IT企業のビザスポンサーシップ事情と探し方

日本のIT企業でビザスポンサーシップを提供する140社以上の企業の探し方を徹底解説。技術・人文知識・国際業務ビザの取得条件、専門求人サイトの活用法、応募から入社までの流れ、必要なスキルまで、外国人エンジニア向けに詳しく紹介します。
IT企業のビザスポンサーシップ事情と探し方
日本のIT業界は深刻な人材不足に直面しており、外国人エンジニアの採用に積極的な企業が増えています。2030年までに約45万〜79万人のIT人材が不足すると予測される中、ビザスポンサーシップを提供するIT企業は年々増加傾向にあります。この記事では、日本のIT企業におけるビザスポンサーシップの現状と、スポンサー企業の効率的な探し方を詳しく解説します。
日本のIT業界におけるビザスポンサーシップの現状
日本のIT業界では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、外国人IT人材の需要が急速に高まっています。Japan Devによると、現在140社以上のIT企業がビザスポンサーシップ付きの求人を提供しています。
特に注目すべきは、AI関連職が年間25%、サイバーセキュリティ分野が30%という高い成長率を記録している点です。この成長に伴い、外国人労働者数は2024年に230万人を超え、過去最高を記録しました。
IT企業のビザスポンサーシップは、単なるビザ申請の代行だけでなく、リロケーション支援、住居手配、日本語学習サポートなど、包括的なサポートを含むケースが増えています。これは企業間の人材獲得競争が激化していることの表れでもあります。
外国人ITエンジニアに必要なビザの種類
外国人がIT企業で働くために必要な在留資格について理解することが重要です。最も一般的なビザは「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)ビザです。詳しくは技術・人文知識・国際業務ビザの取得方法もご参照ください。
| ビザの種類 | 対象業務 | 在留期間 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | エンジニア、プログラマー、SE | 5年・3年・1年・3ヶ月 | 大学卒業または10年以上の実務経験 |
| 高度専門職1号(ロ) | 高度IT人材 | 5年 | ポイント制で70点以上 |
| 特定活動46号 | IT関連業務(日本語力必要) | 1年・6ヶ月 | 日本の大学卒業+N1レベル |
| 特定技能1号 | IT分野(2024年追加) | 通算5年 | 技能試験+日本語試験合格 |
| デジタルノマドビザ | リモートワーク | 6ヶ月 | 年収1000万円以上 |
新規取得者は通常1年のビザから始まり、更新を重ねることで3年、5年と在留期間が延長されていきます。ビザの種類について詳しくは就労ビザ16種類の特徴と取得条件まとめをご覧ください。
ビザスポンサーシップを提供する主要IT企業
日本のIT業界でビザスポンサーシップを提供している代表的な企業をカテゴリー別に紹介します。Japan Devの調査によると、以下のような企業が外国人エンジニアを積極的に採用しています。
メガベンチャー・大手IT企業
楽天は英語を社内公用語としており、ビザスポンサーシップだけでなく、リロケーション支援や住宅手当も充実しています。メルカリもフルビザスポンサーシップに加え、仮住まいの提供、英語でのオンボーディング、日本語学習インセンティブなど、手厚いサポートを提供しています。
LINE、PayPay、Yahoo! JAPANなどのZホールディングスグループ各社も、英語環境を整備しながら外国人エンジニアの採用を進めています。
外資系IT企業の日本法人
Google Japan、Amazon Japan、Microsoft Japanなどの外資系IT企業も、ビザスポンサーシップを提供しています。これらの企業は英語での業務が基本となるため、日本語力が十分でない段階でも応募可能なケースが多いです。
成長中のスタートアップ
SmartHR、Timee、LegalOn Technologiesなどの急成長スタートアップも、優秀な外国人エンジニアの獲得に力を入れています。スタートアップならではの裁量の大きさや成長機会が魅力です。
ビザスポンサー付き求人の年収レンジは600万〜1000万円以上となっており、特に高度なスキルを持つエンジニアには魅力的な条件が提示されています。
ビザスポンサー企業の効率的な探し方
ビザスポンサーシップを提供するIT企業を効率的に見つけるための方法を紹介します。求人サイトの活用法については求人サイト・転職エージェント活用ガイドも参考になります。
専門求人サイトを活用する
外国人エンジニア向けの専門求人サイトが最も効率的な探し方です。
| サイト名 | 特徴 | 言語 | ビザスポンサー検索 |
|---|---|---|---|
| Japan Dev | IT特化、スタートアップ多数 | 英語 | フィルター有り |
| TokyoDev | エンジニア専門 | 英語 | フィルター有り |
| GaijinPot Jobs | 総合求人サイト | 英語 | カテゴリー検索可 |
| BLOOM TECH Career | 外国人IT特化 | 英語/日本語 | カテゴリー検索可 |
| Glassdoor Japan | グローバル求人サイト | 英語 | キーワード検索 |
| Wantedly | 企業カルチャー重視 | 日本語 | 企業ページで確認 |
Japan Devでは「Visa Sponsorship」のフィルターを使って、ビザサポートを提供する企業の求人だけを絞り込むことができます。
転職エージェントを利用する
外国人IT人材に強い転職エージェントを利用することも有効です。エージェントはビザスポンサーシップの有無を事前に確認してくれるため、効率的に求職活動を進められます。Robert Walters、Michael Page、Hays Japanなどの外資系エージェントは、英語対応が可能で外国人エンジニアの転職に豊富な実績があります。
テックイベント・ミートアップに参加する
東京や大阪で定期的に開催されるテックイベントやミートアップは、ビザスポンサー企業との接点を作る絶好の機会です。ネットワーキング・コミュニティ活用ガイドで詳しく紹介しています。
ビザスポンサー企業を選ぶ際のチェックポイント
ビザスポンサーシップを提供する企業を選ぶ際に確認すべき重要なポイントを解説します。
サポート内容の確認
企業によってビザスポンサーシップのサポート範囲は大きく異なります。フェローシップの調査によると、以下の点を事前に確認することが重要です。
- ビザ申請手続きの代行範囲:書類準備から申請までどこまでサポートしてくれるか
- リロケーション支援:渡航費用、引越し費用の負担有無
- 住居支援:社宅提供、家賃補助、初期費用の立替など
- 日本語学習支援:語学学校の費用負担、社内レッスンの有無
- ビザ更新時のサポート:初回取得だけでなく更新時も支援してくれるか
雇用契約の確認ポイント
就労ビザの取得・維持に直結するため、雇用契約の内容は特に重要です。就労ビザ申請サポートが推奨する確認事項は以下の通りです。
- 職種・業務内容が在留資格の活動範囲に合致しているか
- 給与水準が日本人と同等以上に設定されているか
- 契約期間とビザの在留期間の関係
- 試用期間中のビザステータスはどうなるか
企業の外国人採用実績
過去に外国人エンジニアを採用した実績がある企業は、ビザ申請のノウハウが蓄積されており、スムーズな手続きが期待できます。企業の口コミサイトやGlassdoorのレビューで、外国人社員の声を確認するのも有効です。
応募から入社までの流れ
ビザスポンサーシップ付きのIT企業への応募から入社までの一般的な流れを解説します。就職活動の全体像については日本での就職活動完全ガイドもご参照ください。
ステップ1:求人の検索と応募
まずは上記で紹介した専門サイトやエージェントを通じて、ビザスポンサーシップ付きの求人を見つけます。応募時には英文レジュメ(CV)とカバーレターが必要です。日本語の履歴書・職務経歴書の書き方も準備しておくと有利です。
ステップ2:選考プロセス
一般的なIT企業の選考プロセスは以下の通りです。
- 書類選考(レジュメ審査)
- 技術テスト(コーディングテスト、システム設計課題)
- 一次面接(技術面接)
- 二次面接(カルチャーフィット面接)
- 最終面接(役員面接)
- 内定・オファー
海外在住の場合、面接はオンラインで実施されることが一般的です。面接対策・選考プロセス完全ガイドで詳しい対策を確認できます。
ステップ3:内定後のビザ申請
内定後、企業が在留資格認定証明書(COE)の申請を行います。この手続きには通常1〜3ヶ月かかります。COEが交付されたら、自国の日本大使館・領事館でビザを申請し、渡日の準備を進めます。
応募を成功させるためのスキルと準備
ビザスポンサーシップを提供するIT企業に採用されるために必要なスキルと準備について解説します。
技術スキル
現在、特に需要が高い技術スキルは以下の通りです。
- プログラミング言語:Python、JavaScript/TypeScript、Go、Java、Ruby
- フレームワーク:React、Next.js、Ruby on Rails、Spring Boot
- インフラ・クラウド:AWS、GCP、Docker、Kubernetes
- AI・機械学習:TensorFlow、PyTorch、LLM関連技術
- セキュリティ:セキュリティエンジニアリング、ペネトレーションテスト
資格・スキルアップ完全ガイドで、日本のIT業界で評価される資格やスキルを確認できます。
日本語力
英語環境の企業でも、ある程度の日本語力があると選考で有利になります。JLPT N3〜N2レベルが多くの企業で歓迎されるラインです。日本語力の向上については日本語能力と語学スキル向上ガイドをご覧ください。
ポートフォリオの充実
GitHubのリポジトリ、技術ブログ、個人プロジェクトなど、実力を証明できるポートフォリオを充実させることが重要です。特にオープンソースプロジェクトへの貢献は、国際的な技術力のアピールになります。
まとめ
日本のIT業界は深刻な人材不足を背景に、外国人エンジニアへのビザスポンサーシップを積極的に提供しています。Japan Devなどの専門サイトを活用すれば、140社以上のスポンサー企業を効率的に探すことができます。
企業を選ぶ際は、ビザサポートの範囲、給与水準、外国人採用実績を総合的に判断することが大切です。技術スキルの研鑽と並行して、日本語力の向上やポートフォリオの充実にも取り組みましょう。
IT業界でのキャリア全般についてはIT・エンジニアとして日本で働く完全ガイドで、給与・待遇面については給料・年収・待遇ガイドでそれぞれ詳しく解説しています。
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