求人票の読み方と見るべきポイント

日本で就職・転職を目指す外国人向けに、求人票の正しい読み方を徹底解説。給与の額面と手取りの違い、ブラック企業の見分け方7選、2024年法改正の新記載事項、実践チェックリストなど必見の情報をまとめました。
求人票の読み方と見るべきポイント【外国人が日本で就職するために】
日本で就職・転職を考えている外国人にとって、求人票を正しく読み解くことは非常に重要です。求人票には給与、勤務時間、福利厚生など、働く上で欠かせない情報が詰まっています。しかし、日本独自の表記ルールや専門用語があるため、慣れていないと見落としがちなポイントも多くあります。
この記事では、外国人の方が求人票を見る際に必ずチェックすべきポイントを徹底解説します。ブラック企業を避けるための注意点や、2024年4月から施行された法改正による新たな記載事項についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
求人票の基本構成を理解しよう
日本の求人票には、法律で定められた必須記載項目があります。まず全体の構成を把握しておくことで、効率的に情報を読み取ることができます。
求人票の見方を理解することが就職活動の第一歩です。求人票は主に以下の項目で構成されています:
- 会社情報:企業名、所在地、事業内容、従業員数
- 仕事内容:職種、業務の詳細、配属先
- 雇用条件:雇用形態(正社員・契約社員・派遣など)、契約期間
- 給与・待遇:基本給、手当、賞与、昇給
- 勤務時間・休日:始業・終業時刻、残業の有無、休日・休暇
- 福利厚生:社会保険、交通費、住宅手当など
- 応募資格:学歴、経験、資格、語学力
特に外国人の方は、在留資格に関する記載があるかどうかも必ず確認しましょう。ビザのサポートを行う企業かどうかは、就職活動において非常に重要な判断材料となります。
給与・年収の見方と注意すべきポイント
求人票で最も気になるのが給与欄でしょう。しかし、日本の求人票における給与表示にはいくつかの注意点があります。
!給与・年収の見方と注意すべきポイント - illustration for 求人票の読み方と見るべきポイント
額面と手取りの違い
求人票に記載されている給与は「額面(がくめん)」であり、実際に銀行口座に振り込まれる「手取り」ではありません。額面から社会保険料(約15%)、所得税、住民税が差し引かれるため、手取りは額面の約75〜80%程度になります。
詳しい控除の仕組みについては、税金・社会保険・年金の完全ガイドをご参照ください。
固定残業代(みなし残業)に要注意
「固定残業代」や「みなし残業代」が含まれている場合は特に注意が必要です。例えば「月給25万円(固定残業代40時間分5万円を含む)」と書かれている場合、基本給は実質20万円であり、月40時間の残業が前提となっています。
給与幅が広すぎる求人に注意
「月給20万〜50万円」のように給与幅が極端に広い求人は、実際には最低額に近い給与からスタートするケースがほとんどです。給料・年収・待遇ガイドも参考にして、業界の相場を把握しておきましょう。
| 給与表記 | 意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 月給25万円 | 毎月の基本的な給与額 | 額面であり手取りではない |
| 年収350万円 | 賞与含む年間総支給額 | 賞与は業績により変動する可能性あり |
| 月給25万円(固定残業代含む) | 残業代が月給に含まれている | 基本給部分を必ず確認 |
| 時給1,200円 | パート・アルバイトの時間給 | 交通費が別途支給されるか確認 |
| 月給20万〜50万円 | 経験・能力による幅 | 下限値に近い給与からスタートが多い |
勤務時間・休日の読み方
勤務時間と休日に関する記載は、ワークライフバランスに直結する重要な項目です。
!勤務時間・休日の読み方 - illustration for 求人票の読み方と見るべきポイント
「週休2日制」と「完全週休2日制」の違い
この2つは似ているようで全く異なる意味を持っています:
- 完全週休2日制:毎週必ず2日間の休みがある
- 週休2日制:月に1回以上、週2日の休みがある週がある(毎週2日休みとは限らない)
つまり「週休2日制」では、月の大半が週1日休みの可能性もあります。必ず「完全」がついているか確認しましょう。
年間休日数の目安
厚生労働省の調査によると、日本の労働者の平均年間休日数は約115日です。労働基準法では週40時間・1日8時間が上限のため、最低でも年間105日の休日が必要です。年間休日が105日を下回る求人は法律違反の可能性があるため、注意が必要です。
- 120日以上:完全週休2日+祝日+夏季・年末年始休暇(ホワイト企業の目安)
- 110〜119日:平均的な水準
- 105〜109日:最低ライン
- 105日未満:要注意(法律違反の可能性)
残業時間の確認
求人票に「残業月20時間程度」と記載されていても、実態と異なるケースがあります。面接時に具体的な残業時間を確認するとともに、労働法・職場の権利ガイドで自分の権利を理解しておくことが大切です。
雇用形態の種類と特徴
日本の雇用形態にはいくつかの種類があり、それぞれ待遇や安定性が異なります。
| 雇用形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 正社員 | 期間の定めのない雇用 | 安定性が高い、福利厚生が充実 | 転勤の可能性、長時間労働になりやすい |
| 契約社員 | 期間を定めた雇用(1〜3年が多い) | 正社員登用の可能性あり | 契約更新されない可能性 |
| 派遣社員 | 派遣会社を通じた雇用 | 職種を選びやすい | 雇用が不安定、待遇に差がある |
| パート・アルバイト | 短時間勤務 | 柔軟な勤務時間 | 収入が不安定、福利厚生が限定的 |
| 業務委託 | フリーランスとしての契約 | 自由度が高い | 社会保険なし、収入が不安定 |
外国人の方は、在留資格によって就ける雇用形態が制限される場合があるため、応募前に必ず確認してください。
ブラック企業の求人票を見抜く7つのサイン
残念ながら、日本にはいわゆる「ブラック企業」と呼ばれる労働環境の悪い企業も存在します。ブラック企業の見分け方を事前に学んでおくことが重要です。求人票から以下のサインを見つけた場合は注意が必要です。
!ブラック企業の求人票を見抜く7つのサイン - illustration for 求人票の読み方と見るべきポイント
1. 給与が相場より極端に高い
業界の平均を大きく上回る給与を提示している場合、「実はインセンティブ込み」「残業・休日出勤が前提」「離職率が高いため高額で人材を確保したい」といった理由が隠れている可能性があります。
2. 抽象的な表現が多い
「やりがいのある仕事」「アットホームな職場」「若い力を求めています」など、具体性のない美辞麗句が並んでいる場合は要注意です。実際の業務内容や労働条件を明示できない理由があるかもしれません。
3. 常に求人を出している
同じ企業の求人が2ヶ月以上掲載され続けている場合、人材が定着しにくい職場環境である可能性が高いです。一般的な求人掲載期間は約4週間です。
4. 「未経験者歓迎」の多用
もちろん正当に未経験者を募集している企業もありますが、「誰でもOK」といった表現が過剰な場合は、離職率の高さを補うための大量採用である可能性があります。
5. 試用期間が異常に長い
一般的な試用期間は3〜6ヶ月ですが、1年以上の試用期間を設定している企業は注意が必要です。試用期間中は給与や待遇が低く設定されていることが多いためです。
6. 福利厚生の記載が極端に少ない
社会保険完備は法律上の義務ですが、それ以外の福利厚生が全く記載されていない場合、従業員への待遇が最低限である可能性があります。
7. 残業代の記載がない・曖昧
残業があるにも関わらず残業代の支給方法が明確でない場合は、サービス残業(無給の残業)が常態化している可能性があります。
転職活動で不安がある方は、転職エージェントの活用も検討してみましょう。プロのアドバイザーが求人票の見方をサポートしてくれます。
2024年4月施行の法改正で追加された記載事項
2024年4月1日から改正職業安定法が施行され、求人票に新たに記載が義務付けられた項目があります。外国人の方もこの変更を知っておくことで、より正確に求人情報を読み取ることができます。
新たに追加された必須記載項目:
- 業務内容の変更範囲:入社後に業務内容が変更される可能性がある場合、その範囲を明示
- 勤務地の変更範囲:転勤の可能性がある場合、その範囲を明示
- 有期雇用契約の更新基準:契約社員の場合、契約更新の判断基準を明記
これらの記載があることで、入社後に「聞いていなかった」というトラブルを防ぐことができます。特に外国人の方は、勤務地の変更が在留資格に影響する場合もあるため、必ず確認しましょう。
外国人が特に確認すべきポイント
外国人ならではの視点で、求人票を確認する際に追加で注意すべき点を紹介します。
!外国人が特に確認すべきポイント - illustration for 求人票の読み方と見るべきポイント
ビザサポートの有無
求人票に「ビザサポートあり」「在留資格の取得・変更をサポート」といった記載があるかを確認しましょう。記載がない場合でも、応募前に企業に直接問い合わせることをおすすめします。就労ビザの種類と条件を事前に理解しておくと、自分に合った求人を見つけやすくなります。
語学力の要件
「日本語能力試験N2以上」「ビジネスレベルの日本語力」など、求められる語学力のレベルを確認しましょう。日本語能力と語学スキル向上ガイドでは、各レベルの目安と学習方法を詳しく解説しています。
外国人採用の実績
企業の外国人採用実績があるかどうかも重要なポイントです。実績がある企業は、異文化コミュニケーションへの理解やサポート体制が整っていることが多いです。
住居サポート
日本での住居探しは外国人にとって大きな課題の一つです。社宅や住宅手当、引っ越しサポートの有無を確認しましょう。
求人票を読む際の実践チェックリスト
最後に、求人票を読む際に使えるチェックリストをまとめました。応募前にこのリストで確認してみてください。
| チェック項目 | 確認ポイント | 重要度 |
|---|---|---|
| 給与は額面か手取りか | 固定残業代が含まれていないか | ★★★ |
| 年間休日数 | 105日以上あるか、完全週休2日制か | ★★★ |
| 雇用形態 | 正社員か契約社員か、試用期間の条件 | ★★★ |
| 社会保険完備 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 | ★★★ |
| ビザサポート | 在留資格の取得・変更をサポートしてくれるか | ★★★ |
| 残業時間 | 平均残業時間と残業代の支給方法 | ★★☆ |
| 勤務地の変更範囲 | 転勤の可能性とその範囲 | ★★☆ |
| 福利厚生 | 交通費・住宅手当・家族手当などの有無 | ★★☆ |
| 語学力の要件 | 自分のレベルと合っているか | ★★☆ |
| 企業の外国人採用実績 | 過去に外国人を採用した実績があるか | ★☆☆ |
まとめ
求人票を正しく読み解く力は、日本での就職活動を成功させるための第一歩です。特に外国人の方は、日本独自の雇用慣行や法律を理解した上で求人票を確認することが大切です。
重要なポイントをまとめると:
- 給与は額面表示であり、手取りは約75〜80%になる
- 「完全週休2日制」と「週休2日制」は別物であることを理解する
- 固定残業代が含まれていないか必ず確認する
- 2024年4月の法改正で追加された記載事項をチェックする
- ブラック企業の7つのサインを頭に入れておく
- ビザサポートの有無を必ず確認する
不明な点があれば、転職エージェントに相談することをおすすめします。専門のアドバイザーが求人票の見方から面接対策までトータルでサポートしてくれます。
日本での就職活動を応援しています。正しい知識を身につけて、自分に合った理想の職場を見つけてください。
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