業産後休業
期間出産予定日の6週間前(多胎14週間前)出産日翌日から8週間
取得条件本人の請求が必要強制(6週間後は条件付きで就業可)
対象者すべての女性労働者すべての女性労働者
給与出産手当金(健康保険から支給)出産手当金(健康保険から支給)
外国人の適用在留資格・雇用形態問わず適用在留資格・雇用形態問わず適用

産休中は社会保険料が免除されるため、経済的な負担も軽減されます。

育児休業(育休)制度の詳細

育児休業は、育児・介護休業法に基づき、子どもが1歳になるまで取得できる制度です。男女問わず取得可能で、外国人労働者も雇用保険に加入していれば対象となります。

育休の取得条件

  • 同一事業主に引き続き1年以上雇用されていること(2022年4月から有期雇用者の一部要件緩和)
  • 子どもが1歳6か月になるまでに労働契約が満了しないこと

育休の延長

保育所に入所できない場合などは、1歳6か月、さらに2歳まで延長可能です。待機児童問題が深刻な地域では、この延長制度を活用する方が多くいます。

産後パパ育休(出生時育児休業)

2022年10月に創設された新制度で、子どもの出生後8週間以内に最大4週間の休業を取得できます。2回まで分割取得可能で、従来の育児休業とは別に取得できるため、父親は最大で育休を4回に分けて取得することも可能です。

給料・年収・待遇ガイドも参考にして、育休中の経済面を事前に計画しましょう。

出産・育児に関する給付金と手当

日本では妊娠・出産・育児に関して、複数の経済的支援制度が用意されています。外国人労働者も条件を満たせばすべて受給可能です。

給付金の種類支給額支給元主な条件
出産育児一時金1児につき50万円健康保険健康保険加入者
出産手当金標準報酬日額の約67%健康保険産休取得中の被保険者
育児休業給付金賃金の67%(180日後は50%)雇用保険雇用保険加入者
出生後休業支援給付金(2025年4月〜)賃金の13%上乗せ雇用保険夫婦14日以上育休取得
児童手当月額1万〜1.5万円自治体中学卒業まで

出産育児一時金

出産費用をカバーするため、健康保険から1児につき50万円が支給されます。直接支払制度を利用すれば、病院への支払いに直接充当されるため、退院時の自己負担を軽減できます。

育児休業給付金

育休中は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。最初の180日間は賃金の67%、それ以降は50%が原則2か月に1回支給されます。

2025年4月からの新制度として、夫婦がそれぞれ14日以上育休を取得した場合、13%が上乗せされ、最大で手取り10割相当(賃金の80%)が給付されます。これは育児・介護休業法の2025年改正の目玉施策です。

妊娠中の労働者保護制度

妊娠中の女性労働者には、安全に働き続けるための特別な保護措置が設けられています。

母性健康管理措置

  • 妊婦健診の時間確保:妊娠中は定期健診を受けるための時間を確保する義務が事業主にあります
  • 医師の指導に基づく措置:通勤緩和(時差出勤)、休憩時間の延長、作業制限などを事業主に求められます
  • 危険有害業務の制限:重量物の取扱い、有毒ガスの発生する場所での業務など、妊婦に有害な業務への就業は禁止されています

労働時間に関する保護

妊産婦が請求した場合、以下の措置が適用されます:

  • 時間外労働の免除
  • 休日労働の免除
  • 深夜業(午後10時〜午前5時)の免除
  • 変形労働時間制の適用制限

これらの権利は日本のビジネスマナー・文化ガイドで紹介しているような「遠慮」の文化に関わらず、積極的に主張すべきものです。

マタニティハラスメント(マタハラ)の防止

日本では、妊娠・出産・育児休業を理由とする不利益取扱いやハラスメントは法律で厳禁されています。

禁止される不利益取扱い

  • 妊娠・出産を理由とする解雇
  • 産休・育休の取得を理由とする降格・減給
  • 契約更新の拒否や雇い止め
  • 正社員からパートへの不当な身分変更

解雇制限

産前産後休業中および休業終了後30日間は、原則として解雇が禁止されています。この規定は外国人労働者にも等しく適用されます。

相談窓口

マタハラを受けた場合は、以下に相談できます:

  • 会社のハラスメント相談窓口
  • 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)
  • 労働基準監督署
  • 外国人労働者向け相談ダイヤル(多言語対応)

労働法・職場の権利ガイドで詳しいトラブル対処法を確認してください。

2025年の育児・介護休業法改正ポイント

2024年5月に改正法が成立し、2025年4月と10月に段階的に施行されます。外国人労働者にも影響する重要な変更点をまとめます。

2025年4月施行の改正内容

改正項目内容影響
育休取得状況の公表義務拡大従業員300人超の企業に義務化企業の育休取得実績が公開される
個別意向確認の義務化妊娠・出産の申出時に個別確認労働者の希望に配慮される
出生後休業支援給付金夫婦育休で給付金13%上乗せ手取り10割相当の給付
テレワーク努力義務3歳未満の子を持つ労働者在宅勤務の選択肢拡大

2025年10月施行の改正内容

3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者を対象に、事業主は以下の5つの選択肢から2つ以上を実施する義務があります:

  1. 始業時刻の変更(フレックスタイム制・時差出勤)
  2. テレワーク(月10日以上)
  3. 保育施設の設置運営等
  4. 養育両立支援休暇(年10日以上)
  5. 短時間勤務制度

この改正により、育児と仕事の両立がより柔軟になります。転職・キャリアアップ戦略ガイドで、育児と両立しやすい企業の見極め方も確認しましょう。

外国人労働者が知っておくべき申請手続き

産休・育休の各種申請は、正しい手順で行うことが重要です。ここでは主な手続きの流れを解説します。

産前産後休業の申請

  1. 妊娠がわかったら:上司に報告し、母子健康手帳を取得
  2. 出産予定日の6週間前まで:産前休業の開始日を会社に届け出
  3. 出産後:出産日と子どもの氏名を会社に届け出
  4. 出産手当金の申請:健康保険組合に申請書を提出

育児休業の申請

  1. 育休開始の1か月前まで:会社に「育児休業申出書」を提出
  2. 育児休業給付金の申請:ハローワークに「育児休業給付受給資格確認票」を提出(通常会社が代行)
  3. 必要書類

- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 - 育児休業給付受給資格確認票 - 母子手帳のコピー - 賃金台帳や出勤簿のコピー

外国人労働者への注意点

  • 申請書類は日本語で作成する必要があります。会社の人事部に支援を求めましょう
  • 在留資格の更新時期と産休・育休の時期が重なる場合は、早めに入管に相談してください
  • 育休中も在留資格は維持されますが、在留期限の更新手続きは忘れずに行いましょう
  • 税金・社会保険・年金ガイドを参照して、社会保険料免除手続きも確認してください

育児と仕事の両立支援制度

復職後も安心して働き続けるための制度が整備されています。

短時間勤務制度

3歳未満の子を養育する労働者は、1日の所定労働時間を6時間に短縮できる短時間勤務制度を利用できます。

所定外労働の免除

3歳未満の子を養育する労働者は、所定外労働(残業)の免除を請求できます。

子の看護休暇

小学校就学前の子を養育する労働者は、年間5日(2人以上は10日)の看護休暇を取得できます。子どもの病気やケガ、予防接種、健康診断の際に利用でき、時間単位での取得も可能です。

保育所の確保

日本では待機児童問題が存在するため、保育所の申込みは早めに行うことが重要です。自治体の窓口で入園申込みの時期や必要書類を確認しましょう。住居・生活インフラガイドも参考にして、保育所が充実しているエリアの情報を集めてください。

まとめ:安心して妊娠・出産・育児を迎えるために

日本の妊娠・出産・育児に関する労働権利は、外国人労働者にも等しく適用される充実した制度です。産前産後休業、育児休業、各種給付金を最大限に活用し、2025年の法改正による新制度もしっかり把握しておきましょう。

最も大切なポイント

  • 産休・育休は法的な権利であり、外国人でも取得できます
  • 出産育児一時金50万円、育休給付金最大80%(2025年4月〜)を活用しましょう
  • マタハラは法律違反です。困ったら労働局に相談してください
  • 在留資格の更新は育休中も忘れずに行いましょう

家族と日本生活の完全ガイドも合わせて読んで、日本での家族生活をより充実させてください。不安なことがあれば、求人サイト・転職エージェント活用ガイドで紹介している相談窓口も活用しましょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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