在留資格の変更手続き完全マニュアル

在留資格変更許可申請の手続きを徹底解説。必要書類、申請の流れ、審査期間、不許可理由と対策、オンライン申請の活用方法まで、外国人が知っておくべき情報を完全網羅しています。2025年最新の手数料改定にも対応。
在留資格の変更手続き完全マニュアル
日本で暮らす外国人にとって、在留資格の変更は人生の大きな転機に直面する重要な手続きです。留学から就労、就労から永住権取得まで、在留資格の変更を正しく行うことが日本での安定した生活の基盤となります。本記事では、在留資格変更許可申請の流れ、必要書類、審査期間、注意点まで徹底的に解説します。
在留資格変更許可申請とは?基本的な仕組みを理解しよう
在留資格変更許可申請とは、現在持っている在留資格を別の在留資格に変更するために出入国在留管理庁に対して行う申請です。例えば、「留学」の在留資格で日本に滞在していた外国人が、大学卒業後に日本企業に就職する場合、「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザに変更する必要があります。
在留資格の変更が必要となる主なケースは以下の通りです:
- 留学から就労への変更:大学・専門学校卒業後に日本で就職する場合
- 就労ビザの種類変更:転職により職種が変わった場合
- 配偶者ビザへの変更:日本人や永住者と結婚した場合
- 永住許可申請:長期間日本に在留し、永住権を申請する場合
- 特定活動への変更:就職活動のための在留資格変更
重要なのは、在留資格の変更と在留期間の更新は異なる手続きである点です。変更は在留資格そのものを切り替える手続きであり、更新は同じ在留資格のまま在留期間を延長する手続きです。自分がどちらの手続きを行うべきか、事前にしっかり確認しましょう。
在留資格変更の申請に必要な書類一覧
在留資格変更許可申請に必要な書類は、変更先の在留資格の種類や申請者の個別状況によって異なります。ここでは代表的なケースごとに必要書類を整理します。
全ケース共通の必要書類
| 書類 | 詳細 |
|---|---|
| 在留資格変更許可申請書 | 出入国在留管理庁HPからダウンロード可能 |
| パスポート(原本提示) | 有効期限が切れていないもの |
| 在留カード(原本提示) | 現在有効なもの |
| 証明写真(4cm×3cm) | 3ヶ月以内に撮影したもの |
| 手数料 | 2025年4月以降は6,000円(オンライン申請は5,500円) |
留学から就労ビザへの変更(技術・人文知識・国際業務)
留学生が日本で就職活動を経て就職する場合、以下の追加書類が必要です:
- 雇用契約書またはオファーレターのコピー
- 会社の商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 会社の決算書(直近年度)
- 会社案内やパンフレット
- 卒業証明書(または卒業見込み証明書)
- 履歴書
配偶者ビザへの変更
日本人や永住者と結婚して配偶者ビザに変更する場合は、以下の書類が必要です:
- 婚姻届受理証明書
- 配偶者の戸籍謄本(日本人配偶者の場合)
- 質問書(出入国在留管理庁指定様式)
- 身元保証書
- 世帯の住民票
- 配偶者の在職証明書・収入証明書
申請の流れ:ステップバイステップで解説
在留資格変更許可申請の手続きは、以下のステップで進みます。
ステップ1:必要書類の準備
変更先の在留資格に応じた必要書類を揃えます。書類の不備は審査の遅延や不許可の原因になるため、出入国在留管理庁のHPで最新の必要書類リストを確認しましょう。
ステップ2:申請書の作成
在留資格変更許可申請書の記入例を参考に、正確に記入します。誤字脱字や記入漏れがないよう、二重チェックを行いましょう。
ステップ3:地方出入国在留管理局への申請
居住地を管轄する地方出入国在留管理局(入管)に申請します。2019年4月からはオンライン申請も可能になっており、入管に出向かずに手続きできるケースも増えています。
ステップ4:審査・結果通知
申請後、出入国在留管理庁が審査を行います。結果はハガキで通知されます。許可の場合は入管に出向いて新しい在留カードを受け取ります。
ステップ5:新しい在留カードの受け取り
許可通知を受けたら、パスポート、現在の在留カード、手数料(収入印紙)を持って入管で新しい在留カードを受け取ります。
審査期間と許可率:知っておくべきデータ
在留資格変更許可申請の審査にかかる期間は、申請の種類や管轄する入管の混雑状況によって異なります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 標準審査期間 | 2週間〜1ヶ月 |
| 繁忙期(3〜4月) | 1〜3ヶ月 |
| 審査中の在留資格 | 申請中は在留期間満了後も最大2ヶ月間は適法に在留可能(特例期間) |
| 留学→就労の許可率(2019年) | 約79.9%(2007年の89.9%から低下傾向) |
| 留学→就労の許可件数(2019年) | 30,947件(2007年の10,262件から大幅増加) |
出入国在留管理庁の審査処理期間データによると、繁忙期である3月〜4月は審査に時間がかかる傾向があります。特に留学生の卒業シーズンには申請が集中するため、早めの準備が重要です。
注目すべきは、留学から就労への在留資格変更の許可率が年々低下している点です。2007年には89.9%だった許可率が、2019年には79.9%まで低下しています。これは審査が厳格化していることを示しており、申請書類の完璧な準備がますます重要になっています。
不許可になる主な理由と対策
在留資格変更許可申請が不許可になるケースは決して珍しくありません。出入国在留管理庁が公開している不許可事例を参考に、主な不許可理由と対策を解説します。
不許可になりやすい5つの理由
- 職務内容と在留資格の不一致:申請する在留資格で認められている活動と、実際の業務内容が合致していない場合。例えば「技術・人文知識・国際業務」で申請しているのに、実際の仕事が単純労働の場合は不許可になります。
- 学歴・職歴の要件不足:技術・人文知識・国際業務ビザの場合、大学卒業以上の学歴や10年以上の実務経験が求められます。これらの要件を満たしていないと不許可になります。
- 雇用先企業の安定性の問題:雇用先の企業が経営不安定、設立間もない、または過去に入管法違反がある場合、審査が厳しくなります。
- 給与水準の問題:雇用契約書に記載されている給与が同種の仕事に従事する日本人と比較して著しく低い場合、不許可になる可能性が高くなります。
- 申請書類の不備や虚偽記載:書類の記入ミス、必要書類の不足、虚偽の情報を記載した場合は当然ながら不許可になります。
不許可を避けるための対策
- 申請前に行政書士や入管の相談窓口に相談する
- 職務内容説明書を詳細に作成し、業務内容と在留資格の関連性を明確にする
- 企業の経営状況を示す資料(決算書、会社概要等)を充実させる
- 適正な給与水準であることを証明する資料を添付する
オンライン申請の活用方法
2019年4月から導入されたオンライン申請制度により、在留資格変更手続きがより便利になりました。オンライン申請では手数料が500円安くなる(6,000円→5,500円)というメリットもあります。
オンライン申請が利用できるケース
- 所属機関(企業・学校等)がオンライン申請の利用申出を行っている場合
- 行政書士・弁護士が代理で申請する場合
- マイナンバーカードを持っている外国人本人が申請する場合(一部対応)
オンライン申請のメリット
- 入管に出向く必要がなく、時間と交通費を節約できる
- 手数料が500円割引される
- 24時間いつでも申請可能
- 審査状況をオンラインで確認できる
ただし、すべてのケースでオンライン申請が利用できるわけではありません。初めての申請や複雑なケースでは、直接入管に相談に行くことをおすすめします。
在留資格変更でよくある質問(FAQ)
Q: 短期滞在ビザから就労ビザに変更できますか?
原則として、短期滞在(観光ビザ等)から他の在留資格への変更は認められていません。特別な事情がある場合のみ例外的に許可されることがありますが、基本的には一度帰国して在留資格認定証明書を取得してから再入国する必要があります。
Q: 申請中に在留期間が切れてしまったらどうなりますか?
在留資格変更許可申請中に在留期間が満了した場合、在留期間満了後も最大2ヶ月間(または審査結果が出るまで)は適法に日本に在留できます(特例期間)。ただし、この特例期間中は原則として就労できないため注意が必要です。
Q: 不許可になった場合、再申請はできますか?
不許可になっても再申請は可能です。ただし、不許可の理由を明確にし、その問題を解消してから再申請することが重要です。入管で不許可理由を確認し、必要に応じて行政書士に相談しましょう。
Q: 転職した場合、在留資格の変更は必要ですか?
同じ在留資格の範囲内での転職であれば、在留資格の変更は不要です。ただし、転職により職種が大きく変わる場合は変更が必要になることがあります。また、転職時には「所属機関に関する届出」を14日以内に入管に届け出る義務があります。
Q: 家族の在留資格も同時に変更できますか?
家族滞在ビザを持つ家族がいる場合、主たる在留資格者(本人)の在留資格変更に合わせて、家族の在留資格も変更が必要になるケースがあります。家族分の申請も同時に行うことをおすすめします。
まとめ:在留資格変更を成功させるポイント
在留資格の変更手続きは、日本での生活やキャリアにおいて非常に重要なステップです。成功させるためのポイントをまとめます。
- 早めの準備を心がける:特に繁忙期(3〜4月)は審査に時間がかかるため、余裕を持って準備しましょう
- 必要書類を完璧に揃える:書類の不備は審査遅延や不許可の最大の原因です
- 職務内容と在留資格の整合性を確認する:申請する在留資格で認められる活動と実際の業務内容が合致しているか確認しましょう
- 専門家に相談する:不安がある場合は行政書士や弁護士に相談することで、許可率を高めることができます
- オンライン申請を活用する:手数料の割引や時間の節約など、メリットが多いオンライン申請を積極的に活用しましょう
在留資格の変更は一見複雑に見えますが、正しい知識を持って適切に準備すれば、スムーズに手続きを進めることができます。本記事の情報を参考に、確実に在留資格の変更手続きを完了させてください。
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