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留学生から社会人への就職完全ガイド

留学生が知っておくべき日本の労働法

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
留学生が知っておくべき日本の労働法

日本で働く留学生のための労働法完全ガイドです。資格外活動許可の取得方法から、週28時間の労働時間制限、最低賃金や割増賃金の権利、禁止業種、違反時の罰則まで徹底解説。困った時の相談先情報も詳しく掲載しています。

留学生が知っておくべき日本の労働法【完全ガイド】

日本で学ぶ留学生にとって、アルバイトは生活費を補い、日本社会を体験する重要な機会です。しかし、日本の労働法を正しく理解していないと、知らないうちに法律に違反してしまい、最悪の場合は強制退去になるリスクがあります。毎年約200〜300人の留学生が就労規制違反により在留資格を失っているという統計もあり、決して他人事ではありません。この記事では、留学生が必ず知っておくべき日本の労働法の基本から、具体的な権利と義務、違反時のリスクまで徹底的に解説します。

留学生がアルバイトするための基本条件

留学生の在留資格は「留学」であり、本来は就労が認められていません。アルバイトをするためには、まず資格外活動許可を取得する必要があります。

資格外活動許可とは

資格外活動許可とは、入国管理局から得られる許可で、留学生が本来の在留資格の活動以外に、報酬を受ける活動を行うことを認めるものです。この許可がなければ、たとえ1時間のアルバイトでも違法となります。

申請は最寄りの入国管理局で行えます。必要書類は以下の通りです:

  • 資格外活動許可申請書
  • パスポート
  • 在留カード
  • 在学証明書(大学・専門学校から取得)

なお、2025年12月からは資格外活動許可の付与方法が厳格化され、これまで入国時に自動的に付与されていた仕組みが、個別審査方式に変更される方針です(参照:外国人雇用のルール厳格化について)。留学生はこの制度変更に注意しましょう。

労働時間の制限を正しく理解する

留学生のアルバイトで最も重要なルールが週28時間の労働時間制限です。このルールを正確に理解することが、トラブルを防ぐ第一歩となります。

週28時間ルールの詳細

通常の学期中は、1週間の合計労働時間が28時間以内に制限されています。この28時間には残業時間も含まれるため注意が必要です。

重要なポイントとして、複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての職場の労働時間を合算して28時間以内に収める必要があります。例えば、コンビニで週15時間、レストランで週15時間働くと合計30時間となり、規制違反になります。

期間1日の上限1週間の上限備考
通常の学期中制限なし(ただし週28時間以内)28時間残業時間を含む
長期休暇中(夏休み等)8時間40時間学則で定められた休暇期間のみ
試験期間中制限なし(ただし週28時間以内)28時間通常の学期と同じ扱い

長期休暇中(夏休み・冬休み・春休みなど)は、1日8時間・週40時間まで拡大されます。ただし、これは学校の学則で正式に定められた休暇期間のみに適用されます(参照:留学生バイトの就労時間制限)。

留学生に適用される労働基準法の権利

「外国人だから」という理由で不当な扱いを受ける必要はありません。日本の労働基準法は、国籍に関係なくすべての労働者に適用されます。留学生も以下の権利が保障されています。

最低賃金の保障

日本では地域ごとに最低賃金が定められており、留学生のアルバイトにも同様に適用されます。2025年度の全国加重平均は1,055円(時給)です。雇用主が最低賃金を下回る賃金を支払うことは違法です。

割増賃金の権利

以下の場合、通常の賃金に加えて割増賃金を受け取る権利があります:

労働条件割増率具体例
時間外労働(1日8時間超)25%以上時給1,100円の場合→1,375円以上
深夜労働(22時〜翌5時)25%以上時給1,100円の場合→1,375円以上
休日労働(法定休日)35%以上時給1,100円の場合→1,485円以上
時間外+深夜50%以上時給1,100円の場合→1,650円以上

その他の労働者の権利

  • 有給休暇:6ヶ月以上継続勤務し、出勤率80%以上の場合に発生
  • 労災保険:アルバイト中の事故やケガは労災保険の対象
  • 解雇予告:30日前の予告または30日分の解雇予告手当が必要
  • 賃金の全額払い:給料から不当な天引きは禁止

給料・年収・待遇について詳しく知りたい方は、関連ガイドも参考にしてください。

留学生が働けない業種(禁止職種)

資格外活動許可を取得していても、すべての業種で働けるわけではありません。風俗営業法で定められた以下の業種では、留学生は一切働くことができません(参照:留学生の職種制限)。

禁止されている業種一覧

  • パチンコ店・スロット店
  • キャバクラ・ホストクラブ
  • スナック・バー(接待を伴うもの)
  • ゲームセンター(風営法適用のもの)
  • 照度10ルクス以下の喫茶店やバー
  • その他、風俗営業法第2条に該当する営業

注意すべき点として、居酒屋やレストランで働くことは基本的に問題ありませんが、接待行為(ホスト・ホステスのように客をもてなすこと)を求められる店では働けません。求人に応募する際は、その店の営業形態を事前に確認しましょう。

違反した場合のリスクと罰則

労働法に違反した場合、留学生本人と雇用主の双方に厳しい罰則が科されます。「知らなかった」は言い訳になりません。

留学生本人への罰則

  • 在留資格の取り消し:資格外活動許可の条件に違反した場合
  • 強制退去(退去強制):不法就労と認定された場合
  • 在留期間の更新不許可:次回の在留期間更新が認められなくなる
  • 再入国拒否:強制退去後、5年間(場合により10年間)日本に入国できなくなる

雇用主への罰則

雇用主が留学生を不法に働かせた場合、不法就労助長罪が適用されます:

  • 3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその両方

法務省入国管理局の統計によると、毎年約200〜300人の留学生が就労規制違反で在留資格を失っています。これは決して少ない数字ではなく、自分が違反者にならないよう細心の注意を払う必要があります(参照:留学生の雇用に関するルール)。

税金と社会保険の基礎知識

アルバイトで収入を得ると、税金や社会保険の問題も出てきます。留学生が知っておくべきポイントを整理しましょう。

所得税

アルバイトの給与からは、一定額を超えると所得税が源泉徴収されます。年間の給与所得が103万円以下であれば、確定申告により還付を受けられる可能性があります。また、日本と租税条約を結んでいる国の留学生は、一定の免税措置を受けられる場合があります。

住民税

前年の所得に基づいて翌年に課税されます。年間所得が一定額を超える場合、住民税の支払い義務が発生します。帰国する場合も未払いの住民税があると問題になるため、注意が必要です。

社会保険

留学生は以下の社会保険に関する扱いを理解しておく必要があります:

  • 国民健康保険:加入義務あり(留学生も対象)
  • 国民年金:20歳以上は加入義務あり(学生納付特例制度あり)
  • 雇用保険:留学生は原則として適用外
  • 労災保険:アルバイト先で自動加入(本人負担なし)

卒業後の就職と在留資格の変更

留学を終えて日本で就職する場合、在留資格を「留学」から就労可能な在留資格に変更する必要があります。留学生から社会人への就職は、多くの留学生が経験する大きなステップです。

主な就労ビザの種類:

卒業後すぐに就職先が決まっていない場合は、特定活動ビザ(就職活動用)に変更することで、最大1年間の就職活動期間が認められます。

トラブルに遭った時の相談先

もし職場でトラブルに遭った場合、一人で悩まず、以下の相談窓口を活用しましょう。

主な相談窓口

  • 労働基準監督署:賃金未払い、長時間労働などの相談
  • 外国人労働者向け相談ダイヤル(厚生労働省):多言語対応の電話相談
  • 法テラス(日本司法支援センター):無料法律相談
  • 各地域の国際交流協会:生活全般の相談
  • 大学の留学生課:在留資格やアルバイトに関する相談

職場で不当な扱いを受けた場合は、泣き寝入りせずに専門機関に相談することが大切です。日本のビジネスマナーや文化を理解した上で、自分の権利もしっかり守りましょう(参照:Employment and Labour Laws Japan)。

まとめ:留学生が労働法で気をつけるべき5つのポイント

日本でアルバイトをする留学生が必ず守るべきポイントをまとめます。

  1. 資格外活動許可を必ず取得する:許可なしのアルバイトは不法就労になる
  2. 週28時間の制限を厳守する:掛け持ちの場合は合算して計算する
  3. 禁止業種で働かない:風俗営業法に該当する店舗でのアルバイトは厳禁
  4. 自分の権利を知る:最低賃金、割増賃金、有給休暇などは国籍に関係なく適用される
  5. 困ったら相談する:労働基準監督署や外国人相談窓口を積極的に活用する

日本の労働法を正しく理解し、安全で充実した留学生活を送りましょう。就職活動キャリアアップを見据えて、アルバイト経験を有意義なものにしてください。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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