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特定技能ビザ完全ガイド【16分野対応】

建設分野の特定技能ガイド【需要増加中】

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
建設分野の特定技能ガイド【需要増加中】

建設分野の特定技能制度を徹底解説。土木・建築・ライフライン設備の3つの業務区分、取得要件、試験内容、受入れ企業の準備事項、特定技能2号へのキャリアアップまで、外国人労働者と企業の双方に役立つ最新情報をガイドします。

建設分野の特定技能ガイド【需要増加中】

日本の建設業界では深刻な人手不足が続いており、2025年1月の調査では正社員が不足していると答えた企業は70.4%にのぼります。こうした背景から、外国人材の受け入れが急速に拡大しており、建設分野の特定技能ビザを取得して日本で働く外国人労働者の数は増加の一途をたどっています。

本記事では、建設分野における特定技能制度の全体像から、業務区分、取得要件、受け入れ企業側の準備、キャリアアップの道筋まで、外国人労働者と受入れ企業の双方に役立つ情報を徹底解説します。特定技能ビザの基本についてまだ理解していない方は、まず基礎知識を確認することをおすすめします。

建設分野の特定技能制度とは

特定技能制度は、2019年4月に新設された在留資格で、人手不足が深刻な14分野(現在は16分野)で外国人労働者の受け入れを可能にする制度です。建設分野は、この特定技能制度の中でも特に需要が高い分野の一つです。

2025年1月時点で、建設分野の特定技能1号の在留者数は39,253人、特定技能2号は241人となっています。この数字は年々増加しており、建設業界における外国人材のニーズの高さを示しています。

建設分野の特定技能には他の分野にはない特徴があります。それは、国土交通省が所管する独自の仕組みが設けられている点です。受入れ企業は建設技能人材機構(JAC)への加入が義務付けられており、また「建設特定技能受入計画」の認定を受ける必要があります。

3つの業務区分を徹底解説

2022年8月の閣議決定により、建設分野の業務区分はそれまでの19区分から3つの大区分に統合されました。この統合によって、より幅広い業務に従事できるようになり、外国人材の活躍の場が広がっています。

業務区分主な業務内容具体的な作業例
土木土木施設の新設・改築・維持・修繕掘削、舗装、コンクリート施工、トンネル工事
建築建築物の新築・増築・改築型枠施工、鉄筋施工、内装仕上げ、左官
ライフライン・設備電気・ガス・水道等の設備工事配管、電気通信、空調設備、防水施工

土木区分

土木区分では、道路やダム、橋梁、トンネルなどの土木構造物に関する工事を行います。コンクリート打設、掘削作業、舗装工事など多岐にわたる業務が含まれます。日本のインフラ整備や老朽化対策に伴い、安定した需要が見込まれる分野です。

建築区分

建築区分は、ビルや住宅、商業施設などの建築物に関する工事を担当します。型枠の組み立て、鉄筋の加工・組立、外壁仕上げ、内装工事など、建物の骨組みから仕上げまで幅広い作業が対象です。

ライフライン・設備区分

電気配線、配管工事、空調設備の設置・メンテナンスなど、生活に欠かせないインフラ設備の工事を行います。技術の専門性が高く、資格取得によるスキルアップも期待できる分野です。

特定技能1号の取得要件と試験

建設分野で特定技能1号を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。

技能試験の合格

建設分野特定技能1号評価試験に合格するか、技能検定3級以上に合格する必要があります。試験はPrometric社が実施しており、日本国内だけでなく海外でも受験可能です。試験内容は業務区分ごとに異なり、実技と学科の両方が出題されます。

日本語能力の証明

日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格する必要があります。建設現場では安全管理が極めて重要であるため、作業指示を理解できるレベルの日本語力が求められます。日本語能力の向上については別記事で詳しく解説しています。

その他の基本要件

  • 18歳以上であること
  • 健康であること
  • 在留資格の欠格事由に該当しないこと
  • 技能実習2号を良好に修了している場合は試験免除も可能
要件項目特定技能1号特定技能2号
技能試験評価試験 or 技能検定3級評価試験 or 技能検定1級
日本語試験JLPT N4以上 or JFT-Basic不要
実務経験不要(試験合格で可)3年以上の班長経験(約645日)
在留期間通算5年まで上限なし(更新可能)
家族帯同不可可能(配偶者・子)
永住権申請原則不可要件を満たせば可能

受入れ企業が準備すべきこと

建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、他の分野より多くの手続きが必要です。企業側の準備について詳しく見ていきましょう。

JAC(建設技能人材機構)への加入

受入れ企業は、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)に加入することが義務付けられています。JACは建設分野の特定技能外国人の適正な受入れを推進するための組織です。

  • 正会員:年会費36万円(建設業団体が会員の場合)
  • 賛助会員:年会費24万円(個別企業として加入する場合)

建設特定技能受入計画の認定

国土交通省に対して「建設特定技能受入計画」を申請し、認定を受ける必要があります。審査期間は標準で約2ヶ月ですが、書類の修正対応なども含めるとさらに時間がかかるケースがあります。計画には以下の内容が含まれます。

  • 外国人労働者の報酬額(日本人と同等以上であること)
  • 就労場所と業務内容
  • 安全衛生教育の計画
  • 建設キャリアアップシステムへの登録

報酬設定の注意点

特定技能外国人の報酬は、日本人と同等以上の水準に設定しなければなりません。基本給だけでなく、毎月固定的に支払われる手当も含めて日本人従業員と比較されます。給与・待遇についてはこちらの記事も参考になります。

受け入れに伴う費用

建設分野は他の分野と異なり、受け入れ企業が毎月「受け入れ負担金」を支払う必要があります。これに加えて登録支援機関への委託費用なども発生するため、実質的なコストは日本人を雇用する場合より高くなるのが一般的です。

特定技能2号へのキャリアアップ

特定技能1号から2号へのステップアップは、建設分野で長期的にキャリアを築きたい外国人労働者にとって重要な目標となります。

特定技能2号の取得要件

  1. 建設分野特定技能2号評価試験に合格する、または国家技能検定1級に合格すること
  2. 3年以上の班長(現場監督)経験があること(約645日の実務日数)

特定技能2号を取得すると、以下のメリットがあります。

  • 在留期間の上限がなくなる(更新を続ける限り日本で働き続けられる)
  • 家族帯同が可能になる(配偶者と子どもを日本に呼べる)
  • 将来的に永住権の申請も視野に入る

2025年1月時点で特定技能2号の建設分野在留者は241人とまだ少数ですが、今後制度の普及とともに増加が見込まれます。キャリアアップ戦略についてもチェックしてみてください。

技能実習からの移行ルート

建設分野では、技能実習2号を良好に修了した場合、特定技能1号の技能試験と日本語試験が免除されるルートがあります。これは多くの外国人労働者が活用している重要な移行パスです。

移行のメリット

  • 試験準備の負担がない
  • すでに日本の建設現場での実務経験がある
  • 同一企業での継続雇用も可能
  • 在留資格の変更手続きで対応できる

企業側の転職対策

特定技能は技能実習と異なり、転職が自由に認められている制度です。そのため、受入れ企業は人材の定着に向けた取り組みが求められます。

マイナビグローバルの調査によると、技能実習期間中に自社への愛着を育む教育やレクリエーションを行うことで、特定技能への移行後の転職リスクを大幅に低減できるとされています。

建設分野で働く際の安全管理と労働条件

建設現場は危険を伴う作業が多いため、安全管理は特に重要です。

安全衛生教育

受入れ企業は、外国人労働者に対して母国語または理解できる言語で安全衛生教育を実施する義務があります。具体的には以下の内容が含まれます。

  • 作業前の安全確認手順(KY活動)
  • 保護具の正しい使用方法
  • 緊急時の対応手順
  • 季節に応じた対策(熱中症予防、凍結対策)

労働条件の保護

特定技能外国人の労働法上の権利は日本人と同等に保護されます。労働時間、休日、残業手当、社会保険など、すべて日本の労働法規に基づいて適用されます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)

建設分野で働く特定技能外国人は、建設キャリアアップシステムへの登録が義務付けられています。このシステムにより、技能者の就業履歴や保有資格が記録・蓄積され、適正な評価につながります。

まとめ:建設分野の特定技能は将来性のあるキャリア選択

建設分野の特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するために設計された制度であり、外国人労働者にとっても大きなチャンスとなっています。

ポイントの整理:

  • 業務区分は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分
  • 特定技能1号は通算5年、2号は在留期間の上限なし
  • 受入れ企業はJAC加入と受入計画の認定が必須
  • 技能実習2号からの移行ルートは試験免除の大きなメリット
  • 日本人と同等以上の報酬が保障される

在留資格やビザの基礎知識を理解した上で、建設分野での特定技能取得を目指してみてはいかがでしょうか。日本での就職活動ガイドも合わせて参考にしてください。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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