保証人・保証会社の仕組みと選び方

日本で賃貸契約する外国人向けに、保証人と保証会社の違い・仕組み・保証料の相場・審査のコツを徹底解説。外国人対応の保証会社の選び方5つのポイント、多言語サポートの活用法、審査に通るための必要書類や注意点も詳しく紹介します。
保証人・保証会社の仕組みと選び方|外国人が日本で賃貸契約するための完全ガイド
日本で賃貸物件を借りる際、ほとんどの場合「保証人」または「保証会社」が必要になります。特に外国人にとって、日本人の連帯保証人を見つけることは大きなハードルです。しかし、近年は保証会社の利用が主流となり、外国人でもスムーズに賃貸契約ができる環境が整いつつあります。
この記事では、保証人と保証会社の違いや仕組み、外国人向け保証会社の選び方を詳しく解説します。住居・生活インフラ完全ガイドと合わせてお読みください。
連帯保証人と保証会社の違いとは
日本の賃貸契約で求められる「保証」には、大きく2つの種類があります。
連帯保証人は、借主が家賃を滞納した場合に代わりに支払い義務を負う個人のことです。日本では従来、親族や知人に連帯保証人を依頼するのが一般的でした。連帯保証人は借主と同等の責任を負い、家賃だけでなく原状回復費用や損害賠償なども負担する可能性があります。
一方、保証会社(家賃保証会社)は、連帯保証人の代わりに家賃の保証を行う法人サービスです。借主は保証会社に保証料を支払い、万が一家賃を滞納した場合、保証会社がオーナーに立替払いを行います。その後、保証会社が借主に支払いを請求する仕組みです。
| 項目 | 連帯保証人 | 保証会社 |
|---|---|---|
| 保証する人 | 個人(親族・知人) | 法人(保証会社) |
| 費用 | 無料 | 初回:家賃の0.5〜1ヶ月分 |
| 更新料 | なし | 年間1〜2万円程度 |
| 審査 | 保証人の収入審査あり | 借主本人の審査 |
| 外国人の利用しやすさ | 難しい(日本人が必要) | 比較的容易 |
| 2020年民法改正の影響 | 責任上限額の設定が必須に | 影響なし |
2020年の民法改正により、連帯保証人の責任範囲に上限(極度額)を設定することが義務化されました。これにより、保証会社の利用がさらに増加しています。
保証会社の仕組みと利用の流れ
保証会社を利用する際の一般的な流れを理解しておきましょう。賃貸契約の基本的な手続きを把握した上で、保証会社の仕組みを知ることが大切です。
利用の流れ
- 物件申し込み時:不動産会社が指定する保証会社に申し込み
- 審査:保証会社による収入・在留資格・過去の滞納歴などの審査(通常2〜3日)
- 契約:審査通過後、保証委託契約を締結し、初回保証料を支払い
- 入居後:家賃を通常通り支払い(保証会社への追加支払いは不要)
- 更新時:1年ごとまたは契約更新時に更新保証料を支払い
保証料の相場
保証料は初年度で家賃の50〜100%程度が一般的です。例えば、月額家賃7万円の物件の場合:
| 費用項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 初回保証料 | 35,000〜70,000円 |
| 年間更新料 | 10,000〜20,000円 |
| 月額プラン(一部会社) | 家賃の1〜2% |
保証会社によっては、初回保証料が安い代わりに月額で費用がかかるプランもあります。総費用を比較して選ぶことが重要です。
外国人が保証会社を利用するメリット
平成22年は約17%だった保証会社の加入率が、令和3年には約80%に増加しています。特に外国人にとって、保証会社の利用には以下のメリットがあります。
日本人の連帯保証人が不要
外国人が日本で賃貸契約する際の最大の障壁は、日本人の連帯保証人を見つけることです。家族が日本にいない、知人に頼みにくいなどの理由から、連帯保証人の確保は非常に困難です。保証会社を利用すれば、この問題が解消されます。
多言語サポートの充実
外国人向け賃貸保証会社は15社以上あり、英語・中国語・韓国語・ベトナム語など、9言語以上に対応する会社もあります。契約時の説明だけでなく、入居後のトラブル対応も母国語で受けられるため安心です。
物件の選択肢が広がる
保証会社を利用することで、「外国人不可」とされていた物件でも契約できるケースが増えます。オーナーにとって家賃滞納リスクが軽減されるため、外国人の入居を受け入れやすくなるのです。
24時間サポート体制
多くの外国人対応の保証会社は、水漏れやガストラブルなどの生活トラブルにも24時間対応しています。日本語が不得意な方でも安心して生活できる環境が整っています。
外国人向け保証会社の選び方【5つのポイント】
保証会社選びで失敗しないためには、以下の5つのポイントを確認しましょう。
ポイント1:多言語対応の充実度
契約書の翻訳や電話対応が自分の言語に対応しているか確認しましょう。特に以下の場面で母国語サポートがあると安心です。
- 契約時の重要事項説明
- 家賃支払いに関する連絡
- トラブル発生時の相談
- 退去時の手続き
ポイント2:審査の通りやすさ
保証会社によって審査基準が異なります。外国人に特化した保証会社は、在留資格や就労状況を考慮した審査を行うため、通過率が高い傾向にあります。在留資格・ビザの基礎知識を理解しておくと、審査時の説明もスムーズです。
ポイント3:保証料の総コスト
初回保証料だけでなく、更新料や月額費用も含めた総コストで比較しましょう。給料・年収・待遇ガイドも参考に、生活費全体のバランスを考慮することが大切です。
ポイント4:会社の信頼性と実績
保証会社の安定性は非常に重要です。過去に破綻した保証会社もあるため、以下を確認しましょう。
- 設立年数と運営実績
- 管理戸数や契約実績
- 業界団体への加盟状況(全国賃貸保証業協会など)
- 財務状況の健全性
ポイント5:付帯サービスの内容
保証会社によっては、家賃保証以外にも以下のようなサービスを提供しています。
- 生活トラブル対応(水漏れ・鍵紛失など)
- 通訳・翻訳サービス
- 生活情報の提供
- 引越しサポート
保証会社の審査に通るためのコツ
保証会社の審査は、クレジットカードの審査ほど厳しくありませんが、以下のポイントを押さえておくと通過率が上がります。
必要書類を事前に準備する
審査に必要な書類を事前に揃えておきましょう。
| 必要書類 | 詳細 |
|---|---|
| 在留カード | 有効期限内のもの(在留カードの見方を参照) |
| パスポート | 顔写真ページのコピー |
| 収入証明 | 給与明細(直近3ヶ月分)または雇用契約書 |
| 緊急連絡先 | 日本国内の連絡先(勤務先でも可) |
| 在職証明書 | 勤務先が発行するもの |
審査通過のポイント
- 安定した収入があること:月収が家賃の3倍以上が目安
- 在留資格の残存期間:契約期間をカバーできる在留期間が必要
- 過去の滞納歴がないこと:信用情報に問題がないか確認
- 勤務先の情報を正確に記載:在職期間や雇用形態を正確に伝える
日本での就職活動ガイドで紹介している安定した雇用を確保することが、審査通過の近道です。
保証会社利用時の注意点
保証会社を利用する際に知っておくべき注意点があります。
家賃滞納時の対応
保証会社は家賃を一時的に立て替えてくれますが、借主の支払い義務がなくなるわけではありません。滞納が続くと、保証会社から催促の連絡が入り、最終的には法的手続きに進む可能性もあります。税金・社会保険の基本を理解し、計画的な家計管理を心がけましょう。
保証会社の変更は基本的にできない
物件ごとに利用できる保証会社は不動産会社やオーナーが指定します。入居者が自由に選べるケースは少ないため、物件選びの段階で保証会社の条件も確認しておきましょう。
連帯保証人と保証会社の両方が必要なケースも
一部の物件では、保証会社の利用に加えて連帯保証人も求められることがあります。この場合、外国人向けの相談窓口に相談することをおすすめします。
退去時の費用にも注意
保証会社の保証範囲は家賃だけでなく、退去時の原状回復費用も含まれることがあります。保証範囲を事前に確認しておきましょう。
保証人・保証会社が不要な物件を探す方法
保証人も保証会社も不要な物件を探す方法もあります。
- UR賃貸住宅:独立行政法人都市再生機構が運営する公営住宅で、保証人・保証会社が不要
- 社宅・寮付き求人:企業が提供する住居は保証が不要なケースが多い(製造業の求人情報を参照)
- シェアハウス:保証人不要で入居できる物件が多い
- 外国人向け不動産サービス:外国人に特化したサービスを利用する
よくある質問(FAQ)
Q: 保証会社の審査にはどのくらいかかりますか? A: 通常2〜3営業日です。書類に不備がなければ、最短で即日〜翌日に結果が出ることもあります。
Q: 保証料は返金されますか? A: 基本的に保証料は返金されません。途中退去でも日割り返金はないのが一般的です。
Q: 在留資格が短い場合でも利用できますか? A: 在留資格の残存期間が短い場合は審査が厳しくなりますが、在留期間の更新手続き中であれば、更新申請中の証明を提出することで審査に通るケースもあります。
Q: 留学生でも保証会社は利用できますか? A: はい、利用できます。留学生向けの保証サービスもあり、アルバイト収入や奨学金の証明で審査を受けられます。
まとめ
日本での賃貸契約に欠かせない保証人・保証会社の仕組みを理解し、自分に合った選択をすることが快適な住まい探しの第一歩です。外国人向けの保証会社は年々充実しており、多言語対応や手厚いサポートを受けられる環境が整っています。
保証会社を選ぶ際は、多言語対応・審査基準・総コスト・信頼性・付帯サービスの5つのポイントを比較し、最適な会社を選びましょう。物件探しから入居後の生活まで、住居・生活インフラ完全ガイドも合わせて参考にしてください。
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