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IT・エンジニアとして日本で働く完全ガイド

エンジニアに日本語力はどこまで必要か?

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
エンジニアに日本語力はどこまで必要か?

外国人エンジニアが日本で働くために必要な日本語力をJLPTレベル別に解説。N1〜N5の各レベルで就職可能な企業タイプ、実際の求人傾向、効率的な学習法まで徹底ガイド。エンジニア不足でN3でも採用増加中。

エンジニアに日本語力はどこまで必要か?外国人ITエンジニアのためのJLPTレベル別ガイド

日本でエンジニアとして働きたい外国人にとって、「日本語力はどのレベルまで必要なのか?」は最も気になる疑問のひとつです。結論から言えば、求められる日本語レベルは企業や職種によって大きく異なります。英語環境が整った企業ではN3程度でも十分に活躍できる一方、日本語でのコミュニケーションが中心の企業ではN1レベルが求められることもあります。

本記事では、JLPTの各レベルで就ける仕事の範囲、企業が実際に求める日本語力の実態、そして効率的な日本語学習法まで、外国人エンジニアが知っておくべき情報を徹底解説します。日本語能力と語学スキル向上ガイドも合わせてご覧ください。

JLPTレベル別:エンジニアに求められる日本語力の目安

JLPT(日本語能力試験)は、N1からN5までの5段階で日本語能力を評価する国際的な試験です。1984年の開始時には約7,000人だった受験者数は、2022年には43万人以上に増加しており、世界的に認知された資格となっています。

以下の表は、各JLPTレベルとエンジニア職での活用可能性をまとめたものです。

JLPTレベル日本語力の目安エンジニア職での評価就職可能な企業タイプ
N1ビジネス日本語を完全に理解できる非常に高く評価される日系大手、コンサル、管理職
N2日常的なビジネス会話ができる多くの企業で十分日系企業全般、SIer
N3基本的な日本語でのやりとりエンジニア不足で需要増加中外資系、英語環境の日系企業
N4簡単な日常会話レベル技術力次第で可能英語公用語の外資系IT企業
N5基礎的な日本語を理解できる限定的完全英語環境の企業のみ

一般的にN1・N2レベルが求められるケースが多いですが、エンジニア不足の深刻化により、N3レベルでも積極的に採用する企業が増えています。

企業タイプ別:実際に求められる日本語レベル

日系大手企業・SIer

日系の大手IT企業やSIer(システムインテグレーター)では、N2以上の日本語力が求められるのが一般的です。特に、顧客とのやりとりが発生するポジションでは、N1レベルの読み書き能力やビジネス日本語力が重要になります。ただし、技術力が非常に高いエンジニアであれば、N2レベルでも十分に評価されることがあります。

外資系IT企業・スタートアップ

外資系企業やグローバルなスタートアップでは、社内公用語が英語であるケースが多く、N3〜N4レベルでも問題なく働けることがあります。メルカリ、LINE、楽天など、英語環境を整備している日系企業もあります。このような企業では、日本語力よりも技術力や実務経験が重視されます。

受託開発・中小企業

日本語でのコミュニケーションが業務の中心となるため、N2以上が求められるケースがほとんどです。特に、クライアントとの打ち合わせや仕様書の読み取りなど、高度な日本語力が必要な場面が多くなります。

IT・エンジニアとして日本で働く完全ガイドで、エンジニア職の詳しい働き方を確認できます。

JLPTだけでは測れない「本当のコミュニケーション力」

採用時に注意すべき重要なポイントとして、JLPT=実際の日本語コミュニケーション能力ではないという点があります。JLPTは「聞く」「読む」技能のみを測定しており、「話す」「書く」能力は試験で問われません。

そのため、N1を取得していても実際のビジネス会話が苦手な人もいれば、N3レベルでも流暢に日本語を話せる人もいます。企業もこの点を認識しており、JLPT資格だけでなく面接での会話力を重視する傾向が強まっています。

エンジニアに本当に必要なコミュニケーション場面

エンジニアが日常業務で日本語を使う場面は主に以下の通りです:

  • 朝会・スタンドアップミーティング:進捗報告と課題共有
  • コードレビュー:日本語でのコメントやフィードバック
  • 仕様書・設計書の読み書き:技術ドキュメントの理解と作成
  • Slackやチャットでのやりとり:テキストベースのコミュニケーション
  • 障害対応時の緊急連絡:正確かつ迅速な情報伝達

これらの場面では、JLPT対策だけではカバーできない実践的な日本語力が求められます。

エンジニアリングは日本語不要で高収入が狙える数少ない職種

注目すべき事実として、エンジニアリングは日本語スキルが必須でない数少ない高給職のひとつです。技術・人文知識・国際業務ビザには明確な日本語要件がなく、技術力さえあれば日本語が不十分でも就労が可能です。

外国人エンジニアの給与は、スキルや経験によって大きく異なりますが、日本語力が高いほど交渉力が増し、より高い給与を得やすくなります。給料・年収・待遇ガイドで詳しい情報を確認できます。

日本語力と年収の関係

日本語レベル平均年収レンジ(目安)就職しやすさ
N1500万〜900万円★★★★★
N2450万〜750万円★★★★☆
N3400万〜650万円★★★☆☆
N4以下350万〜600万円★★☆☆☆

※技術力や経験年数によって大きく変動します。

企業が整備する「ブリッジ人材」と英語環境

近年、外国人エンジニアの採用を強化する企業では、ブリッジ人材(通訳・翻訳担当)を配置し、日本語力が不十分なエンジニアでも円滑に業務を進められる環境を整備する動きが広がっています。

ブリッジ人材は、日本人エンジニアと外国人エンジニアの間のコミュニケーションをサポートし、言語の壁によるミスコミュニケーションを防ぐ重要な役割を担っています。

また、以下のような企業側の取り組みも増えています:

  • 社内ドキュメントの英語化:仕様書やマニュアルを英語でも作成
  • 多言語対応のチャットツール導入:リアルタイム翻訳機能の活用
  • 日本語研修プログラムの提供:入社後の日本語学習サポート
  • バイリンガルマネージャーの配置:外国人チームメンバーへの直接サポート

日本のビジネスマナー・文化完全ガイドも参考にして、日本語力以外のコミュニケーションスキルも身につけましょう。

効率的な日本語学習戦略:エンジニア向け

エンジニアとして日本で働きながら日本語力を向上させるには、以下の戦略が効果的です。

1. IT用語から始める

まずはプログラミングや開発に関連する日本語のIT用語を覚えましょう。「環境構築」「テスト」「デプロイ」「レビュー」「バグ修正」など、日常業務で頻繁に使う用語から始めることで、仕事に直結する日本語力が身につきます。

2. ビジネス日本語に特化する

一般的なJLPT対策だけでなく、ビジネス日本語を重点的に学びましょう。メールの書き方、会議での発言パターン、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の仕方など、実務で使うフレーズを優先的に覚えることが重要です。

3. 日本語環境に積極的に飛び込む

言語学習で最も効果的なのは実践です。日本人の同僚とランチに行く、社内の勉強会に参加する、地域のコミュニティイベントに参加するなど、意識的に日本語を使う機会を増やしましょう。ネットワーキング・コミュニティ活用ガイドを参考にしてください。

4. オンラインリソースを活用する

無料のオンライン学習ツールやアプリを活用して、隙間時間にも学習を継続しましょう。特にエンジニアであれば、技術ブログやQiita、Zennなどの日本語の技術記事を読むことで、IT用語と日本語力を同時に鍛えることができます。

外国人ITエンジニアの出身国と日本語力の傾向

現在、日本で働く外国人ITエンジニアは主にアジア諸国から来ています。特に中国、インド、ベトナム、フィリピン、韓国出身のエンジニアが多く、それぞれの出身国によって日本語力の傾向も異なります。

  • 中国・韓国出身者:漢字圏であるため読み書きに強く、比較的短期間でN1・N2を取得する傾向
  • ベトナム出身者:日本語学校での学習経験がある場合が多く、N3〜N2レベルが多い
  • インド出身者:英語力が高く、英語環境での就労が中心。日本語はN4〜N3程度
  • フィリピン出身者:英語力を活かした職場を好む傾向

外国人が活躍する業界トレンドもチェックして、最新の動向を把握しましょう。

まとめ:自分に合った日本語レベルを見極めよう

エンジニアに必要な日本語力は、「すべての人にN1が必須」というわけではありません。大切なのは、自分が目指す企業やポジションに必要なレベルを正確に把握することです。

  • 外資系・英語環境の企業を目指す場合:N3〜N4でも技術力があれば十分
  • 日系企業での長期キャリアを考える場合:N2以上を目指すのが理想的
  • 管理職やコンサルを目指す場合:N1レベルの高度な日本語力が必要

日本語力は一朝一夕に身につくものではありませんが、エンジニアとしての技術力を活かしながら、段階的に日本語力を向上させていくことで、キャリアの可能性は大きく広がります。

まずは日本での就職活動完全ガイドを読んで就職活動の全体像を把握し、求人サイト・転職エージェント活用ガイドで自分に合った求人を探してみましょう。また、履歴書・職務経歴書の書き方完全ガイドで応募書類の準備も始めてください。

あなたの技術力と日本語力のバランスを見極め、最適なキャリアプランを立てていきましょう。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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