退職届・退職願の書き方【テンプレート付】

日本の退職届・退職願の書き方をテンプレート付きで徹底解説。退職届と退職願の違い、封筒の選び方・書き方・入れ方、提出のタイミングやマナー、外国人が注意すべき在留資格の届出まで、円満退職に必要な情報をすべて網羅します。
退職届・退職願の書き方【テンプレート付】外国人向け完全ガイド
日本の会社を退職するとき、「退職届」や「退職願」を正しく書いて提出する必要があります。これは日本特有のビジネスマナーであり、外国人にとっては馴染みのない手続きかもしれません。本記事では、退職届・退職願の違いから、具体的な書き方、封筒の選び方、提出方法まで、テンプレート付きで徹底解説します。円満退職を目指す方は、ぜひ最後までお読みください。
退職届と退職願の違いとは?辞表との使い分け
まず、「退職届」「退職願」「辞表」の3つの違いを正確に理解しましょう。これらは似ているようで、法的な意味合いが大きく異なります。
| 書類名 | 意味 | 撤回の可否 | 使用場面 |
|---|---|---|---|
| 退職願(たいしょくねがい) | 退職を「お願い」する書類 | 承認前なら撤回可能 | 円満退職を希望する場合 |
| 退職届(たいしょくとどけ) | 退職を「届け出る」書類 | 原則として撤回不可 | 退職の意思が確定した場合 |
| 辞表(じひょう) | 役職を辞することを表明 | 状況による | 役員・公務員が使用 |
退職願は、退職を会社に打診する書類です。「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」という願い出る形式で書きます。会社が承認するまでは撤回が可能です。円満退職を目指すなら、まず退職願を提出するのが一般的です。
退職届は、退職の意思が固まり、会社に届け出る書類です。「退職いたします」と宣言する形式で、提出した時点から民法第627条に基づき、2週間後に退職の効力が発生します。原則として撤回はできません。
辞表は、一般社員は使用しません。会社の役員や公務員が職を辞する際に使用するものです。
外国人の方が一般企業を退職する場合は、まず退職願を提出し、承認後に退職届を出すのが最もスムーズな流れです。詳しい退職の手続き全般については、転職・キャリアアップ戦略完全ガイドも参考にしてください。
退職届・退職願の基本的な書き方【テンプレート】
退職届・退職願を書く際には、決まった形式があります。以下のテンプレートに沿って作成しましょう。
退職願のテンプレート(縦書き)
退職願の基本構成は以下のとおりです。
- 表題:中央に「退職願」と記載
- 書き出し:本文一行目の下部に「私儀(わたくしぎ)」または「私事」
- 退職理由:「このたび、一身上の都合により」
- 退職希望日:「令和○年○月○日をもって退職いたしたく」
- 結び:「ここにお願い申し上げます」
- 提出日:令和○年○月○日
- 所属部署・氏名:部署名とフルネーム(押印)
- 宛名:会社名と代表者名(敬称は「殿」)
退職届のテンプレート
退職届は退職願とほぼ同じ構成ですが、結びの部分が異なります。
- 退職願:「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」
- 退職届:「退職いたします」
退職届は「宣言」の形になるため、より強い意思表示となります。
用紙と筆記用具の選び方
| 項目 | 推奨 | 注意点 |
|---|---|---|
| 用紙サイズ | B5またはA4の白い便箋 | 罫線入りでも可 |
| 筆記用具 | 黒のボールペンまたは万年筆 | 鉛筆やフリクション(消せるペン)はNG |
| 書き方 | 縦書きが望ましい | 横書きでも可(会社指定がある場合はそれに従う) |
| 作成方法 | 手書きが伝統的 | PC作成・印刷も可(参考) |
最近では、WordやPDFの無料テンプレートをダウンロードして印刷する方法も広く受け入れられています。ただし、手書きのほうが誠意が伝わるとされる場合もあるため、会社の雰囲気に合わせて判断しましょう。
封筒の選び方・書き方・入れ方マナー
退職届・退職願を提出する際は、封筒のマナーも重要です。適切な封筒の選び方と書き方を解説します。
封筒の選び方
退職届用の封筒は以下の条件を満たすものを選びましょう。
- 色:白色(茶封筒はビジネス文書向きではない)
- 種類:長形3号(B5用紙の場合)または長形4号
- デザイン:無地で郵便番号欄が印刷されていないもの
- 二重封筒:中身が透けないよう二重になっているものが望ましい
封筒の書き方
封筒の表面と裏面にはそれぞれ決まった記載内容があります。
表面:封筒の中央やや上に「退職届」または「退職願」とやや大きめに記載(宛先は不要)
裏面:左下に所属部署名とフルネームを記載
筆記用具は黒のボールペンまたは万年筆を使用します。書き損じた場合は修正液を使わず、新しい封筒に書き直してください(参考)。
用紙の折り方と入れ方
退職届は三つ折りにして封筒に入れます。
- 文面が内側になるように置く
- 用紙の下側3分の1を上に折り上げる
- 上側3分の1を被せるように折り下げる
- 封筒に入れる際は、書き出し部分が上になるように入れる
手渡しの場合はのり付け不要ですが、郵送する場合はのり付けして封部分に「〆」マークを記入します(参考)。
退職届の提出方法とタイミング
退職届の提出にも正しいマナーとタイミングがあります。
提出のタイミング
法律上は退職希望日の2週間前までに申し出れば退職できますが、実務上は1〜2ヶ月前に申し出るのが一般的です。就業規則に提出期限が定められている場合は、それに従いましょう。
| 段階 | 目安時期 | やるべきこと |
|---|---|---|
| 退職の意思表明 | 退職希望日の1〜2ヶ月前 | 直属の上司に口頭で伝える |
| 退職願の提出 | 上司との面談後 | 退職日について合意を得る |
| 退職届の提出 | 退職日が確定後 | 正式な退職届を提出する |
| 引き継ぎ | 退職届提出後〜最終日 | 業務の引き継ぎを行う |
提出の手順
- まず口頭で直属の上司に伝える:いきなり退職届を出すのではなく、まず口頭で退職の意思を伝えるのがマナーです
- 退職願を提出する:上司と面談し、退職日などを調整した上で退職願を提出します
- 退職届を提出する:会社が退職を承認した後、正式な退職届を提出します
退職届は就業時間内に直属の上司に直接手渡しするのが基本です。封筒のまま手渡すのではなく、封筒から出して上司の前で広げ、内容を確認してもらうのがマナーとされています。
日本でのビジネスマナー全般については、日本のビジネスマナー・文化完全ガイドもご覧ください。
外国人が退職届を書く際の注意点
外国人の方が日本の会社を退職する際には、退職届の書き方以外にも注意すべきポイントがあります。
在留資格への影響
退職後は在留資格に大きな影響があります。就労ビザで日本に滞在している場合、退職後14日以内に入国管理局へ届出を行う必要があります。次の就職先が決まっていない場合、在留資格の変更や帰国の準備が必要になることもあります。在留資格について詳しくは在留資格・ビザの基礎知識完全ガイドを参照してください。
退職届を日本語で書く
退職届は原則として日本語で書く必要があります。日本語に不安がある場合は、以下の方法を検討しましょう。
- テンプレートを使用して必要事項のみ記入する
- 日本語ができる同僚や友人に確認してもらう
- 英語のガイドを参考にしながら日本語版を作成する
退職に伴う手続き一覧
| 手続き | 期限 | 届出先 |
|---|---|---|
| 入管への届出 | 退職後14日以内 | 出入国在留管理局 |
| 健康保険証の返却 | 退職日 | 会社の人事部 |
| 雇用保険の手続き | 退職後速やかに | ハローワーク |
| 年金の切り替え | 退職後14日以内 | 市区町村役場 |
| 住民税の精算 | 退職時 | 会社経由 |
社会保険や年金の手続きについては、税金・社会保険・年金の完全ガイドで詳しく解説しています。
退職届提出後の流れと円満退職のコツ
退職届を提出した後も、最終日まで気を抜かず、円満退職を心がけましょう。
引き継ぎのポイント
退職が決まったら、速やかに業務の引き継ぎを行います。
- 引き継ぎ書の作成:担当業務の内容、手順、注意点をまとめた書類を作成する
- 後任者への説明:直接口頭で業務内容を説明し、不明点に答える
- 取引先への挨拶:必要に応じて取引先への挨拶回りを行う
退職日までにやること
- 会社の備品(PCやIDカード等)を返却する
- 個人のデータやファイルを整理する
- 同僚や上司への挨拶メールを送る
- 離職票や源泉徴収票を受け取る
退職代行サービスについて
最近では、退職代行サービスを利用する人も増えています。退職の意思を直接伝えることが難しい場合、代行サービスが会社との連絡を代行してくれます。ただし、費用がかかることや、円満退職にならない可能性もあるため、まずは自分で上司に伝えることを推奨します。
よくある質問(FAQ)
退職届・退職願について、外国人の方からよく寄せられる質問をまとめました。
Q: 退職届は手書きでなければならないですか? A: いいえ、PC作成・印刷でも問題ありません。ただし、手書きのほうが丁寧な印象を与えるとされています。会社によっては指定のフォーマットがある場合もあるので、事前に確認しましょう。
Q: 退職届を提出したら、すぐに辞められますか? A: 法律上は提出から2週間後に退職が成立しますが、引き継ぎなどを考慮し、会社と相談して退職日を決めるのが一般的です。マイナビ転職でも詳しく解説されています。
Q: 退職理由を詳しく書く必要がありますか? A: いいえ、「一身上の都合により」と書くだけで十分です。具体的な理由を書く必要はありません。
Q: 退職届を郵送してもいいですか? A: 原則として手渡しが望ましいですが、やむを得ない場合は郵送も可能です。その場合は、添え状を同封し、封筒に「親展」と赤字で記載します。
Q: 退職届を撤回できますか? A: 退職願は会社が承認する前であれば撤回可能ですが、退職届は原則として撤回できません。
転職活動をこれから始める方は、日本での就職活動完全ガイドや求人サイト・転職エージェント活用ガイドもあわせてご覧ください。また、履歴書の準備には履歴書・職務経歴書の書き方完全ガイドが役立ちます。
まとめ
退職届・退職願の書き方は日本独自のビジネス文化であり、外国人の方にとって戸惑うことも多いでしょう。しかし、正しい書き方とマナーを理解すれば、円満退職への第一歩を踏み出せます。
退職届・退職願のポイントまとめ:
- 退職願は「お願い」、退職届は「届出」、辞表は「役員・公務員用」
- 白い無地の封筒を使い、三つ折りにして入れる
- 黒のボールペンか万年筆で書く(手書きまたはPC印刷)
- 退職理由は「一身上の都合により」で十分
- 提出は直属の上司に手渡しが基本
- 外国人は退職後の在留資格の届出も忘れずに
次のキャリアへのステップを円滑に進めるためにも、退職の手続きはしっかりと行いましょう。日本でのキャリアアップや給料・待遇についても理解を深め、より良い仕事を見つけてください。
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