留学生のアルバイトルールと28時間制限

留学生がアルバイトをする際に必須の28時間制限ルールを徹底解説。資格外活動許可の取得方法、正しい計算方法、掛け持ちバイトの注意点、違反時の罰則、2025年以降の制度変更まで、最新情報をわかりやすくまとめました。
留学生のアルバイトルールと28時間制限|資格外活動許可から罰則まで徹底解説
日本に留学している外国人にとって、アルバイトは生活費の補填や日本社会を体験する重要な手段です。しかし、留学生がアルバイトをするためには「資格外活動許可」の取得が必要であり、さらに週28時間という厳格な就労時間制限が定められています。このルールを知らずに違反してしまうと、在留資格の取り消しや退去強制(強制送還)という深刻な結果を招く可能性があります。
本記事では、留学生がアルバイトをする際に必ず知っておくべきルール、28時間制限の正しい計算方法、違反した場合の罰則、そしてバイト選びのポイントまで、最新の制度変更を含めて徹底的に解説します。これからアルバイトを始めたい方も、すでに働いている方も、ぜひ最後までお読みください。
資格外活動許可とは?取得方法と基本ルール
留学生が日本でアルバイトをするためには、まず「資格外活動許可」を取得する必要があります。留学ビザ(在留資格「留学」)は本来、勉強を目的としたビザであり、就労活動は認められていません。そのため、アルバイトという「資格外の活動」をするための特別な許可が必要になるのです。
資格外活動許可の申請方法
資格外活動許可の申請は、出入国在留管理庁(入管)の窓口で行います。必要な書類は以下の通りです:
- 資格外活動許可申請書(入管のウェブサイトからダウンロード可能)
- パスポート
- 在留カード
- 学生証(在学証明書でも可)
申請から許可が出るまでは通常2週間~2ヶ月程度かかります。新規入国時に空港で申請すれば、即日許可が出るケースも多いです。
許可を得る前にアルバイトを始めてはいけない
重要なポイントとして、資格外活動許可が出る前にアルバイトを始めることは違法です。「申請中だから大丈夫だろう」と思って働き始めると、不法就労になってしまいます。必ず許可が下りてからアルバイトを開始してください。
資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」の2種類がありますが、留学生が一般的なアルバイトをする場合は「包括許可」で十分です。包括許可であれば、バイト先を変更しても改めて申請する必要はありません。
週28時間制限の正しい計算方法
留学生のアルバイトで最も重要なルールが、週28時間の就労時間制限です。この計算方法を正しく理解していないと、知らないうちにオーバーワーク(超過勤務)になってしまうことがあります。
「週」の定義に注意
28時間の「1週間」は、月曜から日曜までの固定ではありません。どの曜日から数えても、連続する7日間で28時間以内に収める必要があります。たとえば、水曜日から翌週火曜日までの7日間、木曜日から翌週水曜日までの7日間、いずれの期間でも28時間を超えてはなりません。
具体的な計算例
| 曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| パターンA(OK) | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 28h |
| パターンB(OK) | 0h | 5h | 5h | 0h | 5h | 8h | 5h | 28h |
| パターンC(NG) | 5h | 5h | 5h | 5h | 5h | 5h | 0h | 30h |
| パターンD(NG) | 0h | 0h | 8h | 8h | 8h | 8h | 0h | 32h |
複数のバイトを掛け持ちする場合
複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、すべてのバイト先の勤務時間を合算して28時間以内に収める必要があります。例えば、コンビニで週15時間、飲食店で週15時間働くと合計30時間となり、違反になります。
掛け持ちバイトの時間管理は自己責任です。各バイト先は他のバイト先での勤務時間を把握していないため、自分でしっかりと管理する必要があります。
長期休暇中の特例|1日8時間・週40時間まで可能
学校の長期休暇中(夏休み・冬休み・春休み)は、通常の28時間制限が緩和され、1日8時間・週40時間まで働くことができます。これは留学生にとって稼ぎ時となる重要な特例です。
長期休暇の条件
この特例が適用されるためには、以下の条件を満たす必要があります:
- 在籍する学校が正式に定めた長期休暇期間であること
- 学校の学則や学事暦で休暇期間が明確に定められていること
- 自主的な休学や欠席期間は対象外
注意すべき点として、試験期間後に自主的に休んでいる期間や、授業がないからといって長期休暇として扱うことはできません。必ず学校が公式に定めた休暇期間のみが対象です。
長期休暇中の勤務時間の例
| 条件 | 1日の上限 | 週の上限 |
|---|---|---|
| 通常期間(授業期間中) | 制限なし(ただし週28時間以内) | 28時間 |
| 長期休暇中 | 8時間 | 40時間 |
| 風俗営業 | 就労不可 | 就労不可 |
長期休暇が終わる前に、通常のシフトに戻す準備をしておくことが大切です。休暇の最終日まで40時間ペースで働き、翌週から突然28時間に減らすのが難しいケースもあるため、事前にシフト調整をしておきましょう。
禁止されている業種と注意すべきバイト
留学生には、就労が禁止されている業種があります。資格外活動許可を持っていても、以下の業種では働くことができません。
風俗営業に該当する業種
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」で定められた風俗営業に該当する業種では、留学生は一切働くことができません。具体的には以下のような業種です:
- キャバクラ・ホストクラブなどの接待を伴う飲食店
- バー・スナックなど照明が暗い飲食店
- パチンコ店・ゲームセンター
- マージャン店
- 性風俗関連の店舗全般
一見すると普通のお店に見えても、風営法上の「風俗営業」に該当する場合があるので注意が必要です。たとえば、ダーツバーやカラオケバーなどが該当するケースもあります。
バイト選びのポイント
留学生におすすめのアルバイトとしては、以下のような業種が一般的です:
- コンビニエンスストア
- ファミリーレストラン・ファストフード
- スーパーマーケット
- ホテルの清掃・フロント
- 工場の軽作業
- 翻訳・通訳のアルバイト
バイトを選ぶ際には、シフトの柔軟性が高い職場を選ぶことが28時間制限を守るうえで重要です。日本での就職活動を見据えて、日本語力が身につくバイトを選ぶのも良い戦略です。
オーバーワーク違反時の厳しい罰則
28時間制限を超えて働いた場合(オーバーワーク)の罰則は非常に厳しく、留学生活に深刻な影響を及ぼします。違反した場合の罰則について詳しく見ていきましょう。
留学生側の罰則
| 罰則の種類 | 内容 |
|---|---|
| 刑事罰 | 1年以下の懲役または200万円以下の罰金 |
| 在留資格の取り消し | 在留資格「留学」が取り消される可能性 |
| 退去強制(強制送還) | 日本から退去させられる |
| 再入国禁止 | 5年間日本への入国が禁止される |
| ビザ更新の不許可 | 次回のビザ更新が認められない |
雇用主側の罰則
違反は留学生だけでなく、雇用主にも重い罰則があります:
- 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(不法就労助長罪)
- 資格外活動許可を確認せずに雇用した場合も罰則の対象
オーバーワークが発覚するケース
オーバーワークは以下のような状況で発覚することが多いです:
- ビザの更新・変更申請時の審査
- 入管による雇用先への調査
- マイナンバーによる勤務時間の把握(今後強化予定)
- 確定申告・年末調整の所得データ
- アルバイト先の労基署調査
2025年以降の制度変更と最新動向
留学生のアルバイトを取り巻く環境は、2025年12月から大きく変わる可能性があります。最新の制度変更について把握しておきましょう。
資格外活動許可の厳格化
政府は、外国人留学生のアルバイト許可を「入国時の自動付与」から「個別審査」へ移行する方針を打ち出しています。これまでは空港で入国時に簡単に許可を取得できましたが、今後は以下のような審査が行われる見込みです:
- 在学状況の確認(出席率、成績など)
- 過去の就労実績の確認
- 留学目的の真正性の審査
マイナンバーを活用したデジタル監視
2027年からは、マイナンバーを活用して留学生のアルバイト時間や納税状況をデジタルで監視する仕組みが導入される予定です。これにより、オーバーワークの把握がより厳密になり、違反の摘発が強化されることが予想されます。
人手不足との矛盾
一方で、日本の多くの業界は深刻な人手不足に直面しており、留学生のアルバイトは貴重な労働力となっています。28時間ルールの厳格化は、特に飲食・サービス業やコンビニ業界に大きな影響を与えると懸念されています。
28時間ルールを守るための具体的な管理方法
オーバーワークを防ぐために、日頃から勤務時間を適切に管理することが非常に重要です。以下の方法を参考にして、28時間制限を確実に守りましょう。
シフト管理のコツ
- 勤務時間を記録するアプリやノートを活用する — スマートフォンのカレンダーアプリや手帳に、毎日の勤務時間を記録しましょう
- 掛け持ちバイトの合計時間を常に把握する — 複数のバイトをしている場合は、合計時間が28時間を超えないよう注意が必要です
- 週の始まりを固定せず、ローリング計算を意識する — どの7日間で区切っても28時間以内に収まるようにシフトを組みましょう
- バイト先に留学生であることを伝え、協力を仰ぐ — シフト作成時に28時間制限を考慮してもらえるよう、事前にバイト先と話し合いましょう
推奨されるシフトパターン
| パターン | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 均等型 | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 28h |
| 授業優先型 | 0h | 4h | 0h | 4h | 0h | 8h | 8h | 28h |
| 安全型 | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 4h | 0h | 24h |
「安全型」のように、少し余裕を持たせたシフトにすることで、急な残業やシフト変更にも対応できます。日本語能力を向上させるための勉強時間も確保できるよう、バランスの取れたスケジュールを心がけましょう。
まとめ:ルールを守って安心してアルバイトを楽しもう
留学生のアルバイトルールと28時間制限について、重要なポイントをまとめます:
- 資格外活動許可を必ず取得してからアルバイトを始める
- 週28時間制限は「連続する7日間」で計算する
- 複数バイトの掛け持ちは合計時間に注意する
- 長期休暇中は1日8時間・週40時間まで可能
- 風俗営業での就労は一切禁止
- 違反すると在留資格の取り消し・退去強制の可能性がある
- 2025年以降、ルールがさらに厳格化される予定
ルールを正しく理解し、しっかりと守ることで、安心してアルバイトを続けることができます。アルバイトは生活費を賄うだけでなく、日本社会や文化を学ぶ貴重な機会です。留学生から社会人への就職を目指す方にとっても、アルバイト経験は将来のキャリアに大きなプラスとなるでしょう。
わからないことがあれば、学校の留学生課や最寄りの入管窓口に相談することをおすすめします。ルールを守りながら、充実した留学生活を送ってください。
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