老人ホーム・介護施設で働く方法

外国人が日本の老人ホームや介護施設で働くための完全ガイド。在留資格「介護」「特定技能」「技能実習」「EPA」の4種類の制度比較、施設の種類と特徴、求人の探し方、給与・待遇、キャリアアップの方法まで徹底解説します。
老人ホーム・介護施設で働く方法【外国人向け完全ガイド】
日本では高齢化が急速に進み、介護人材の不足が深刻化しています。2025年時点で日本の人口の約30%が65歳以上であり、2040年までに約280万人の介護士が必要とされていますが、約69万人が不足すると予測されています。こうした背景から、外国人介護人材への需要が急増しており、老人ホームや介護施設は外国人にとって非常に有望な就職先となっています。
この記事では、外国人が日本の老人ホーム・介護施設で働くための方法を、在留資格の選び方から就職活動のコツまで徹底解説します。
外国人が介護施設で働くための4つの在留資格
外国人が日本の介護施設で合法的に働くためには、適切な在留資格を取得する必要があります。介護分野で就労可能な在留資格は主に4種類あり、それぞれ条件や期間が異なります。
1. 在留資格「介護」
介護福祉士の国家資格を取得した外国人が対象の在留資格です。在留期間の更新に制限がなく、長期的に日本で働くことができます。介護福祉士養成施設(専門学校等)を卒業して資格を取得するルートが一般的です。
2. 特定技能1号「介護」
2019年に新設された在留資格で、技能試験と日本語試験に合格すれば取得できます。最長5年間の就労が可能で、2025年4月からは訪問介護も解禁されました。幅広い介護業務に対応でき、現在最も多くの外国人が利用している制度です。
3. EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者
インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国との経済連携協定に基づく制度です。日本の介護施設で働きながら介護福祉士の国家試験合格を目指します。来日前に一定の研修が行われるため、比較的スムーズに就労開始できます。
4. 技能実習「介護」
開発途上国の人材育成を目的とした制度で、最長5年間の実習が可能です。技能実習2号または3号から特定技能1号に移行すれば、さらに5年間の就労が可能になります。来日時にはN4レベルの日本語能力が求められます。
| 在留資格 | 最長期間 | 日本語要件 | 対象施設 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 在留資格「介護」 | 制限なし | N2以上推奨 | 制限なし | 介護福祉士資格が必要 |
| 特定技能1号 | 5年 | N4以上 | 特養・老健等 | 試験合格で取得可能 |
| EPA | 4年(延長可) | N5以上 | 指定施設 | 3か国限定 |
| 技能実習 | 最長5年 | N4以上 | 特養・老健等 | 技能移転が目的 |
老人ホーム・介護施設の種類と特徴
日本には様々な種類の介護施設があり、施設によって働く環境や業務内容が異なります。介護・医療業界で働く完全ガイドも参考にしながら、自分に合った施設を選びましょう。
特別養護老人ホーム(特養)
要介護3以上の高齢者が入所する公的施設です。介護度の高い利用者が多いため、身体介護のスキルが求められます。外国人介護職員の採用が最も多く、特養の76.7%が外国人を雇用しています。安定した雇用環境と充実した研修体制が魅力です。
介護老人保健施設(老健)
病院から退院した高齢者のリハビリテーションを行う施設です。医療職との連携が多く、医療知識も身につけることができます。在宅復帰を目指す利用者が多いため、やりがいを感じやすい環境です。
有料老人ホーム
民間企業が運営する施設で、比較的自立度の高い高齢者が利用します。接遇やホスピタリティが重視され、日本のビジネスマナーを身につける良い機会になります。給与水準が比較的高い施設もあります。
グループホーム
認知症の高齢者が少人数で共同生活する施設です。家庭的な雰囲気の中で、利用者一人ひとりと深く関わることができます。小規模なため、スタッフ間のコミュニケーションが取りやすい環境です。
デイサービス(通所介護)
日帰りで高齢者が通う施設です。レクリエーションの企画・実施など、多様な業務を経験できます。夜勤がないため、生活リズムが安定しやすいメリットがあります。
介護施設で働くために必要なスキルと準備
介護施設で働くためには、在留資格の取得以外にもいくつかの準備が必要です。日本語能力と語学スキル向上ガイドを活用して、計画的にスキルアップを進めましょう。
日本語能力
介護現場では利用者とのコミュニケーションが最も重要です。技能実習では来日時にN4レベル、1年後にはN3レベルの日本語能力が求められます。介護専門用語や高齢者特有の表現(方言を含む)も学んでおくと現場で役立ちます。
介護の基本スキル
入浴介助、食事介助、排泄介助などの基本的な介護技術は、来日前または研修期間中に習得します。日本式の介護は「自立支援」を重視しており、何でも代わりにやるのではなく、利用者の残存能力を活かす介護が求められます。
コミュニケーション能力
高齢者との会話だけでなく、チームでの情報共有や記録の作成も重要な業務です。介護記録は日本語で書く必要があるため、読み書きの能力も磨いておきましょう。
介護に関する資格
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)や介護福祉士実務者研修を取得すると、就職の幅が広がります。将来的に介護福祉士の国家資格を目指すことで、在留資格「介護」への切り替えも可能になります。
介護施設の求人の探し方
日本の介護施設で働くための求人情報は、様々な方法で入手できます。求人サイト・転職エージェント活用ガイドも参考にして、効率的に就職活動を進めましょう。
外国人専門の人材紹介会社
介護分野に特化した外国人向け人材紹介会社を利用するのが最も効率的です。在留資格の手続きから就職先の紹介、来日後の生活サポートまで一括でサポートしてくれます。マイナビグローバルなどの大手企業が運営するサービスもあります。
監理団体・登録支援機関
技能実習制度を利用する場合は監理団体、特定技能の場合は登録支援機関を通じて就職先を見つけます。これらの機関は法律で定められた支援を提供する義務があるため、安心して相談できます。
ハローワーク(公共職業安定所)
全国にあるハローワークでも外国人向けの求人を探すことができます。東京、名古屋、大阪、福岡には外国人雇用サービスセンターがあり、多言語での相談が可能です。
オンライン求人サイト
「介護 外国人 求人」などのキーワードで検索すると、多くの求人情報が見つかります。Indeed、求人ボックス、介護専門の求人サイトなどを活用しましょう。
給与・待遇と労働条件
介護施設で働く外国人の給与・待遇は、施設の種類や地域、資格の有無によって異なります。
給与の目安
介護職の平均月収は20万〜28万円程度です。夜勤手当(1回5,000〜8,000円)や資格手当が加算されることも多く、介護福祉士の資格を持っていると月額1〜3万円の資格手当がつく場合があります。都市部の施設ほど給与水準が高い傾向がありますが、生活費も高くなります。
福利厚生
多くの介護施設では、住居の提供や住居手当、社会保険の完備、有給休暇、介護資格取得支援などの福利厚生が用意されています。特に技能実習や特定技能で来日する場合は、住居の確保や生活立ち上げのサポートが受けられます。
労働時間とシフト
介護施設では24時間体制のケアが必要なため、早番・日勤・遅番・夜勤のシフト制で働くことが一般的です。週休2日制が基本ですが、施設によって休日のパターンは異なります。労働法・職場の権利ガイドで自分の権利を確認しておきましょう。
介護施設で働くメリットと将来性
日本の介護施設で働くことには多くのメリットがあり、将来のキャリアにも大きな可能性があります。
安定した雇用
介護業界は慢性的な人手不足のため、求人が常に豊富です。2025年6月時点で約9万人の外国人が介護分野で働いており、その数は年々増加しています。政府も2028年度までに約123万人の外国人労働者受け入れを計画しているため、今後も雇用機会は拡大する見通しです。
キャリアアップの道筋
介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士→ケアマネジャーと、段階的にキャリアアップが可能です。介護福祉士の資格を取得すれば在留資格「介護」に切り替えることができ、在留期間の制限なく日本で働き続けることができます。
異文化交流とスキル習得
日本の高齢者から日本文化や歴史を学ぶ貴重な機会があります。また、日本式の介護技術は世界的にも高く評価されており、将来母国に帰国した際にもそのスキルを活かすことができます。
地域社会との繋がり
介護施設は地域に根ざした施設が多く、地元のお祭りやイベントに参加する機会もあります。ネットワーキング・コミュニティ活用ガイドを参考に、地域社会との繋がりを大切にしましょう。
介護施設で働く際の注意点
介護施設で働く際には、いくつかの注意点があります。事前に理解しておくことで、スムーズに職場に馴染むことができます。
文化の違いへの対応
日本の介護現場では、利用者のプライバシーへの配慮や、丁寧な言葉遣いが非常に重要です。特に入浴介助や排泄介助では、利用者の尊厳を守ることが最も大切です。日本のビジネスマナー・文化完全ガイドで基本的なマナーを学んでおきましょう。
体力面の負担
介護の仕事は体力を使う場面が多いです。腰痛予防のためのボディメカニクス(身体の使い方)を学び、自分の健康管理にも気を配ることが大切です。
メンタルヘルスのケア
利用者の死やターミナルケアに関わることもあり、精神的な負担を感じることがあります。同僚や上司に相談できる関係を築き、必要に応じて専門的なサポートを受けることが重要です。
在留資格の管理
在留カードの有効期限や在留資格の更新手続きは、自己責任で管理する必要があります。期限切れにならないよう、余裕を持って手続きを進めましょう。
まとめ:老人ホーム・介護施設は外国人にとって大きなチャンス
日本の老人ホーム・介護施設は、深刻な人手不足を背景に外国人材の受け入れを積極的に進めています。4種類の在留資格制度が整備され、就労環境も年々改善されています。
介護の仕事は決して楽ではありませんが、安定した雇用、充実した福利厚生、そして将来的なキャリアアップの道筋が明確に用意されています。日本語能力と介護スキルを着実に向上させながら、介護福祉士の国家資格取得を目指すことで、日本での長期的なキャリアを築くことができるでしょう。
まずは特定技能ビザ完全ガイドや就労ビザの種類と取得条件を確認し、自分に最適な在留資格を選ぶことから始めてみてください。
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