就労ビザ16種類の特徴と取得条件まとめ

就労ビザ16種類の特徴と取得条件まとめ
日本で外国人が働くためには、就労が認められた在留資格(いわゆる「就労ビザ」)を取得する必要があります。2024年末時点で外国人労働者数は過去最高の230万人を記録し、前年比12%増と急速に拡大しています。本記事では、日本の就労ビザ全16種類について、それぞれの特徴・取得条件・対象職種をわかりやすく解説します。
自分に合った在留資格を正しく選ぶことは、日本での就労を成功させる第一歩です。在留資格の基礎知識については在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドも合わせてご確認ください。
就労ビザとは?在留資格との違い
「就労ビザ」は正式な法律用語ではなく、一般的に就労が認められた在留資格を指す通称です。日本の入管法では「在留資格」という制度のもと、外国人が日本で行える活動が定められています。
就労ビザを取得するには、ほぼすべてのケースで在留資格認定証明書(COE: Certificate of Eligibility)の取得が必要です。これは日本の出入国在留管理庁が発行する事前審査書類で、雇用主側が代理申請するのが一般的です。
ビザと在留資格の違いについて詳しく知りたい方は、ビザと在留資格の違いを徹底解説をご覧ください。
就労ビザ16種類の一覧と分類
日本の就労ビザ16種類は、大きく専門的・技術的分野と特定分野に分類できます。以下の表で全体像を把握しましょう。
| No. | 在留資格 | 主な対象 | 在留期間 | 学歴・経験要件 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 外交 | 外交官・領事官 | 外交活動期間 | 特になし |
| 2 | 公用 | 国際機関職員 | 5年〜3ヶ月 | 特になし |
| 3 | 教授 | 大学教授・研究者 | 5年〜3ヶ月 | 大学教授相当 |
| 4 | 芸術 | 芸術家・音楽家 | 5年〜3ヶ月 | 実績必要 |
| 5 | 宗教 | 宗教活動従事者 | 5年〜3ヶ月 | 宗教団体派遣 |
| 6 | 報道 | 外国報道機関記者 | 5年〜3ヶ月 | 報道機関所属 |
| 7 | 高度専門職1号・2号 | 高度人材 | 5年〜無期限 | ポイント制70点以上 |
| 8 | 経営・管理 | 会社経営者・管理職 | 5年〜3ヶ月 | 資本金要件あり |
| 9 | 法律・会計業務 | 弁護士・会計士 | 5年〜3ヶ月 | 日本の資格必要 |
| 10 | 医療 | 医師・看護師・歯科医 | 5年〜3ヶ月 | 日本の免許必要 |
| 11 | 研究 | 研究者 | 5年〜3ヶ月 | 修士以上推奨 |
| 12 | 教育 | 学校教員・語学教師 | 5年〜3ヶ月 | 教育資格推奨 |
| 13 | 技術・人文知識・国際業務 | ITエンジニア・通訳・マーケティング | 5年〜3ヶ月 | 大卒or実務10年 |
| 14 | 企業内転勤 | 海外拠点からの転勤者 | 5年〜3ヶ月 | 1年以上在籍 |
| 15 | 興行 | 俳優・歌手・スポーツ選手 | 3年〜15日 | 実績必要 |
| 16 | 技能 | 外国料理人・パイロット等 | 5年〜3ヶ月 | 実務10年以上 |
最も取得者が多い「技術・人文知識・国際業務」ビザ
16種類の就労ビザの中で、最も取得者数が多いのが技術・人文知識・国際業務(通称:技人国ビザ)です。ITエンジニア、通訳・翻訳、マーケティング、貿易業務、デザイナーなど、幅広い職種がこの在留資格の対象となります。
取得条件
- 学歴要件:大学(短大含む)卒業、または日本の専門学校卒業
- 実務経験:大学を卒業していない場合、関連業務で10年以上の実務経験
- 職務内容との関連性:専攻分野や経験と従事する業務の関連性が重視される
- 報酬要件:日本人と同等以上の報酬
この在留資格について詳しくは、技術・人文知識・国際業務ビザの取得方法をご覧ください。
ITエンジニアとしての就職を検討している方には、IT・エンジニアとして日本で働く完全ガイドも参考になります。
注目の「特定技能」ビザ
人手不足が深刻な分野で外国人材を受け入れるために創設された特定技能ビザは、2024年3月に4分野(自動車運送業、鉄道、林業、木材産業)が追加され、合計16分野に拡大しました。
特定技能1号と2号の違い
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 最長5年(通算) | 更新制限なし |
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 日本語能力 | N4以上が目安 | 分野による |
| 家族帯同 | 原則不可 | 可能 |
| 対象分野 | 16分野 | 11分野 |
特定技能ビザの詳細や対象分野については、特定技能ビザ完全ガイド【16分野対応】で詳しく解説しています。
介護分野での特定技能については介護・医療業界で働く完全ガイド、飲食業分野については飲食・サービス業で働く完全ガイドもご覧ください。
参考:就労ビザ19種類を解説!取得条件,申請方法,有効期限まで
高度人材向け「高度専門職」ビザ
高度専門職ビザは、学歴・職歴・年収・年齢・日本語能力などをポイント化し、合計70点以上で取得できるビザです。通常の就労ビザより優遇された条件で日本に滞在できます。
高度専門職の3つの区分
- 高度学術研究活動(1号イ):大学教授、研究者向け
- 高度専門・技術活動(1号ロ):エンジニア、専門職向け
- 高度経営・管理活動(1号ハ):経営者、管理職向け
主な優遇措置
- 複合的な在留活動の許容
- 在留期間「5年」の付与
- 永住許可要件の緩和(最短1年)
- 配偶者の就労許可
- 親の帯同(一定条件下)
- 家事使用人の帯同
80点以上の「スーパー高度人材」であれば、最短1年で永住権を取得できる特例もあります。
参考:日本の就労ビザ完全ガイド
「経営・管理」ビザの最新動向
外国人が日本で会社を設立・経営するための経営・管理ビザは、2025年10月から大きな制度変更が予定されています。
2025年の制度変更点
- 資本金要件:500万円 → 3,000万円に大幅引き上げ
- 従業員要件:常勤従業員1名以上の雇用が必須
- 日本語要件:JLPT N2レベル(B2相当)の日本語能力が必要
これにより、経営・管理ビザの取得ハードルは大幅に上がります。起業を検討している方は、起業・フリーランスとして日本で働くガイドで詳しい情報をご確認ください。
「技能」ビザの対象職種
技能ビザは、産業上の特殊分野において高度な技能を持つ外国人が対象です。以下の9職種が該当します。
- 外国料理の調理師(実務経験10年以上)
- 建築技術者(特定の建築様式)
- 製品の製造・修理(外国特有のもの)
- 宝石・貴金属・毛皮の加工
- 動物の調教
- 石油探査・海底地質調査
- 航空機の操縦
- スポーツの指導
- ワインの鑑定・評価(ソムリエ:5年以上の経験)
なお、外国料理の調理師が最も取得者数が多く、中華料理・インド料理・フランス料理などの専門料理人が多数来日しています。
就労ビザ取得の基本的な流れ
就労ビザの申請から取得まで、一般的に以下のステップを踏みます。
ステップ1:雇用契約の締結
日本の企業と雇用契約を結びます。在留資格に適合した業務内容であることが前提です。
ステップ2:在留資格認定証明書(COE)の申請
雇用主が代理人として、出入国在留管理局にCOEの交付を申請します。審査期間は通常1〜3ヶ月です。
ステップ3:ビザ(査証)の申請
COEが交付されたら、本国の日本大使館・領事館でビザを申請します。通常5営業日〜2週間程度で発給されます。
ステップ4:入国・在留カードの受領
日本に入国後、空港で在留カードが交付されます。入国後14日以内に市区町村役場で住所届出を行います。
在留資格の変更手続きについては、在留資格の変更手続き完全マニュアルで詳しく解説しています。
2024〜2025年の最新制度変更
就労ビザ制度は近年、大きな変化が続いています。主な変更点をまとめました。
デジタルノマドビザの新設(2024年)
2024年に新設されたデジタルノマドビザは、海外企業に勤めながら日本でリモートワークができる在留資格です。最長6ヶ月の滞在が可能で、年収1,000万円以上が要件となっています。
ビザ手数料の値上げ(2025年〜)
2025年からビザ更新手数料が4,000円から6,000円に値上げされました。さらに2026年度には在留資格変更が約40,000円、永住許可が約100,000円と、大幅な値上げが予定されています。
特定技能の分野拡大
特定技能の対象分野は今後も拡大が見込まれています。製造業や建設業での人手不足は依然として深刻で、外国人材の受け入れ拡大は国の重要政策となっています。
最新の業界トレンドについては外国人が活躍する業界トレンド【2026年版】もご参照ください。
自分に合った就労ビザの選び方
多くの外国人にとって、16種類の就労ビザの中から自分に最適なものを選ぶのは簡単ではありません。以下のポイントを参考に、自分に合った在留資格を見つけましょう。
チェックポイント
- 学歴:大学卒業以上か、専門学校卒業か
- 実務経験:何年の関連業務経験があるか
- 日本語能力:JLPTの取得級はN何レベルか
- 職種:希望する仕事の内容は何か
- 雇用形態:会社員か、経営者か、フリーランスか
日本語能力の向上については日本語能力と語学スキル向上ガイド、日本での就職活動全般については日本での就職活動完全ガイドをご活用ください。
まとめ
日本の就労ビザは全16種類あり、それぞれ対象職種・取得条件・在留期間が異なります。最も取得者が多い「技術・人文知識・国際業務」をはじめ、人手不足分野向けの「特定技能」、高度人材向けの「高度専門職」など、外国人の多様な働き方に対応した制度が整備されています。
2024年〜2025年には経営・管理ビザの要件強化やデジタルノマドビザの新設など、制度の大きな変化も続いています。自分のキャリアプランに最適な在留資格を選び、正しい手続きで取得することが、日本での就労成功の鍵です。
在留資格の全体像を把握したい方は、在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドも併せてお読みください。給料や待遇面については給料・年収・待遇ガイド【外国人向け】で詳しく解説しています。
関連記事

2026年ビザ制度の最新変更点まとめ
2026年の日本のビザ制度の最新変更点を網羅的に解説。ビザ手数料の大幅値上げ、永住許可の取り消し制度、経営管理ビザの厳格化、育成就労制度の創設など、外国人労働者と企業が知っておくべき重要な変更点をまとめています。
続きを読む →
行政書士に依頼するメリットと費用相場
行政書士にビザ申請を依頼するメリットと費用相場を徹底解説。在留資格認定10万円〜、更新3万〜6万円など種類別の料金一覧や、失敗しない行政書士の選び方7つのポイントを紹介。初めてのビザ申請や就労ビザの取得を検討している外国人の方に役立つ情報をまとめました。
続きを読む →
オーバーステイのリスクと対処法
日本でオーバーステイ(不法滞在)になった場合のリスクと対処法を徹底解説。退去強制の刑事罰・行政処分、出国命令制度の活用方法、在留特別許可の可能性、2024年入管法改正のポイントまで、外国人が知るべき情報を網羅します。
続きを読む →
在留資格の不許可理由と対策方法
在留資格が不許可になる主な理由TOP5と、再申請で許可を得るための具体的な対策方法を解説。書類不備、学歴と業務の不一致、在留状況の問題など、よくある不許可パターンと改善策を紹介します。専門家への相談タイミングや費用の目安も。
続きを読む →
ワーキングホリデービザの申請と活用ガイド
ワーキングホリデービザの申請条件、必要書類、人気の渡航先比較、費用、現地での仕事の探し方まで徹底解説。2024年の制度改正で生涯2回参加可能な国も増え、31カ国・地域と協定を締結。渡航前の準備から帰国後のキャリア活用まで完全ガイド。
続きを読む →
J-Findビザ(就職活動ビザ)の活用法
J-Findビザ(未来創造人材制度)の申請条件、必要書類、活用方法を徹底解説。世界トップ100大学卒業生が日本で最長2年間、就職活動や起業準備を行うための在留資格について、実践的なアドバイスとともに紹介します。
続きを読む →