内定から入社までの流れと準備すべきこと

外国人が日本企業で内定を得てから入社するまでの流れを完全解説。在留資格変更の手続き、必要書類、雇用契約書の確認ポイント、入社後の届出まで、時系列でわかりやすく紹介します。スムーズな入社準備にお役立てください。
内定から入社までの流れと準備すべきこと【外国人向け完全ガイド】
日本で就職活動を行い、ついに内定を獲得した外国人の皆さん、おめでとうございます。しかし、内定をもらってから実際に入社するまでには、多くの手続きや準備が必要です。特に外国人の場合、在留資格の変更やビザ関連の手続きが加わるため、日本人以上に計画的な準備が求められます。
この記事では、内定から入社までの流れを時系列で解説し、外国人ならではの注意点や準備すべきことを詳しく紹介します。スムーズな入社を実現するために、ぜひ最後までお読みください。
内定から入社までの全体スケジュール
内定を受けてから入社するまでの流れは、大きく分けて以下のステップに分かれます。特に在留資格の変更手続きには1〜3ヶ月かかるため、早めの行動が重要です。
| 時期 | やるべきこと | 重要度 |
|---|---|---|
| 内定直後 | 内定承諾・雇用条件の確認 | ★★★ |
| 内定後1週間以内 | 雇用契約書の締結 | ★★★ |
| 入社3ヶ月前〜 | 在留資格変更の申請開始 | ★★★ |
| 入社2ヶ月前〜 | 住居の確保・引っ越し準備 | ★★☆ |
| 入社1ヶ月前〜 | 入社書類の準備・提出 | ★★★ |
| 入社直前 | ビジネスマナーの確認・初日の準備 | ★★☆ |
| 入社後14日以内 | 住民登録・各種届出 | ★★★ |
内定から4月入社の場合、特に1月〜3月は在留資格変更の申請が集中するため、審査に通常より時間がかかることがあります。できる限り早期に申請を開始しましょう。
内定承諾と雇用契約書の確認ポイント
内定承諾の手続き
内定を受けたら、まず内定承諾の意思を企業に伝えます。日本企業では口頭での承諾も重要視されますが、外国人の場合は書面での確認がより重要です。雇用契約書には必ず在留資格の取得を条件とする旨の条項を含めてもらいましょう。
雇用契約書で確認すべき項目
雇用契約書では以下の項目を必ず確認してください。
- 雇用期間:正社員か契約社員か、契約期間の有無
- 給与・賞与:基本給、各種手当、賞与の有無と支給時期
- 勤務時間・休日:所定労働時間、残業の有無、年間休日数
- 勤務地:転勤の可能性があるかどうか
- 業務内容:在留資格の申請に関わるため、具体的な内容を確認
- 社会保険:健康保険、厚生年金、雇用保険への加入
特に業務内容は在留資格の審査に直結するため、自分の学歴や経歴と一致しているか確認することが重要です。業務内容が在留資格の活動範囲外の場合、ビザが許可されない可能性があります。
在留資格の変更手続き【最重要ステップ】
外国人にとって内定から入社までの最も重要なステップが、在留資格の変更手続きです。この手続きが完了しないと、入社日に働き始めることができません。
留学ビザから就労ビザへの変更
日本の大学や専門学校を卒業する留学生の場合、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへの変更が必要です。
申請に必要な主な書類:
- 在留資格変更許可申請書
- パスポート・在留カード
- 証明写真(4cm×3cm)
- 雇用契約書のコピー
- 会社の登記簿謄本・決算書
- 卒業証明書または卒業見込み証明書
- 大学の成績証明書
- 理由書(活動内容の説明)
申請のタイミング: 新卒の場合、卒業前年の12月から申請受付が開始されます。4月入社を目指す場合は、遅くとも1月中には申請を完了させることをおすすめします。
海外から来日する場合
海外にいる場合は、企業が入国管理局で「在留資格認定証明書(COE)」を申請します。この証明書は発行から3ヶ月以内に入国しないと無効になるため、入社時期から逆算して申請する必要があります。
許可前の就労は厳禁
在留資格変更の申請中であっても、許可が下りるまでは現在の在留資格の範囲内でしか活動できません。許可前に就労を開始すると不法就労に該当し、内定取り消しや退去強制のリスクがあります。必ず許可が出てから入社するようにしましょう。
入社前に準備すべき書類と手続き
在留資格の手続きと並行して、入社に必要な書類や生活面の準備も進めましょう。
企業に提出する書類
一般的に入社時に求められる書類は以下の通りです。
| 書類名 | 入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| 在留カードのコピー | 本人所持 | 新しい在留カード取得後 |
| パスポートのコピー | 本人所持 | 顔写真ページ |
| 住民票 | 市区町村役所 | 住民登録後に取得 |
| マイナンバー通知 | 市区町村役所 | 住民登録時に発行 |
| 銀行口座情報 | 銀行 | 給与振込用 |
| 年金手帳 | 年金事務所 | 基礎年金番号 |
| 健康診断書 | 医療機関 | 入社3ヶ月以内のもの |
| 卒業証明書 | 学校 | 原本が必要な場合あり |
| 源泉徴収票 | 前職 | 転職の場合のみ |
銀行口座の開設
日本の企業では給与は銀行振込が一般的です。まだ日本の銀行口座を持っていない場合は、早めに開設手続きを行いましょう。外国人が口座開設できる銀行としては、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行などがあります。在留期間が6ヶ月以上あることが口座開設の条件となる場合が多いため、在留カードの取得後に手続きすることをおすすめします。
住居の確保
入社に合わせて引っ越しが必要な場合は、住居探しも早めに始めましょう。外国人の場合、賃貸契約に保証人や保証会社が必要になることが多く、時間がかかる場合があります。企業によっては社宅や住居手当を提供している場合もあるため、内定時に確認しておきましょう。
入社後に必要な届出と手続き
入社日を迎えたら、以下の届出と手続きを行う必要があります。
住民登録(入国後14日以内)
新しく日本に入国した場合や引っ越しをした場合は、居住地を定めてから14日以内に市区町村役所で住民登録を行う必要があります。住民登録時にはマイナンバーが発行されます。
社会保険への加入
入社と同時に、会社を通じて以下の社会保険に加入します。
- 健康保険:医療費の自己負担が3割になる
- 厚生年金保険:将来の年金受給のための保険
- 雇用保険:失業時の給付を受けるための保険
- 労災保険:業務中の事故やケガに対する保険
これらの手続きは基本的に企業側が行いますが、外国人雇用状況の届出をハローワークに提出する義務が企業にあります。
在留カードの届出
就労を開始したら、所属機関に関する届出を入国管理局に行う義務があります。入社日から14日以内に届け出ましょう。転職や退職の際にも届出が必要です。
ビジネスマナーと入社初日の準備
日本企業で良いスタートを切るために、入社前にビジネスマナーを確認しておくことも大切です。
入社初日に気をつけること
- 服装:スーツが基本。会社から指定がない限り、黒・紺・グレーのスーツを着用
- 持ち物:筆記用具、メモ帳、印鑑、在留カード、入社書類
- 時間厳守:始業時間の15〜30分前に到着するのが望ましい
- 挨拶:「本日からお世話になります、○○(名前)です。よろしくお願いいたします」
- 名刺交換:両手で受け取り、テーブルの上に名刺入れの上に置く
日本語力の向上
入社までの期間を活用して、ビジネス日本語のスキルを向上させましょう。特に敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)の使い方、電話応対、メールの書き方は事前に練習しておくと安心です。日本語能力の向上に取り組むことで、職場でのコミュニケーションがスムーズになります。
よくあるトラブルと対処法
内定から入社までの間に起こりやすいトラブルと、その対処法を紹介します。
在留資格の変更が入社日に間に合わない場合
1月〜3月は申請が集中するため、審査が遅れることがあります。この場合、以下の対応を検討してください。
- 企業に相談して入社日を調整してもらう
- 入国管理局に申請状況を問い合わせる
- 「特定活動」ビザで就労開始日まで待機する場合もある
内定取り消しのリスク
在留資格が取得できない場合、内定が取り消される可能性があります。雇用契約書に在留資格取得を条件とする条項がある場合は、この条件が満たされないと契約自体が無効になることがあります。
住居が見つからない場合
外国人向けの住居サポートサービスや、自治体の外国人相談窓口を利用しましょう。企業の人事部門に相談することで、社宅の手配や不動産会社の紹介を受けられる場合もあります。
まとめ:入社準備チェックリスト
内定から入社までの準備をスムーズに進めるために、以下のチェックリストを活用してください。
- ☐ 内定承諾の意思を企業に伝える
- ☐ 雇用契約書の内容を確認・締結する
- ☐ 在留資格変更の必要書類を準備する
- ☐ 在留資格変更許可申請を提出する(入社3ヶ月前まで)
- ☐ 銀行口座を開設する
- ☐ 住居を確保する
- ☐ 入社書類を準備・提出する
- ☐ 健康診断を受ける
- ☐ ビジネスマナーを確認する
- ☐ 入社後14日以内に住民登録を行う
- ☐ 社会保険の加入手続きを確認する
内定をもらった喜びもつかの間、やるべきことは山積みです。しかし、一つひとつ計画的に進めていけば、必ずスムーズな入社を実現できます。困ったことがあれば、企業の人事担当者や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
日本での新生活とキャリアの成功を心から応援しています。就職活動全体の流れや給料・待遇についても、ぜひ関連記事をご覧ください。
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