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家族と日本生活の完全ガイド

家族の医療・健康保険の手続きと利用法

ブイ レ クアンブイ レ クアン公開日:2026年2月25日更新日:2026年2月28日
家族の医療・健康保険の手続きと利用法

日本で働く外国人が家族を健康保険に加入させる方法を詳しく解説。社会保険の扶養手続き・必要書類、国民健康保険への加入方法、マイナ保険証への移行まで、2024年最新情報を外国人向けにわかりやすくまとめました。

家族の医療・健康保険の手続きと利用法【外国人向け完全ガイド】

日本で働く外国人にとって、家族の健康保険手続きは複雑に感じられることがあります。2024年時点で日本の外国人人口は約358万人に達しており、家族を帯同して暮らす方も増えています。本記事では、外国人労働者が家族を健康保険に加入させるための手続きと、日本の医療保険制度をどのように活用するかを分かりやすく解説します。

日本の健康保険制度の仕組みを理解しよう

日本の健康保険制度は、国民全員が何らかの公的医療保険に加入する「国民皆保険」の原則に基づいています。外国人も、適切な在留資格を持ち3ヶ月以上日本に滞在する場合は、加入が義務付けられています。

主な健康保険の種類は大きく2つに分かれます:

① 健康保険(社会保険) 会社員・会社勤めの方が加入するもので、雇用主と折半で保険料を支払います。家族を「被扶養者」として追加保険料なしで加入させることができるのが大きなメリットです。東京都の医療保険情報サイトによれば、扶養家族は追加保険料なしで医療費の最大70%が保険でカバーされます。

② 国民健康保険(NHI) 自営業者、フリーランス、会社員以外の方が加入するものです。国民健康保険には原則として「被扶養者」制度がないため、家族全員がそれぞれ個別に加入する必要があります。

項目健康保険(社会保険)国民健康保険
対象者会社員・パート(条件あり)自営業・無職・学生など
保険料事業主と折半全額自己負担
家族の扶養追加保険料なし家族全員が個別加入
医療費自己負担原則30%(3割負担)原則30%(3割負担)
扶養家族の要件日本国内在住 + 収入要件適用なし

家族を健康保険の扶養に入れる手続き

会社員として社会保険に加入している外国人労働者は、家族を「被扶養者」として社会保険に追加することができます。これにより、追加保険料なしで家族が医療保険の恩恵を受けられます。

扶養として認められる家族の範囲と収入要件

マイナビグローバルの社会保険解説によれば、扶養家族として認定される要件は以下の通りです:

  • 配偶者(事実婚含む):年収130万円未満
  • 子供(18歳未満):年収130万円未満(学生は除く)
  • 両親・兄弟姉妹:年収130万円未満、ただし60歳以上は180万円未満
  • 同居要件:直系尊属・配偶者・子・孫・弟妹は同居不要、それ以外は同居が必要

2020年法改正後の重要変更点

2020年4月の法改正により、社会保険の扶養家族として認められるためには日本国内に住民票があることが必要になりました。これは外国人労働者にとって重要なポイントです。

ただし、以下の場合は例外として海外在住でも扶養に入れることができます:

  • 海外の学校に留学している子供
  • 海外赴任に同行している家族
  • 外国で生まれた子供(出生後速やかに届出が必要)

必要書類と申請手順

扶養家族の追加申請には「健康保険被扶養者(異動)届」を提出します。外国人の場合、日本人と異なる追加書類が必要になることがあります。

  1. 健康保険被扶養者(異動)届(会社の人事部を通じて提出)
  2. 家族関係証明書(家族の続柄を証明するもの)
  3. 翻訳文書:外国語で書かれた証明書は日本語訳が必要(翻訳者の氏名・住所も記載)
  4. 在留カードのコピー(家族が日本在住の場合)
  5. 収入を証明する書類(直近の課税証明書など)

国民健康保険への家族加入手続き

自営業や無職の方が加入する国民健康保険では、家族それぞれが個別に加入します。住所を管轄する市区町村役所の窓口で手続きを行います。

申請場所と持参物

  • 申請場所:お住まいの市区町村役所の国民健康保険担当窓口
  • 在留カードまたはパスポート
  • 住民票(世帯全員分)
  • マイナンバーが確認できる書類

保険料の計算方法

国民健康保険の保険料は、前年の所得、世帯人数、お住まいの市区町村によって異なります。家族が増えると世帯全体の保険料が増加します。詳しい計算方法は各自治体の役所に確認してください。

2024年の最新情報:マイナ保険証への移行

日本政府の方針によれば、2024年12月2日より従来の健康保険証の新規発行が停止されました。今後はマイナ保険証(マイナンバーカードと健康保険証が一体化したもの)が標準となります。

マイナ保険証への対応方法

  1. マイナンバーカードを取得する(市区町村役所または郵送申請)
  2. マイナ保険証として登録する(医療機関のカードリーダーまたはマイナポータルで手続き)
  3. 既存の健康保険証は2025年12月まで使用可能(経過措置)

外国人でもマイナンバーカードを取得できます。在留資格を持つ外国人はマイナンバーが付与されるため、市区町村役所でカードを申請することができます。

医療機関での健康保険の利用方法

日本の医療機関では、健康保険証(またはマイナ保険証)を提示することで、医療費の自己負担が通常30%(3割負担)になります。

受診時の手順

  1. 受付で保険証を提示する(初診時は必須)
  2. 診察を受ける(必要に応じて検査・薬の処方)
  3. 会計で3割の自己負担分を支払う
  4. 薬局で処方箋を渡し、薬を受け取る

高額療養費制度の活用

医療費が高額になった場合、「高額療養費制度」を利用することで、月の自己負担上限額を超えた分が還付されます。例えば、年収約370万円以下の方の場合、自己負担の上限は月約57,600円となります。申請は加入している保険の窓口(会社の健康保険組合または市区町村役所)で行います。

よくある質問と注意点

Q: 家族が来日した直後から保険に入れますか? A: はい、ただし日本に住民票を登録した後に手続きが可能です。住民票登録後、速やかに社会保険または国民健康保険の手続きを行いましょう。

Q: 子供が生まれた場合の手続きは? A: 出生後14日以内に市区町村役所で出生届を提出し、その後健康保険の手続きも行います。日本で生まれた外国人の子供も健康保険への加入が必要です。

Q: 転職した場合、家族の保険はどうなりますか? A: 転職先の会社で新しい社会保険に加入し、家族の扶養手続きを再度行う必要があります。転職と同時に家族の保険証も更新されます。

Q: 帰国する場合の手続きは? A: 社会保険は会社を退職した時点で資格を失います。国民健康保険は市区町村役所で「喪失届」を提出する必要があります。


日本の健康保険制度は複雑に見えますが、きちんと理解して手続きを行えば、家族全員が安心して医療を受けられます。不明な点は、会社の人事部や市区町村役所の窓口、または社会保険労務士に相談することをお勧めします。

また、健康保険に加わって、税金・社会保険・年金の全体像を把握することも重要です。特に家族がいる場合は、住居・生活インフラの整備と合わせて計画的に手続きを進めましょう。労働法・職場の権利についても確認することで、日本での生活をより安心して送ることができます。

ブイ レ クアン
ブイ レ クアン

ベトナム出身、来日16年以上。名古屋大学卒業後、J*(日本企業)・A*(外資系企業)で11年の実務経験。外国人の日本就労情報を発信。

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