看護師として日本で働く方法【外国人向け】

外国人が日本で看護師として働くための3つのルート(養成所卒業・外国免許活用・EPA制度)を完全解説。必要な在留資格・ビザの種類、看護師国家試験の対策法、給与水準の実態、求人の探し方まで。看護助手や准看護師という現実的な選択肢も詳しく紹介します。
看護師として日本で働く方法【外国人向け完全ガイド】
日本の医療業界は深刻な人手不足に直面しており、外国人看護師への需要が年々高まっています。高齢化社会が進む日本では、看護師の確保が国家的な課題となっており、海外の医療人材に大きな期待が寄せられています。
しかし、外国人が日本で看護師として働くためには、資格取得、日本語能力、ビザの取得など、いくつかのハードルをクリアする必要があります。本記事では、外国人が日本で看護師として働くための具体的な方法、必要な資格、給与水準、そして成功するためのポイントを徹底的に解説します。
これから日本での看護師キャリアを目指す方は、ぜひ最後までお読みください。
外国人が日本で看護師として働く3つのルート
外国人が日本で看護師として活躍するためには、主に3つのルートがあります。それぞれの特徴を理解し、自分に最も適した方法を選びましょう。
ルート1:日本の看護師養成所を卒業する
日本国内の看護師養成所(看護専門学校や看護大学)に入学し、所定のカリキュラムを修了してから看護師国家試験を受験する方法です。授業や臨床実習はすべて日本語で行われるため、入学時点で日本語能力試験(JLPT)N2以上の語学力が求められます。
養成期間は専門学校で3年、大学で4年が一般的です。費用はかかりますが、日本の医療制度や専門用語を体系的に学べるメリットがあります。
ルート2:外国の看護師免許を活用して国家試験を受験する
すでに母国で看護師免許を取得している場合、厚生労働省の受験資格認定を受けた上で、日本の看護師国家試験に挑戦できます。国家試験はすべて日本語で出題されるため、高度な日本語力と医療専門用語の理解が不可欠です。
ルート3:EPA(経済連携協定)制度を利用する
EPA制度は、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国を対象とした特別な受け入れ制度です。母国で看護師資格を保有している方が候補者として来日し、日本の医療機関で働きながら国家試験合格を目指します。
日本語研修や受験対策のサポートが受けられる点が大きな魅力ですが、EPA看護師候補者の国家試験合格率は約10%前後と非常に低い現実があります。
看護師に必要な在留資格(ビザ)と取得条件
外国人が日本で看護師として合法的に働くためには、適切な在留資格(ビザ)を取得する必要があります。看護師に関連する在留資格は以下の通りです。
| 在留資格 | 対象者 | 在留期間 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 医療 | 看護師国家試験合格者 | 5年・3年・1年 | 日本の看護師免許取得 |
| 特定活動(EPA看護師) | EPA看護師候補者 | 最長4年(更新あり) | EPA対象3か国の出身者 |
| 特定技能1号(介護) | 看護助手・介護職 | 最長5年 | 技能試験・日本語試験合格 |
| 留学 | 看護学生 | 在学期間 | 看護養成所への入学許可 |
「医療」の在留資格は、日本の看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得した外国人に付与されます。この資格があれば、日本人看護師と同等の条件で就労できます。
在留資格の申請については、就労ビザの種類と取得条件も併せて確認してください。
看護師国家試験の概要と対策
看護師国家試験は毎年2月に実施され、合格率は日本人受験者全体で約90%ですが、外国人受験者は言語の壁から大きく下回ります。試験に合格するためには、計画的な準備が必要です。
試験の基本情報
- 試験科目:人体の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学、在宅看護論、看護の統合と実践
- 問題数:約240問(一般問題+状況設定問題)
- 試験時間:午前・午後の2部構成(各160分)
- 合格基準:相対基準(毎年変動)
外国人受験者のための対策ポイント
- 医療専門用語の習得:日常会話とは異なる医療用語を集中的に学ぶ
- 過去問演習:直近5年分の過去問を繰り返し解く
- 模擬試験の活用:本番形式の模擬試験で実践力を養う
- 日本語能力の強化:日本語能力の向上ガイドを参考に、JLPT N1レベルを目指す
EPA候補者の場合、受け入れ施設での学習支援やJICWELSによる研修プログラムが利用できます。
看護助手(看護補助者)として働く方法
看護師国家試験のハードルが高いと感じる方には、まず看護助手(看護補助者)として働く選択肢もあります。看護助手は医療行為こそできませんが、看護師をサポートする重要な役割を担います。
看護助手の仕事内容
- 患者の身の回りの世話(食事介助、入浴介助、排泄介助)
- ベッドメイキングや病室の環境整備
- 医療器具の消毒・準備
- 患者の移動補助
- 書類整理や事務作業の補助
看護助手は特別な資格が不要で、特定技能「介護」の在留資格で就労が可能です。日本の介護・医療業界での経験を積みながら、将来的に看護師資格取得を目指すステップとして活用できます。
外国人看護師の給与・待遇の実態
日本で看護師として働く場合の給与や待遇は、日本人看護師と同等であることが法律で定められています。外国人であることを理由に給与を低く設定することは認められていません。
| 項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 初任給(新卒) | 年収約300万〜350万円 |
| 平均年収(経験3〜5年) | 年収約400万〜500万円 |
| ベテラン看護師 | 年収約500万〜600万円以上 |
| 管理職・専門看護師 | 年収約600万〜800万円 |
| 夜勤手当 | 1回あたり8,000〜12,000円 |
| ボーナス | 年2回(基本給の3〜4ヶ月分) |
| 社会保険 | 健康保険・厚生年金・雇用保険加入 |
給与や福利厚生の詳細については、給料・年収・待遇ガイドをご覧ください。また、税金・社会保険・年金の仕組みについても事前に理解しておくことをおすすめします。
日本で看護師として成功するための5つのポイント
外国人看護師が日本の医療現場で活躍するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
1. 日本語力を徹底的に鍛える
医療現場では正確なコミュニケーションが命に関わります。JLPT N1の取得はもちろん、医療専門用語や日本のビジネスマナーも身につけましょう。患者やスタッフとの円滑なコミュニケーションが、信頼関係の構築に不可欠です。
2. 日本の医療制度を理解する
日本の医療制度は国民皆保険制度を基盤としており、母国の制度とは大きく異なる場合があります。保険制度、医療法、看護師の業務範囲などを事前に学んでおくことで、現場でのスムーズな適応が可能になります。
3. 継続的なスキルアップを目指す
日本では資格・スキルアップの機会が豊富です。認定看護師や専門看護師の資格取得、院内研修への積極的な参加を通じて、キャリアの幅を広げましょう。
4. 職場のチームワークを大切にする
日本の医療現場はチーム医療が基本です。医師、薬剤師、理学療法士など多職種との連携を意識し、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を徹底しましょう。
5. 生活基盤を整える
仕事に集中するためにも、住居・生活インフラの整備は重要です。住まい探しや銀行口座の開設、携帯電話の契約など、生活面の準備も計画的に進めましょう。
看護師の求人の探し方とおすすめの方法
日本で看護師の求人を探す方法はいくつかあります。効率的な求人サイト・転職エージェントの活用が成功への近道です。
おすすめの求人探しの方法
- 医療専門の転職サイト:看護roo!やマイナビ看護師など、看護師専門の求人サイトを活用する
- 外国人向け求人サイト:kedomoなど外国人材専門の紹介サービスを利用する
- ハローワーク:全国のハローワークで看護師求人を検索できる
- EPA受け入れ調整機関:JICWELS経由でEPA候補者として求人に応募する
- 知人・コミュニティ:ネットワーキング・コミュニティを活用して情報収集する
就職活動の全体的な流れや、履歴書の書き方、面接対策についても事前に準備しておくことをおすすめします。
准看護師という選択肢
看護師(正看護師)のほかに、准看護師という資格もあります。准看護師は都道府県知事が発行する免許で、看護師の指示のもとで看護業務を行います。
准看護師のメリット
- 養成期間が短い:2年間で資格取得が可能
- 入学要件が低い:中学校卒業が最低条件
- 日本語要件が緩い:JLPT N1の合格は必須ではない
- 学費の負担が軽い:正看護師養成に比べて費用が抑えられる
准看護師として経験を積みながら、正看護師の資格取得を目指すことも可能です。キャリアアップ戦略として、段階的に資格を取得していく方法も有効です。
よくある質問(FAQ)
Q1:母国の看護師資格は日本でそのまま使えますか?
いいえ、外国で取得した看護師資格は日本ではそのまま使えません。日本の看護師国家試験に合格し、日本の看護師免許を取得する必要があります。ただし、外国の看護師免許を持っている場合は、厚生労働省の受験資格認定を受けることで国家試験を受験できます。
Q2:日本語能力はどのレベルが必要ですか?
看護師として働くためには、最低でもJLPT N2、理想的にはN1レベルが必要です。国家試験はすべて日本語で出題されるため、医療専門用語を含む高度な日本語力が求められます。JLPT N2以上であれば、EPA制度の日本語研修が免除されます。
Q3:EPA制度以外の国からでも看護師になれますか?
はい、可能です。EPA制度はインドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国限定ですが、それ以外の国の方でも、日本の看護師養成所を卒業するか、外国の看護師免許を活用して国家試験に合格すれば、日本で看護師として働けます。
Q4:看護助手から看護師にステップアップできますか?
可能です。まず看護助手として日本の医療現場で経験を積みながら日本語力を高め、その後、看護師養成所に入学するか、母国の看護師免許を活用して国家試験に挑戦することができます。
まとめ:日本での看護師キャリアを実現するために
外国人が日本で看護師として働くことは、決して簡単ではありませんが、計画的に準備を進めれば十分に実現可能です。以下のステップを参考に、着実に目標に向かって進んでいきましょう。
- 自分に合ったルートを選ぶ(養成所卒業・外国免許活用・EPA制度)
- 日本語力を早期から鍛える(JLPT N2以上を目指す)
- 必要な在留資格を確認・申請する
- 国家試験対策を計画的に進める
- 生活基盤を整え、長期的なキャリアプランを描く
日本の医療業界は外国人看護師を歓迎しています。あなたの看護スキルと情熱を、日本の医療現場でぜひ発揮してください。
まずは日本での就職活動の全体像を把握し、一歩ずつ準備を始めていきましょう。
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