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地域別就職ガイド【日本全国】

農業・漁業地域の就職情報と生活

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
農業・漁業地域の就職情報と生活

日本の農業・漁業地域で外国人が働くための就職情報を徹底解説。特定技能ビザの取得条件、地域別の給与水準、生活環境、求人の探し方から労働者の権利まで、地方で充実したキャリアを築くために必要な情報をまとめました。

農業・漁業地域の就職情報と生活ガイド【外国人向け】

日本の地方では農業や漁業の分野で深刻な人手不足が続いており、外国人労働者の需要が年々高まっています。2024年10月時点で日本の外国人労働者数は約230万人に達し、全労働者の3.7%を占めるまでになりました。特に農業・漁業の分野では特定技能ビザを活用した外国人材の受け入れが積極的に進められています。

この記事では、日本の農業・漁業地域で働くための就職情報や生活環境、必要なビザの種類から地域ごとの特色まで、外国人の方が地方で充実したキャリアを築くために必要な情報を詳しく解説します。

日本の農業・漁業分野の現状と外国人労働者の需要

日本の農業・漁業分野では、少子高齢化の影響で労働力不足が深刻な課題となっています。特に漁業分野では就業者数が2003年の23.8万人から2022年には約12.3万人へと大幅に減少し、就業者の平均年齢は56.9歳と高齢化が進んでいます。

こうした背景から、日本政府は2019年に特定技能制度を創設し、農業・漁業分野での外国人労働者の受け入れを本格化させました。2024年6月末時点で特定技能制度による就労者数は33.6万人超を記録しており、制度創設以来最高の水準です。

農業分野では特にベトナム、インドネシア、フィリピン出身の方が多く活躍しています。外国人労働者数は2008年の約50万人から2024年には230万人へと4倍以上に増加しており、農業・漁業の現場でも外国人材は欠かせない存在となっています。

日本での就職活動完全ガイドも併せて確認しておくと、就職活動の全体像が把握できます。

農業分野で働くための在留資格と条件

外国人が日本の農業分野で働くためには、適切な在留資格が必要です。以下の表で主な在留資格と条件を比較します。

在留資格就労期間日本語要件学歴要件家族帯同転職可否
特定技能1号(農業)最長5年N4相当以上不要不可可能
技能実習最長5年N5相当不要不可原則不可
身分系ビザ(永住者等)制限なしなし不要可能自由
技術・人文知識・国際業務更新可能なし大卒以上可能可能

特定技能「農業」は学歴や母国での関連業務経験が求められないため、比較的取得しやすい在留資格です。ただし、農業技能測定試験と日本語能力試験(N4以上)の合格が必要となります。

農業分野の業務は大きく「栽培管理」と「飼養管理」の2つに分かれます。注意すべき点として、農産物の選別作業のみに従事することはできず、必ず栽培管理または飼養管理の業務が含まれていなければなりません。

また、特定技能「農業」では直接雇用だけでなく派遣雇用も認められているという特徴があります。これは季節的な繁閑差が大きい農業の特性に対応したもので、複数の農家で働くことも可能です。

詳しいビザ情報は特定技能ビザ完全ガイドをご覧ください。

漁業分野で働くための在留資格と特徴

漁業分野も農業と同様に特定技能制度の対象分野です。特定技能「漁業」の業務は「漁業」と「養殖業」の2つに分類され、それぞれの関連業務も行うことができます。

漁業の主な業務内容:

  • 漁具の製作・補修
  • 水産動植物の探索・漁獲・採捕
  • 漁獲物の処理・保蔵
  • 安全衛生の確保

養殖業の主な業務内容:

  • 養殖資材の製作・補修・管理
  • 養殖水産動植物の育成・収獲・処理
  • 生産物の運搬・陳列
  • 安全衛生の確保

特定技能「漁業」でも直接雇用と派遣雇用の両方が認められており、これは農業と漁業の2分野のみに適用される特例です。派遣形態では、漁業協同組合などを通じた雇用が可能で、季節に応じて異なる漁場で働くことができます。

漁業で働くには体力面の条件も重要です。特に遠洋漁業では長期間の船上生活が伴うため、健康状態が良好であることが求められます。

就労ビザ16種類の特徴と取得条件で在留資格の全体像を確認できます。

農業・漁業の主要地域と給与水準

日本各地には農業・漁業が盛んな地域があり、地域ごとに特色が異なります。以下の表で主要地域の情報を確認しましょう。

地域主な産業月収目安生活費目安(月額)特徴
北海道畑作・酪農・漁業18〜25万円10〜13万円広大な農地、冬は厳しい寒さ
東北(青森・秋田)米作・りんご・漁業16〜22万円9〜12万円果樹栽培が盛ん、冬の降雪
北陸(新潟・富山)米作・漁業17〜23万円9〜12万円米どころ、新鮮な魚介類
関東(茨城・千葉)畑作・野菜栽培18〜24万円11〜14万円都市部へのアクセス良好
中国・四国柑橘類・漁業16〜22万円9〜11万円温暖な気候、養殖業も盛ん
九州(熊本・宮崎)畜産・畑作・漁業17〜23万円9〜12万円温暖で農業に適した気候

給与は地域や雇用形態によって異なりますが、農業分野の特定技能で働く場合、月収は16万〜25万円程度が一般的です。地方は都市部と比べて家賃が大幅に安いため、手取り額に対する生活費の割合は低く抑えられます。

給与の詳細については給料・年収・待遇ガイドをご覧ください。

農業・漁業地域での生活環境と住居

地方の農業・漁業地域で生活する上で知っておきたいポイントを紹介します。

住居について: 多くの農業法人や漁業組合では、外国人労働者向けの社員寮や住居を提供しています。家賃は月2〜5万円程度(光熱費込みの場合も)と都市部に比べて非常に安く、中には無料で住居を提供する農家もあります。

交通について: 地方では公共交通機関が限られているため、自転車や車が日常の移動手段となります。農場や漁港までは会社の送迎バスが利用できる場合もあります。

買い物・医療: スーパーやコンビニは車で10〜30分圏内にあることが多いです。医療機関へのアクセスは都市部と比べて限られますが、自治体の多言語対応サービスが整備されている地域も増えています。

コミュニティ: 地方には外国人コミュニティが存在する地域も多く、同じ国出身の仲間と交流できる環境があります。また地域の農協や漁協が主催するイベントに参加することで、地元住民との交流も深められます。

住居の詳細は住居・生活インフラ完全ガイドをチェックしましょう。地域ごとの就職情報は地域別就職ガイドで確認できます。

農業・漁業で働くメリットとデメリット

外国人が日本の農業・漁業分野で働くことには、メリットとデメリットの両面があります。

メリット:

  1. 需要が高い – 人手不足が深刻なため、採用されやすい状況が続いています
  2. 生活費が安い – 地方は家賃・食費が都市部の半額以下の場合もあります
  3. 住居提供 – 多くの雇用主が社員寮や住居を用意してくれます
  4. 自然豊かな環境 – 都市の喧騒から離れた穏やかな暮らしが楽しめます
  5. 特定技能の取得しやすさ – 学歴不問で在留資格が取得できます
  6. 派遣雇用が可能 – 季節に応じた柔軟な働き方ができます

デメリット:

  1. 肉体労働 – 体力が必要な仕事が多く、天候に左右される日もあります
  2. 交通の不便さ – 公共交通機関が少ない地域がほとんどです
  3. 言語の壁 – 地方では英語対応が少なく、日本語力が求められます
  4. 季節変動 – 農業は季節による繁閑差があり、収入が不安定な時期もあります
  5. 都市部へのアクセス – 大きな商業施設や娯楽施設まで距離がある場合が多いです

これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、自分のライフスタイルや目標に合った選択をすることが大切です。

キャリアアップの可能性については転職・キャリアアップ戦略完全ガイドをご覧ください。

農業・漁業の求人の探し方と応募のポイント

農業・漁業分野の求人を効率的に探すための方法を紹介します。

主な求人探しの方法:

  1. ハローワーク – 全国のハローワークでは外国人向けの求人紹介サービスを行っており、地方の農業・漁業求人も多数掲載されています
  1. 外国人向け求人サイトWORK JAPANなど外国人に特化した求人サイトで農業・漁業の求人を検索できます
  1. 登録支援機関 – 特定技能で働く場合は、登録支援機関を通じて求人紹介や生活サポートを受けられます
  1. 農協・漁協 – 地域の農業協同組合や漁業協同組合に直接問い合わせる方法もあります
  1. 人材派遣会社 – 農業・漁業に特化した人材派遣会社を利用する方法も有効です

応募時のポイント:

  • 在留カードの有効期限を確認しておく
  • 農業技能測定試験や漁業技能測定試験の合格証を準備する
  • 日本語能力試験(JLPT)N4以上の結果を用意する
  • 健康診断書を事前に取得しておく(漁業では特に重要)
  • 季節ごとの業務内容と勤務条件を事前に確認する

求人サイトの活用法は求人サイト・転職エージェント活用ガイドで詳しく解説しています。

農業・漁業で働く外国人の権利と法的保護

外国人労働者であっても、日本の労働法は日本人と同等に適用されます。知っておくべき重要な権利と保護について説明します。

労働条件に関する権利:

  • 最低賃金法が適用される(地域ごとに異なる最低賃金が保障される)
  • 同一労働同一賃金の原則が適用される
  • 労働基準法による労働時間・休日の規制が適用される
  • 残業手当の支払い義務がある(法定労働時間超過分)

社会保険について:

  • 健康保険への加入義務がある
  • 厚生年金への加入義務がある
  • 雇用保険への加入義務がある
  • 労災保険は自動的に適用される

困ったときの相談先:

  • 外国人労働者相談コーナー(各都道府県の労働局に設置)
  • 多言語対応の相談窓口(自治体が運営)
  • 法テラス(法的トラブルの相談)
  • 大使館・領事館(母国の外交機関)

税金や社会保険の詳細は税金・社会保険・年金の完全ガイドで確認できます。労働法の詳しい内容は労働法・職場の権利ガイドをご覧ください。

まとめ:農業・漁業地域での就職を成功させるために

日本の農業・漁業分野は外国人労働者にとって、地方での安定した生活とキャリアを築くための有力な選択肢です。人手不足を背景に採用のハードルは比較的低く、住居提供や生活費の安さなど、地方ならではのメリットも多くあります。

就職を成功させるためのステップをまとめます:

  1. 在留資格の確認 – 特定技能「農業」「漁業」の取得条件を確認し、必要な試験に合格する
  2. 地域選び – 自分の希望する農業・漁業の種類に合った地域を選ぶ
  3. 求人情報の収集 – ハローワーク、求人サイト、登録支援機関を活用する
  4. 生活環境の確認 – 住居、交通、医療へのアクセスを事前に調べる
  5. 日本語力の向上 – 地方では日本語コミュニケーション能力が特に重要になる
  6. 権利の理解 – 労働法や社会保険の知識を身につけ、自分を守る

農業・漁業は日本の食を支える重要な産業であり、そこで働く外国人の方々はますます重要な存在となっています。適切な準備と情報収集を行い、充実した地方生活を実現しましょう。

日本でのビジネスマナーについては日本のビジネスマナー・文化完全ガイドを、日本語学習については日本語能力と語学スキル向上ガイドを参考にしてください。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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