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日本語能力と語学スキル向上ガイド

電話対応の日本語マスターガイド

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
電話対応の日本語マスターガイド

日本で働く外国人向けに、ビジネス電話対応の基本マナー・敬語の使い方・定型フレーズを網羅的に解説。電話を受ける・かける場面別のフレーズ集、クッション言葉一覧、よくあるトラブルの対処法まで、すぐに実践できるガイドです。

電話対応の日本語マスターガイド|外国人が知るべきビジネス電話のマナーとフレーズ

日本で働く外国人にとって、ビジネスシーンでの電話対応は最も緊張する場面のひとつです。対面でのコミュニケーションと異なり、電話では相手の表情やジェスチャーが見えないため、正確な日本語と適切な敬語が求められます。しかし、定型フレーズを覚えて練習すれば、誰でも自信を持って電話対応ができるようになります。このガイドでは、外国人ビジネスパーソンが日本の職場で必要とする電話対応スキルを、基本マナーから実践フレーズまで網羅的に解説します。

日本のビジネス電話の基本ルール

日本のビジネス電話には、外国人が最初に驚くいくつかの独自ルールがあります。まず最も重要なのは、「もしもし」を使わないことです。「もしもし」はもともと「申す申す」の略語であり、略語をビジネスで使うのは失礼とされています。代わりに「お電話ありがとうございます」や「はい、○○(会社名)でございます」と応答します。

また、電話は3コール以内に取るのが日本のビジネスマナーです。もし3コール以上かかってしまった場合は、「お待たせいたしました」と一言添えてから名乗ります。電話を取る前には、必ずメモと筆記用具を手元に準備しておきましょう。これは相手の名前、会社名、要件、折り返し先などを正確に記録するためです。

電話中の姿勢も重要です。相手に見えなくても、姿勢を正して笑顔で話すことで声のトーンが明るくなり、好印象を与えます。日本の多くの企業では、電話対応の品質が会社全体のビジネスマナーの評価につながると考えられています。

電話対応で必須の敬語と敬称

電話対応で最も難しいのが敬語の使い分けです。日本語の敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があり、電話ではこれらを状況に応じて正しく使う必要があります。

場面正しい表現間違いやすい表現解説
自分を指すわたくしわたし・ぼくビジネスでは「わたくし」が基本
相手を指す○○様○○さん社外の方には「様」を使う
相手の会社御社(おんしゃ)あなたの会社口頭では「御社」を使う
自分の会社弊社・当社うちの会社謙譲表現で「弊社」が丁寧
相手が言うおっしゃる言う尊敬語を使う
自分が言う申す・申し上げる言います謙譲語を使う
相手が来るいらっしゃる来る尊敬語を使う
自分が行く参る・伺う行きます謙譲語を使う
相手が見るご覧になる見る尊敬語を使う
知っているご存じでしょうか知っていますか尊敬語を使う

敬語の正しい使い方は、日本で働くうえで欠かせない日本語スキルの核心部分です。電話対応を通じて、自然な敬語力を身につけることができます。

電話を受けるときの実践フレーズ

電話を受ける場面ごとに、すぐに使えるフレーズを紹介します。これらの定型表現を覚えておけば、落ち着いて対応できます。

電話に出る

最初の一声が印象を決めます。明るく、はっきりとした声で応答しましょう。

  • 「お電話ありがとうございます。株式会社○○の△△でございます」
  • 「おはようございます。株式会社○○でございます」(午前中の場合)
  • 「お待たせいたしました。株式会社○○の△△でございます」(3コール以上の場合)

取り次ぎをする

担当者への取り次ぎは電話対応の中でも頻繁に発生します。

  • 「○○でございますね。少々お待ちください」
  • 「恐れ入りますが、○○部の○○にお繋ぎいたします」
  • 「ただいまお調べいたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」

担当者が不在の場合

不在時の対応は特に重要で、クッション言葉を活用して相手への配慮を示しましょう。

  • 「申し訳ございません。○○はただいま外出しております」
  • 「恐れ入りますが、○○はただいま会議中でございます。○時頃に戻る予定です」
  • 「よろしければ、折り返しお電話させていただきましょうか」
  • 「お手数ですが、ご伝言を承りましょうか」

これらのフレーズは、ビジネスメールの書き方と同様に、パターンを覚えることで自然に使えるようになります。

電話をかけるときの実践フレーズ

自分から電話をかける場合は、事前準備が成功の鍵です。話す内容を簡潔にまとめたメモを用意してからかけましょう。

電話の冒頭

  • 「お世話になっております。株式会社○○の△△と申します」
  • 「お忙しいところ恐れ入ります。株式会社○○の△△でございます」
  • 「○○部の○○様はいらっしゃいますでしょうか」

用件を伝える

  • 「○○の件でお電話いたしました」
  • 「先日お送りした資料の件でご連絡させていただきました」
  • 「お見積もりの件で、確認させていただきたいことがございます」

電話を終える

  • 「お忙しいところ、ありがとうございました。失礼いたします」
  • 「それでは、よろしくお願いいたします」
  • 「ご対応いただきありがとうございました」

電話をかける際は、相手の都合を考慮することも大切です。昼休み(12:00〜13:00)や始業直後、終業間際の電話は避けるようにしましょう。また、月曜日の午前中や金曜日の午後は忙しいことが多いため、急ぎでなければ避けるのが配慮です。

クッション言葉の使い方と一覧

クッション言葉は、相手に依頼やお断りをする際に前置きとして使う表現です。直接的な言い方を避け、相手への配慮を示すために非常に重要です。外国人が日本のビジネス電話で最も効果的に使えるテクニックのひとつです。

クッション言葉使用場面例文
恐れ入りますが依頼する時恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますか
お手数ですが手間をかける時お手数ですが、もう一度おっしゃっていただけますか
差し支えなければ任意の確認時差し支えなければ、ご連絡先を教えていただけますか
申し訳ございませんが断る・謝る時申し訳ございませんが、担当者が不在でございます
あいにくですが期待に沿えない時あいにくですが、本日は終了しております
よろしければ提案する時よろしければ、折り返しお電話いたしましょうか

クッション言葉を適切に使えるようになると、ネイティブスピーカーからも「電話対応が丁寧だ」と評価されるようになります。詳しいビジネスマナーについては、日本のビジネスマナー・文化完全ガイドも参照してください。

よくあるトラブルと対処法

電話対応中に困る場面は、外国人に限らず日本人でもあります。以下は代表的なトラブルとその対処法です。

相手の名前が聞き取れない場合

「恐れ入りますが、もう一度お名前をお聞かせいただけますでしょうか」と丁寧にお願いしましょう。漢字が分からない場合は、「恐れ入りますが、漢字ではどのようにお書きになりますか」と確認できます。

相手の話が早くて理解できない場合

「申し訳ございません。電話が少し遠いようですので、もう一度お願いできますでしょうか」という表現が便利です。自分の日本語力を直接的に言及するよりも、電話の状態のせいにすることで双方の面子を保てます。

答えられない質問を受けた場合

「確認いたしまして、折り返しお電話させていただいてもよろしいでしょうか」と言って、正確な情報を確認してから回答するのが最善です。その場で推測で答えることは避けましょう。

間違い電話を受けた場合

「恐れ入りますが、おかけ間違いではないでしょうか。こちらは株式会社○○でございます」と丁寧に対応します。

電話対応に自信がない場合は、資格・スキルアップガイドを参考に、ビジネス日本語の資格取得を目指すのもおすすめです。

電話対応スキルを上達させるコツ

電話対応を上達させるためには、継続的な練習が不可欠です。以下のポイントを意識して取り組みましょう。

ロールプレイで練習する

同僚や友人と電話対応のロールプレイを行いましょう。実際のシナリオを想定して練習することで、本番での緊張が軽減されます。日本語学校やコミュニティ活動でも練習の機会を見つけられます。

定型フレーズを暗記する

電話対応の80%は定型フレーズでカバーできます。上記で紹介したフレーズをカードやアプリで繰り返し覚えましょう。毎日5分の練習でも、1ヶ月後には大きな違いが出ます。

録音して自分の声を確認する

自分の電話対応を録音して聞き返すことで、声のトーン、スピード、敬語の使い方などを客観的に確認できます。日本語のイントネーションや間(ま)の取り方も意識しましょう。

先輩の対応を観察する

職場の先輩や日本人同僚の電話対応を注意深く聞いて、使っている表現や対応の流れを学びましょう。分からないフレーズがあれば後で質問するのも良い学習方法です。

日本企業でキャリアアップを目指すなら、電話対応の質の向上は評価に直結する重要なスキルです。

まとめ

日本のビジネス電話対応は、外国人にとってハードルが高く感じられますが、基本的なルールと定型フレーズを身につければ確実に上達します。「もしもし」を使わない、3コール以内に取る、敬語を正しく使う、クッション言葉を活用するなど、この記事で紹介したポイントを日々の業務で実践してみてください。

最初は完璧でなくても構いません。大切なのは相手を敬う気持ちと丁寧に対応しようとする姿勢です。日本の職場では、外国人が敬語を使って電話対応をする姿勢そのものが高く評価されます。このガイドのフレーズを活用して、自信を持ってビジネス電話に臨みましょう。

さらに詳しい日本のビジネスマナーについては、日本のビジネスマナー・文化完全ガイドや、日本語能力と語学スキル向上ガイドもあわせてご覧ください。

参考リンク

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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