外国人がアパート・マンションを借りる方法

外国人が日本でアパート・マンションを借りる方法を徹底解説。必要書類、初期費用の相場、入居審査を通過するコツ、保証会社の活用法まで、外国人の賃貸契約に必要な情報を網羅した完全ガイドです。在留外国人の40%が経験する入居拒否への対策も紹介します。
外国人がアパート・マンションを借りる方法【完全ガイド】
日本で暮らす外国人にとって、住まい探しは最も重要な課題のひとつです。2023年末時点で在留外国人数は過去最高の3,410,992人に達し(出典)、東京都だけでも663,362人が暮らしています。しかし、日本の賃貸システムは独自のルールが多く、外国人の約40%が国籍を理由に入居審査で断られた経験があるという調査結果もあります。
本記事では、外国人がアパートやマンションを借りる際の具体的な手順から必要書類、審査を通すコツまで、詳しく解説します。これから日本で部屋探しをする方はぜひ参考にしてください。
アパートとマンションの違いを理解しよう
日本の賃貸物件を探す前に、まずアパートとマンションの違いを知っておきましょう。この違いは海外にはない日本独自の分類です。
| 項目 | アパート | マンション |
|---|---|---|
| 構造 | 木造・軽量鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造(RC)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) |
| 階数 | 2〜3階建てが多い | 4階建て以上が多い |
| 家賃 | 比較的安い | 比較的高い |
| 防音性 | やや低い | 高い |
| セキュリティ | 簡易的 | オートロック・管理人常駐など充実 |
| 設備 | 基本的な設備 | エレベーター・宅配ボックスなど充実 |
| 築年数 | 古い物件も多い | 比較的新しい物件が多い |
アパートは家賃が安いのが魅力ですが、防音性に劣ることがあります。マンションは設備やセキュリティが充実している反面、家賃が高めです。自分の予算と優先する条件に合わせて選びましょう。
部屋探しの流れ【ステップ別】
外国人が日本で部屋を借りるまでの一般的な流れは以下のとおりです。
ステップ1:物件情報を検索する
まずはインターネットで物件情報を検索しましょう。外国人向けの賃貸サイトとしては、以下のサービスが人気です。
- wagaya Japan:外国語対応が充実した専門サイト
- SUUMO:日本最大級の不動産ポータルサイト
- LIFULL HOME'S:物件数が豊富で条件検索が便利
- エイブル:外国人専用ページあり
- CHINTAI:外国人向け特集ページあり
物件探しのポイントとしては、通勤・通学時間、最寄り駅からの距離、周辺のスーパーやコンビニの有無などを確認しましょう。外国人向け賃貸サイトの使い方比較も合わせてご確認ください。
ステップ2:内見(内覧)をする
気になる物件が見つかったら、不動産会社に連絡して内見(物件の見学)を予約しましょう。内見では以下の点をチェックします。
- 日当たりや風通し
- 水回り(キッチン・風呂・トイレ)の状態
- 壁や床の傷や汚れ
- コンセントの数と位置
- 収納スペースの広さ
- 周辺の騒音レベル
ステップ3:入居申込みをする
物件を決めたら入居申込書を提出します。この段階で審査に必要な書類を準備しましょう。
ステップ4:入居審査を受ける
大家さんや管理会社による審査が行われます。通常1週間〜2週間かかります。
ステップ5:契約・入居
審査通過後、契約手続きを行い、初期費用を支払ってから鍵を受け取ります。
必要書類と準備するもの
外国人が賃貸契約をする際に必要な書類は以下のとおりです(参考:賃貸スタイル)。
| 書類 | 詳細 |
|---|---|
| 在留カード | 有効期限内のもの。コピーを求められることが多い |
| パスポート | 本人確認用。顔写真ページのコピー |
| 在職証明書 | 勤務先が発行する在籍を証明する書類 |
| 収入証明書 | 給与明細書(直近3ヶ月分)または源泉徴収票 |
| 住民票 | 市区町村役場で取得可能 |
| 印鑑 | 契約書への押印に必要(シャチハタ不可の場合あり) |
| 緊急連絡先 | 日本国内で連絡がとれる人の情報 |
| 保証人または保証会社 | 連帯保証人か保証会社の利用が必須 |
在留カードの残存期間が短い場合や、在留資格によっては審査が厳しくなる可能性があります。在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドで自分のビザの種類を確認しておきましょう。
初期費用の内訳と相場
日本の賃貸契約では、入居時にまとまった初期費用が必要です。一般的に家賃の4〜6ヶ月分が目安となります(参考:PLAZA HOMES)。
| 費用項目 | 相場 | 説明 |
|---|---|---|
| 敷金(しききん) | 家賃1〜2ヶ月分 | 退去時の原状回復費用に充てられる保証金。余れば返金される |
| 礼金(れいきん) | 家賃0〜2ヶ月分 | 大家さんへのお礼金。返金されない |
| 仲介手数料 | 家賃0.5〜1ヶ月分+税 | 不動産会社への手数料 |
| 前家賃 | 家賃1ヶ月分 | 入居月の翌月分の家賃を前払い |
| 火災保険料 | 15,000〜20,000円 | 2年契約が一般的 |
| 保証会社利用料 | 家賃0.5〜1ヶ月分 | 保証人の代わりに保証会社を利用する場合 |
| 鍵交換費用 | 15,000〜25,000円 | 防犯のためのセキュリティ費用 |
例えば家賃7万円の物件の場合、初期費用は約28万〜42万円になります。初期費用を抑えたい場合は、敷金・礼金ゼロの物件や、フリーレント(入居後一定期間の家賃無料)付きの物件を探すのもおすすめです。敷金・礼金・仲介手数料の仕組み解説でさらに詳しく解説しています。
入居審査を通過するためのポイント
外国人の賃貸審査で最も大切なのは、安定した収入の証明とコミュニケーション能力です。以下のポイントを押さえましょう(参考:アットホーム)。
収入面の証明
- 月収が家賃の3倍以上あることが目安
- 勤務先の在職証明書や給与明細を準備する
- 正社員の場合は審査に通りやすい傾向
日本語能力のアピール
- 基本的な日本語でのやり取りができると好印象
- 日本語に自信がない場合は、日本語ができる友人や同僚に同行してもらう
- 一部の不動産会社は多言語対応スタッフを配置している
保証人・保証会社の確保
日本の賃貸契約では連帯保証人が求められますが、外国人には難しい場合が多いです。その場合は賃貸保証会社を利用しましょう。保証会社の利用料は家賃の0.5〜1ヶ月分が相場です。保証人・保証会社の仕組みと選び方も参考にしてください。
その他のコツ
- 在留期間が長いほど審査に有利(1年以上の在留資格が望ましい)
- 会社契約(法人契約)にすると個人より審査が通りやすい
- 不動産会社に事前に外国人であることを伝え、外国人対応可能な物件に絞って探す
外国人が断られやすい理由と対策
調査によると、外国人の約40%が賃貸の入居審査で断られた経験があります(出典:nippon.com)。主な理由と対策を見ていきましょう。
言語の壁
問題:日本語でのコミュニケーションが取れないと、契約内容の理解やトラブル対応が難しいと判断される。
対策:多言語対応の不動産会社を利用する。外国人フレンドリーな不動産会社の見つけ方を参考に、外国語対応可能な会社を探しましょう。
文化の違いによるトラブル懸念
問題:ゴミの分別ルールや騒音に関する文化の違いによるトラブルが懸念される。
対策:日本の生活ルールを事前に学んでおくことをアピールしましょう。ゴミ分別と地域のルールや近所付き合いとマナーガイドを事前に確認しておくと安心です。
在留期間の不安
問題:在留期間が短いと、契約期間中に帰国してしまうリスクがある。
対策:在留カードの更新予定を伝えたり、勤務先からの在職証明書で長期滞在の予定を証明しましょう。
国土交通省も外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居を支援しており、多言語の「部屋探しのガイドブック」を公開しています(参考:国土交通省)。
賃貸契約で知っておくべき日本独自のルール
日本の賃貸契約には、海外にはない独自の慣習やルールがあります。事前に理解しておくことで、トラブルを防げます。
更新料(こうしんりょう)
一般的に2年ごとに契約更新があり、更新料として家賃1ヶ月分を支払う必要があります。更新のタイミングで退去する場合は、通常1〜2ヶ月前に退去の連絡が必要です。
原状回復義務
退去時に入居時の状態に戻す義務があります。壁に穴を開けたり、設備を破損した場合は修繕費用が敷金から差し引かれます。通常の生活による経年劣化は借主負担ではありません。
騒音ルール
日本の集合住宅では騒音トラブルが最も多い問題です。特に夜22時以降は静かにすることがマナーとされています。洗濯機の使用や楽器演奏にも時間制限がある場合があります。
ゴミ出しのルール
地域ごとに細かいゴミの分別ルールがあります。決められた曜日・時間に指定の場所に出す必要があり、ルール違反は近隣トラブルの原因になります。詳しくはゴミ分別と地域のルールをご覧ください。
ペット・楽器の制限
多くの物件でペット飼育不可や楽器演奏不可の条件があります。ペット可物件は選択肢が限られ、家賃も割高になる傾向があります。
外国人におすすめの物件の探し方
効率よく物件を見つけるためのおすすめの方法を紹介します。
外国人対応の不動産会社を利用する
多言語対応のスタッフがいる不動産会社を選ぶと、物件探しから契約まで安心です。外国人フレンドリーな不動産会社の見つけ方で詳しく解説しています。
会社や学校のサポートを活用する
勤務先や学校に住居サポートがある場合は積極的に活用しましょう。社宅・寮付き求人の探し方と選び方も選択肢のひとつです。
シェアハウスも選択肢に
初期費用を抑えたい場合や、日本語に自信がない場合は、シェアハウスがおすすめです。家具付き・保証人不要の物件が多く、入居のハードルが低いのが魅力です。シェアハウスの選び方と注意点も合わせてご確認ください。
エリアの相場を事前にチェック
地域によって家賃相場は大きく異なります。東京23区内でも、中心部と郊外では2〜3倍の差があることも。家賃の相場と地域別・間取り別の比較で住みたいエリアの相場を確認しましょう。
入居後に必要な手続き
物件の契約が完了したら、入居後に以下の手続きを行いましょう。
- 住民登録(転入届):引っ越し後14日以内に新しい住所の市区町村役場で届出が必要です。住民登録の手続きガイドを参考にしてください。
- 電気・ガス・水道の開通:入居前に電力会社・ガス会社・水道局に連絡して利用開始の手続きを行います。公共料金の手続きと支払い方法を参照。
- インターネット回線の契約:光回線やモバイルWi-Fiなど、用途に合わせて契約しましょう。
- 銀行口座の開設:家賃の振込用に日本の銀行口座が必要です。銀行口座の開設方法で手順を確認できます。
- 郵便物の転送届:前の住所から届く郵便物を新住所に転送する手続きを郵便局で行います。
引っ越し全体の流れは引っ越しの手続きと注意点チェックリストでまとめています。
まとめ
外国人が日本でアパートやマンションを借りるのは簡単ではありませんが、正しい準備と知識があればスムーズに進められます。以下のポイントを押さえて、理想の住まいを見つけましょう。
- 必要書類を事前に揃える(在留カード、収入証明書、在職証明書など)
- 保証会社の利用を検討する(連帯保証人が見つからない場合)
- 外国人対応の不動産会社を活用する
- 初期費用は家賃4〜6ヶ月分を準備する
- 日本の生活ルールを事前に学んでおく
日本の賃貸市場は過去5年間で年3〜7%上昇傾向にありますが、外国人向けのサポート体制も年々充実しています。住居・生活インフラ完全ガイドも合わせて参考にしながら、安心して新生活をスタートさせてください。
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