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日本のビジネスマナー・文化完全ガイド

飲み会・接待のマナーガイド【完全版】

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
飲み会・接待のマナーガイド【完全版】

日本で働く外国人向けに、飲み会・接待のマナーを徹底解説。席順(上座・下座)、乾杯、お酌のルールから接待でのお店選び、会話のマナー、翌日のフォローアップまで、知っておくべきビジネスマナーを完全網羅した実践ガイドです。ノミニケーション文化を理解して職場の人間関係を深めましょう。

飲み会・接待のマナーガイド【完全版】

日本で働く外国人にとって、職場の飲み会や取引先との接待は避けて通れない大切なビジネスシーンです。「ノミニケーション」という和製英語が存在するほど、日本ではお酒を交えたコミュニケーションが人間関係の構築に重要な役割を果たしています。しかし、日本独自の飲み会マナーを知らないと、思わぬ失礼をしてしまうことも。

この記事では、外国人の方が知っておくべき飲み会・接待の基本マナーから実践的なテクニックまで、日本のビジネスマナー・文化の一環として徹底解説します。

飲み会の種類と特徴を知ろう

日本の職場には、さまざまな種類の飲み会があります。それぞれの目的と雰囲気を理解しておくことで、適切な振る舞いができるようになります。

飲み会の種類目的雰囲気参加の重要度
歓迎会(かんげいかい)新しいメンバーを歓迎する温かく和やか非常に高い
送別会(そうべつかい)退職・異動する人を送り出す感謝と惜別非常に高い
忘年会(ぼうねんかい)一年の労をねぎらう賑やかで楽しい高い
新年会(しんねんかい)新年の抱負を共有する前向きで活気がある高い
接待(せったい)取引先との関係構築フォーマル極めて高い
普段の飲み会チーム交流・親睦カジュアル普通

特に接待は、取引先やクライアントをもてなすフォーマルな場であり、通常の飲み会以上にマナーが求められます。ネットワーキング・コミュニティ活用ガイドでも紹介していますが、日本ではこうした場での人間関係がビジネスの成功に直結します。

席順のマナー:上座と下座の基本ルール

日本の飲み会で最初に覚えるべきマナーが「席順」です。上座(かみざ)と下座(しもざ)のルールは、日本のビジネスシーンにおいて非常に重要です。

上座(かみざ)の位置:

  • 出口から最も遠い席が上座です
  • 最も地位が高い人、または招待した相手が座ります
  • 壁際の奥の席や、景色が良く見える席も上座にあたります

下座(しもざ)の位置:

  • 出口に最も近い席が下座です
  • 新入社員や幹事(かんじ)が座ります
  • 注文を取りに行ったり、店員を呼んだりしやすい位置です

外国人の場合、初めての飲み会では同僚に席順を確認するのがベストです。「どこに座ればいいですか?」と素直に聞くことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、マナーを大切にしようとする姿勢が好印象を与えます。

接待の場合は特に注意が必要で、お客様(取引先)を必ず上座に案内しましょう。日本の面接マナーと基本ルールでも触れていますが、席順への配慮は日本のビジネス文化の根幹です。

乾杯のマナーと飲み物の注文

乾杯前のルール

日本の飲み会では、全員の飲み物が揃い、乾杯(かんぱい)の音頭が取られるまで、絶対に飲み始めてはいけません。これは最も基本的なマナーの一つです。

乾杯の際に気をつけるポイントは以下の通りです:

  • グラスの高さ:目上の人と乾杯するときは、自分のグラスを相手より低い位置で合わせるのがマナーです
  • 最初の一杯:「とりあえずビール」という文化があり、最初はビールを注文するのが一般的です。ただし、最近はビール以外を頼んでも問題ありません
  • 乾杯の発声:全員で「乾杯!」と声を合わせてから飲み始めましょう

飲めない場合の対応

お酒が飲めない、または飲みたくない場合も心配いりません。「お酒は飲めないので、ウーロン茶をお願いします」と伝えれば大丈夫です。居酒屋やバーではノンアルコールビールやモクテル、ソフトドリンクが充実しており、飲めない人への理解も進んでいます。

重要なのは、お酒を飲めない人に無理強いするのは現代日本ではマナー違反とされている点です。もし無理に勧められた場合は、笑顔で断って構いません。

お酌のマナー:注ぎ方と受け方

日本の飲み会で最も独特なマナーの一つが「お酌(おしゃく)」です。自分で自分のグラスに注ぐのではなく、他の人に注いでもらい、また他の人のグラスにも注いであげるのが日本流です。

ビールの注ぎ方

  1. 両手で瓶を持つ:片手で瓶の底を持ち、もう片方の手はラベルが見える状態で瓶を支えます
  2. 泡の割合:グラスの約3割が泡になるように注ぐのがベストです
  3. グラスを確認:相手のグラスが空いていたら声をかけて注ぎましょう

お酌を受けるとき

  1. 両手でグラスを持つ:片手でグラスを持ち、もう一方の手を添えます
  2. 感謝の言葉:「ありがとうございます、いただきます」と伝えましょう
  3. 一口飲む:注いでもらったらすぐに一口飲むのがマナーです

ビジネス接待でのお酌マナーを身につけておくと、上司や取引先からの信頼を得やすくなります。

接待で成功するための実践テクニック

接待は通常の飲み会よりもフォーマルで、ビジネスの成果に直結する重要なイベントです。成功する接待のコツを押さえておきましょう。

お店選びのポイント

接待のお店選びは最初の重要なステップです。以下の点に注意しましょう:

  • 相手の好みをリサーチ:食べ物の好み、アレルギー、宗教上の食事制限を事前に確認します
  • 事前に下見する:可能であれば、初めてのお店は避け、自分が実際に足を運んだことのあるお店を選びましょう
  • 個室があるお店:ビジネスの話ができるよう、個室のあるお店がベストです
  • アクセスの良さ:相手にとって便利な立地を選ぶ配慮も大切です

外国人ゲストを招く場合

海外の取引先との会食マナーとして、以下の点に特に注意が必要です:

  • 宗教への配慮:イスラム教のハラール食、ヒンドゥー教の牛肉不可、ベジタリアンなど
  • 政治・宗教の話題を避ける:デリケートな話題は避け、趣味やスポーツなど共通の話題を選びましょう
  • 文化的なタブー:左手で物を渡さない(一部の文化圏)など、相手の文化を事前に学んでおきましょう

会話のマナーと話題選び

飲み会での会話は、職場での関係を深める大切な機会です。しかし、適切な話題選びも重要なマナーの一つです。

おすすめの話題

  • 趣味・休日の過ごし方:プライベートな一面を共有できます
  • 旅行の経験:特に外国人社員の母国の話は盛り上がりやすいです
  • 食べ物の話:料理や好きなレストランの話題は万人向けです
  • スポーツ:プロ野球やサッカーなど、共通の興味が見つかりやすい話題です

避けるべき話題

  • 給料・収入:日本では個人の収入について話すのは失礼とされています
  • 政治・宗教:意見が対立しやすいテーマは避けましょう
  • 噂話・悪口:同僚や上司の悪口は厳禁です
  • 過度にプライベートな質問:結婚・年齢・体重などの質問は控えましょう

日本語能力と語学スキル向上ガイドでも紹介していますが、飲み会は実践的な日本語会話力を磨く絶好の機会でもあります。リラックスした雰囲気の中で自然な日本語に触れることができます。

会計と帰り際のマナー

会計のルール

飲み会の会計方法は状況によって異なります:

  • 上司が奢る場合:「ごちそうさまです」とお礼を言い、会計中は店の外で待ちましょう
  • 割り勘(わりかん)の場合:幹事が集金するのが一般的です。お釣りが出ないように事前に小銭を用意しておくとスマートです
  • 接待の場合:接待する側(ホスト側)がすべて支払います。支払いの場面を相手に見せないようにするのがスマートな振る舞いです

帰り際のマナー

  • 途中退席:やむを得ず途中で帰る場合は、幹事や上司に一声かけましょう。「お先に失礼します」と伝えれば問題ありません
  • 二次会(にじかい):飲み会の後に別の店に移動する「二次会」に誘われることがあります。参加は任意ですが、初回は参加した方が関係構築には効果的です
  • タクシーの手配:接待では、取引先のためにタクシーを手配するのもマナーの一つです

翌日のフォローアップ

飲み会の翌日のフォローアップは、日本のビジネスマナーにおいて非常に重要です。

翌日にすべきこと:

  1. お礼を伝える:出勤したら、上司やごちそうしてくれた方に「昨日はありがとうございました」と直接伝えましょう
  2. 接待の場合はメール:取引先には翌朝一番でお礼のメールを送ります。「昨日は楽しいお時間をいただきありがとうございました」といった内容が一般的です
  3. 飲み会での出来事は蒸し返さない日本の飲み会では、酔った勢いで言ったことは翌日持ち出さないのが暗黙のルールです

転職・キャリアアップ戦略完全ガイドでも触れていますが、飲み会でのマナーを守り良好な人間関係を築くことは、キャリアの発展にもつながります。

外国人が押さえておくべき追加ポイント

最後に、外国人ならではの視点で押さえておくべきポイントをまとめます。

完璧でなくても大丈夫

日本人は外国人に対して飲み会のマナーを完璧に求めることはほとんどありません。マナーを守ろうとする姿勢自体が評価されます。分からないことは素直に聞きましょう。

宗教・文化的な理由は尊重される

お酒が飲めない宗教的な理由や、食事制限がある場合は事前に伝えましょう。日本の職場では、こうした個人の事情は基本的に尊重されます。

飲み会への参加は強制ではない

近年、日本では飲み会への参加を強制しない風潮が広がっています。体調が悪い場合や予定がある場合は、丁重に断っても問題ありません。ただし、歓迎会や送別会など重要な飲み会にはできるだけ参加することをおすすめします。

「ノミニケーション」を楽しもう

日本のビジネス文化において、飲み会は単なるお酒の場ではなく、チームの絆を深め、信頼関係を構築する重要な機会です。マナーを意識しつつも、リラックスして楽しむことが最も大切です。

飲み会のマナーを身につけることは、日本での就職活動日本の就活マナーと基本ルールの一部としても役立ちます。日本の職場文化を深く理解し、充実した社会人生活を送りましょう。

まとめ

飲み会・接待のマナーは、日本で働く外国人にとって最初は複雑に感じるかもしれません。しかし、以下の基本ポイントを押さえておけば、心配する必要はありません。

  • 席順:上座と下座のルールを覚えておく
  • 乾杯:全員揃うまで待ち、乾杯の発声後に飲み始める
  • お酌:自分で注がず、相手に注いでもらう
  • 会話:適切な話題を選び、避けるべき話題を知っておく
  • 翌日のフォロー:必ずお礼を伝える

これらのマナーを実践することで、日本の職場での人間関係がより豊かになり、ビジネスチャンスも広がるでしょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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